【無料記事】FG Free Report 持ち堪えられるか企業決算(2022年4月18日号抜粋)

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無料版の始めに

こちらは、Fund Garageプレミアム会員専用の「プレミアム・レポート」の再編集版記事です。公開から半年以上経った記事になりますが、当時の市場の空気と、普遍的な知見を皆様にお届けできれば幸いです。 より最新の情報個別企業の解説に関心をお持ちになられた方は、是非プレミアム会員にお申し込みください。 前置きが長くなってしまいました。では「プレミアム・レポート 2022年4月18日号」の一部を無料抜粋という形でご覧頂きましょう。

記事のポイント

  • 投資家の皆様に今一番お伝えしたいことは、今一度、ご自身の「投資スタンス」或いは「投資スタイル」を確認してみてくださいということ。
  • 株価の上下で一喜一憂し、気持ちが振り回された結果として、一番良くないのは運用を止めてしまうことだ。
  • 一度止めると今度は投資に復帰するのが相当大変になってしまう。
  • 決算発表で大事なことは、一次情報に耳を傾けるようにし、無用な解説に振り回されないようにすること
  • 今決算発表で確認すべきは「右肩上がりのビジネス・トレンドが続いているか否か」のみだ。

———–<以下、プレミアム・レポートより抜粋>———–

悲観し過ぎる必要は無い

まずはそもそものところへ立ち返る

今回一番にお伝えしたいことは、

「今一度、ご自身の「投資スタンス」或いは「投資スタイル」を確認してみてください」

ということだ。「鋼(はがね)の胃袋を持つファンドマネージャー」と呼ばれた私でも、不確定要素をたくさん与えられた今のような状況で、株価が大きく上下に変動すれば、決して穏やかではいられるものではない。ましてや、ベテランの方も含めて、普通の個人投資家の方ならば尚更穏やかでは無いだろうと思われる。だからこそ、気持ちを鎮めるためにも、「ご自身の「投資スタンス」或いは「投資スタイル」を今一度確認してみてください」と思っている。

株価自体が気にならないと言ったら嘘になる。ただ私は余程のことが無い限り、株価自体は判断材料にはしない。「○○ドル(円)を抜けたら抵抗線を切る」とか、テクニカルな見方は沢山ある。しかし、所詮それらは短期的な需給の増減要因であり、ファンダメンタルズの話では無い

だからと言って、私の投資判断は「経験と勘と気合」の3K運用というわけでは勿論ない。投資理論自体は過去20年程度で飛躍的に進歩したが、基本的な部分の理論は勿論不変だ。だからこそファンダメンタルズが重要だと思っている。

株価の上下で一喜一憂し、気持ちが振り回された結果として、一番良くないのは運用を止めてしまうことだ。ポジションを無くしてしまうことだ。ポジションを無くしてしまえば、事実として気持ちは一旦はとても楽になる。だが、実は一度止めると今度は投資に復帰するのが相当大変になってしまう。ましてや売った損切値段よりも高くなったりすると、余程のことが無い限り、「あそこで売らなければ良かった」との後悔ばかりで買い戻す気には中々ならない。事実、現在は投資をしていない人でも、かつては投資経験があるという人は8割近くに及ぶというデータがあるぐらいだ。

またテクニカル分析が教えているのは、一般化した投資家心理の変遷を、当事者で無くても「推計」出来るように、謂わば価格変動をディープラーニングしたようなものだ。ならば投資を続けている人は、自分自身のメンタルこそ、市場の心理状態の代表例と言える。つまり、

自分が辛い時はみんな辛い、自分が気分よく市場を見ている時は、みんなガードが甘くなっているというだけの話

だ。テクニカル分析などしなくても、自分の胸に手を当てて、心の声を聴いてみれば、市場の声も聞こえてくる。

堪え切れなくてなって最後の投資家が売った時が底値、逆に調子に乗って最後の人が買った時が高値となると言われるのはその為だ。

重要なのはファンダメンタルズ。その意味では、Fund Garageのプレミアム会員の皆様はきちんとビジネス・トレンドを押さえて頂いているので大丈夫だ。追い掛けているビジネス・トレンドが右肩上がりである限り、その中心にいる企業の株価は解散価値が増加する。そして今、ご紹介してきたビジネス・トレンドの中で変化が終了したものは、まだまだひとつも無い。短期的な需給はあくまでも市場のノイズでしかない。

