国際分散投資における「ホームカントリー・バイアス」について

Facebook
Twitter
INDEX

Fund Garageのポートフォリオコンサルティングでは、「ホームカントリー・バイアス」をかけないアセットアロケーションを提案します。

理由
国際分散投資は、「地球規模での経済成長を効率よく享受する投資手法」だから

世界標準はホームカントリーバイアスなし

国際分散投資をしようとロボアドバイザーやバランスファンドを探したりすると、株式の資産クラスが日本株、外国株、となっていることが多いことに気づくと思います。

イデコや積立NISA、企業で加入している確定拠出年金なども商品(アセットクラス)の区分が日本株、外国株、になっている事が多いのではないでしょうか?

私たちが当たり前のように接しているこの区分ですが、実は国際分散投資をする上では異端な組み合わせ方なのです。

世界最大の年金基金の運用を行うカリフォルニア教職員組合のカルパースも、ハーバード大学の基金もホームカントリー・バイアスをかけていません。これらはアメリカの基金ですが、ヨーロッパに拠点をもつプライベートバンクなども同様です。

例えば、グローバルに超富裕層ビジネス(プライベートバンク)を展開する英国バークレイズ銀行などが、お客様に提案するモデルポートフォリオのアセット・アロケーションは、世界共通です。サービスを提供する国によって、英国株と英国株以外、とかドイツ株とドイツ株以外といった分け方はしません。

それは国際分散投資の目的である「地球規模の経済成長を効率よく享受するため」に最も理に適ったポートフォリオは国によって異なることはないからです。

国際分散投資をする意味は?

なぜ国際分散投資が優れた運用だと言えるのか?

それは、「地球規模での経済成長を効率よく享受する投資手法だから」です。

どの国が一番良いのかというような当てっこゲームをすることなく、満遍なく効果的に世界の経済成長を投資収益に変えていこうという考え方が国際分散投資をする本当の狙いのはずです。

「世界の経済」ということで、世界の総GDPを見てみましょう。

世界の総GDPは84.84兆ドル(2018年10月時点)です。内訳は、先進国が51.32兆ドルで約60%、新興国が33.52兆ドルで約40%、先進国に含まれる日本のGDPは約5兆ドルなので、全体に占める割合は、約6%です。

更に各国の株式市場の時価総額ベースの比較(MSCIオールカントリーインデックス「ACWI」2018年9月末時点を参考)をしてみると、先進国81.3%、新興国11.1%、日本7.6%です。

Fund Garageがホームカントリー・バイアスをかけないポートフォリオコンサルティングをするのは、このように「地球規模の経済成長を効率よく享受するため」に国際分散投資を検討するときに、例えば国内株式と外国株式を50:50の比率で投資するというアセット・アロケーションは合理的な比率と考えられないからです。

https://fundgarage.com/5223/

ホームカントリー・バイアスが標準になった経緯は?(ちょっと裏話)

バランス型ファンドや分散ポートフォリオと呼ばれる運用の仕方について、時をさかのぼるほど、その中で取り扱われる「日本の資産クラス」の存在感は強くなっています。

それは運用会社の運用部門の体制や証券会社の部門構成にも如実に表れています。私が長きに亘り所属していた大手銀行系運用会社では、運用部隊の分け方そのものが「国内株担当」「外国株担当」「国内債券担当」「外国債券担当」でした。リサーチ部門も、リサーチの仕方も同様です。証券会社でも「国内株式部」と「外国株式部」などと分けているのが普通だと思います。

現代ポートフォリオ理論ができる前の体制の名残りがいまだに商品設計に影響しているのかもしれませんね。

無料のニュースレターに登録しませんか?

ウェブサイトに掲載した旬な話題を随時お送りします

ファンドガレージ 大島和隆

Fund Garageへようこそ。主宰の大島和隆です。投資で納得がいく成果を得る最良の方法は、自分自身である程度「中身の評価」や「モノの良し悪し」を判断が出来るところから始めることです。その為にも、まず身近なところから始めましょう。投資で勝つには「急がば回れ」です。Fund Garageはその為に、私の経験に基づいて、ご自身の知見の活かし方などもお伝えしていきます。