【号外】欧州の新型コロナ再感染動向を日本に当てはめるとしたら(10月22日付)

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欧州の再ロックダウンをどう捉えるか

何度も言うが、感染者数の累計値を比較しても、何も分からない

新型コロナウイルスに感染した人は全世界で累計4,100万人を超え、亡くなった方も110万人を超えた。そして、先月中頃から再び欧州での感染拡大が再発し、ついにチェコとアイルランドが全土のロックダウンという事態になった。恐らく市場ではこの数値の状況に徐々に脅えが始まるだろう。

だが最も危惧されるのは、定性的に「感染爆発」とか「ギリギリ」というような表現で必要以上に大袈裟に騒ぎ立て、不必要なレベルまで経済活動が委縮や停止をしてしまうことだ。冷静に正確な数値で状況を分析しよう。

流石に最近は以前のように日本政府の対応の遅れなどを非難するメディアも減ったように思うが、逆に世界の諸外国の状況を「大変だ、大変だ」とあたかも自国のことのように騒ぐ傾向が出てきたように思う。また冒頭でお伝えしたように、この約4,100万人というのは今までに新型コロナウイルス・COVID-19に感染経験のある人の数の累計であり、当然治癒しているも沢山いる。その数、おおよそ2,800万人。これに加えて、残念ながら亡くなってしまった方が110万人なので、現時点で新型コロナウイルス・COVID-19の陽性反応を抱えて戦っている人は、約1,200万人ということになる。

取り扱っているデータが病気の患者数である以上、新たに罹患する人もいれば、快癒する人もいる。そして悲劇的にも帰らぬ運命となる方もいる。そうしてことを踏まえて、数値は動的に捉える必要があり、現時点で陽性反応を抱えて戦っている人を「ACTIVEな感染者」とFund Garageでは命名して、日々その数値を計算して毎朝前日比と共に公表している。(ご参照:世界の新型コロナウイルス感染動向・国別データの分析

分母、すなわち総人口が違えばダメージも変わって来る

これも需要なことだが、二人にひとりが感染者なのと、百人や千人にひとりが感染者なのとでは、当然その状況が変わって来る。どの国にも同じ絶対量の医療設備が整っているわけでは無く、人口の割に多いところもあれば、少ないところもある。トランプ大統領が無事回復されたように、一流の専門医師が10人近くも張り付いて経過観察をしながら治療にあたるのと、ひとりの医師が10人近くの集中治療室の患者を24時間体制で看るのとでも当然話は違ってくる。つまり、人口を加味しない議論は全く無意味だということだ。

そこで、毎朝作業してデータを蓄えてあるエクセルシートを使って「もし、世界各国の総人口に対するACTIVEな感染者の割合と同じ割合で、日本にACTIVEな感染者が発生したら」という前提で再計算し、一覧に纏めた表が下記の表だ。

ジョンズホプキンス大学が発表している数値を元にして居るが、発表されているのはリアルタイムでの感染者数累計、死亡者数、回復者数だけ。毎日これらから前日比を掲載したり、人口を加味した数値を計算したりしている。それらが右から4列目、3列目、2列目に記載されており、一番右側にはその国の総人口を調べて入れてある。

そしてこれらから換算して、「もし、日本がその国同等の比率でACTIVEな感染者が出たら、果たして何人になるか?」という素朴な表である。

最初の行にある日本「JAPAN」の数値がリアルな日本の現状を示している。日本全土よりも東京都だけの方がACTIVEな感染者の割合が多いので、もし日本中が東京並みにACTIVEな感染者を抱えたら、果たして何人になるのかを示したのが東京「TOKYO」の左の数値15,171人だ。現在(2020年10月22日午前4時24分のジョンズホプキンス大学発表データに基づく)、日本全国で陽性反応を抱えて戦っている「ACTIVEな感染者」は6,396人だ。東京は人口が約1,395万人であるにも関わらず、アクティブな感染者は現在1,669人となる。この東京都と同じ比率で日本全土に感染者が出たら、日本全土では何人となるのかを示したのが、左から3列目、TOKYOの右に書いてある15,171人である。つまり実際の人数の約3倍程度になるということだ。

見方を変えれば、東京都で暮らしている人の目に移っている新型コロナウイルス・COVID-19の感染状況は、日本中に約15,171人のACTIVEな感染者がいるのと同じだということだ。これを、世界で今現在日本よりも感染者数累計が多い全47ヶ国に当て嵌めてみたのが下記の表である。まずはじっくりとご覧頂きたい。

ひと目でわかる「もし日本が〇〇国同等だとしたら」の表

お分かり頂けるだろうか。通常は感染者数累計でソーティングしてある表が多いため、アメリカやインド、或いはブラジルが前面に押し出されるが、こうして再計算して換算してみると、現在のベルギー全土の状況は、日本全土に232万人のACTIVEな感染者がいるのと同じ感染者密度だということ。スペイン並みだと223万人、米国並みだと186万人だ。繰り返しになるが、日本は全土で僅かに0.6万人(6,396人)しかいないにもかかわらずだ。

因みに今回全土ロックダウンに踏み切ったチェコだと140万人ということになり、アイルランドだと74万人という換算が出来る。医療体制の問題や総人口を踏まえての対応策だと考えるが、日本の現状とはそれでもかけ離れていると見ることが出来る。

是非、この数値感覚をもって、日本経済の見通し、市場動向などを分析などして欲しい。定性的な言葉の魔術や罠に引っ掛かった者に、投資で成功することは出来ないのだから。

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ファンドガレージ 大島和隆

Fund Garageへようこそ。主宰の大島和隆です。投資で納得がいく成果を得る最良の方法は、自分自身である程度「中身の評価」や「モノの良し悪し」を判断が出来るところから始めることです。その為にも、まず身近なところから始めましょう。投資で勝つには「急がば回れ」です。Fund Garageはその為に、私の経験に基づいて、ご自身の知見の活かし方などもお伝えしていきます。