2021年度3月期(CY2022Q1)決算発表が始まった

今年も決算発表のシーズンが到来した。米国企業にとっては単なる四半期決算のひとつなのだが、日本企業にとってはこの時期の決算発表は重要な年度末決算の発表であることが殆どだ。そして慣例として日本企業は今期の通年見通しを発表する。それをある程度見越して動き始めたのか、先週の各市場の動向は下記の通りだ。

新型コロナの問題、ウクライナ情勢、物価高騰と利上げ、こうした問題が複雑に絡み合ってサプライチェーンの混乱も見られる中、円安だけを背景に強気なことを言う企業経営者もそうそう居ないだろう。その結果に起きることが予想されるのは「慎重な見通し」に対する「悲観論」のオンパレードだ。

是非ここは一次情報に耳を傾けるようにし、無用な解説に振り回されないように、予め心の準備をされておくことを強くお勧めする。確認すべきは「右肩上がりのビジネス・トレンドが続いているか否かということだけで良い。それを企業経営者の口がどう説明しているかを聞いて欲しい。

半導体関連株の変調について

<FG Free Report では割愛>

米国金利は上昇、されどイールドカーブは良い形になってきた

<FG Free Report では割愛>

 

「〇〇年振りの物価上昇」と騒ぎ立てるが・・・

確かに前年同月比で比べれば、ロックダウンも各地で行われていて消費も停滞、サービス業などの雇用は低迷していた時期に比べれば、物価が同じ水準である方がおかしな話と言える。寧ろ、正常化する中で対前年同期比が加速して上昇しているのは妥当な姿だろう。対前年同月比についても、対前年同月比が大きければ、考え方として、急速に右肩上がりになる線の傾きである以上、高くて当然だ。

どうやら米国債券市場はそのことを素直に示しているようだ。恐らく0.5%(50bp)のFFレートの誘導目標の引き上げがあれば、短期金利を中心に金利は上昇するだろう。ただそれでも尚、10年債金利はドットコム・バブルの頃の6%には程遠いだろう。繰り返すが、2000年のドットコムバブルの頃の米国金利は約6%だ。10年債金利で今の2倍以上の水準だ。その中で、株式市場はもっと高い水準までPERなどのバリュエーションを放り上げた。

「前回の○○○ショックの時には、金利はああで、株価はこうなった」というような歴史引用の仕方も多いが、本来、市場の歴史、ヒストリカルなデータから学ぶべきものは上記のような話の筈だ。

円安は日本の地政学的なリスクの顕在化かも知れない

普通に考えれば現在の円安は日米金利差により米国への資金回帰が生み出しているものだ。「水は高いところから低いところへ流れ、お金は金利が低いところから高いところに流れる」という理論通りの動き言うことが出来る。

それを証明出来るのが下のチャートだ。ここにあるのはドル円相場と、ユーロドル相場のチャートだ。どちらも一気に最近ラインが上昇していているので、対円でも、対ユーロでも、どちらもドルが買われていることが示されている。ECBは利上げの話や引き締めの話をしているが、現時点ではFRBほどにはアグレッシブなコメントはしていない。そしてここには示していないが、日本円は対英ポンドに対しても最近は売られており、2019年8月には127円台にもなっていたものが、現在足許では165円台にまで円安になっている。

だがチャートの形状を見ると、3月下旬から円は加速度を増して売られている。ユーロの動きとは大局的トレンドは似て見えるが、そもそもECBもまだ利上げスタンスには入っていないことと、何より地政学的リスク、天然ガスなどの不足など、この先に向かって暗雲が立ち込めていることなどもあり、ある意味ではユーロは対ドルで売られる通貨であることは確かだろう。

一方、日本は利上げの話も無ければ、引き締めに走るという話も未だない。ましてやウクライナからは遠い。ならばなぜ、このように急激に116円台から一気に叩き売られて126円にまでなったのだろうか。金利差拡大がここで急加速したわけでもないからだ。逆言うと、日本円が急激に116円台から126円にまで叩き売られた期間、実はドル/ユーロは寧ろユーロが買われている場面さえある。よく見ると市場の評価ポイントは随分と違うことが分かる。

ならば何故、円は急激に対ドルで円安が進んだのか?人口減少が歴史的な水準となったからか。いや、恐らく答えは日本有事のリスクを敏感に感じ取った円売りと解するのが正しいように思われる。

すこしオタクな話なので長いと感じた方は飛ばして欲しい。

方向感さえ当たりもしない「為替の専門家」を称する人たちが何を言っているかは分からないが、現在、米原子力空母「エイブラハム・リンカーン」を中心とする空母打撃群が朝鮮半島沖の日本海に配備された。背景にあるのは表向きは「核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の可能性が指摘される北朝鮮をけん制」することであり、また米韓、日米が軍事演習を行うことにあるとされる。

少々知識の補足をさせて貰うと、原子力空母は単独では行動しない。何故なら、空母自体は実質丸腰に近いからだ。だからその護衛もかねて沢山の艦船を伴って艦隊行動を行う。今回第7艦隊司令部によるとミサイル巡洋艦「モービル・ベイ」、イージス駆逐艦「スプルーアンス」をはじめとした水上艦、併せて原子力潜水艦も伴っている。通常はミサイル巡洋艦が2-3隻、イージス艦が2隻、フリゲート艦が3-4隻、そして多数の補給艦に、海中に原子力潜水艦が2-3隻同行するのが普通だ。この戦闘能力は空母打撃群1つで小国の軍事力に匹敵すると言われている。当然にして相当な運営コストが掛かるのも事実。伊達や酔狂でこんなことはしないと考えた方が良いだろう。

だとすると、台湾有事を含む対中国の地政学的リスクの高まりもかなり高いということが思い出される。更に言えば、ロシア自らも「北海道に権利を有する」などと発言し始めており、シベリアや北方領土での軍事演習が盛んになっていると言われている。この辺りのことは、かなり控えめにしか日本のメディアは意図的に伝えていないようだが、欧米メディアは寧ろかなり積極的に発信しているのは確かだ。

今週の悩み

ロシアは全く戦後の孤立無援化に危機感が無いのではないだろうか

<FG Free Report では割愛>

フィンランドのNATO加盟に反対してミサイル配備のロシア

<FG Free Report では割愛>

 

注目する米国企業の決算発表日

<FG Free Report では割愛>

まとめ

ひとまず米国企業の決算発表予定を調べながら気になる企業をサラッとリストアップしただけで80社にもなってしまった。(FG Free Reportでは割愛しています。)これでもかなり絞っての数なので、今回は相当多くなってしまった。基本的にリサーチしたことが無い会社は無く、その中で現下の世界情勢だと調べておきたいな思う会社の名前でリストアップした。恐らくまだ結構漏れている会社もあるだろうと思う。

ただ今回はマクロ環境に色々な変化がある中なので、寧ろアンテナ感度を高めて色々な話を聞いてみたいと思っている。きっと気が付いていない、或いは端から知らない、興味深い話にいくつか出会えるだろうと思う。

ロシア大統領府の発表によれば、第2次世界大戦でのナチスドイツへの勝利を祝う式典を例年通り5月9日に開催するという。ちょうど米国の原子力潜水艦や原子力空母の原子力部物を取り扱う「BWXテクノロジーズ(BWXT)」の決算発表の日だから巡り合わせとも言える。逆に言えば、そこまでにロシアが大きくもうひと暴れして波乱があるかも知れない。ならば慎重にポジションを保持していても大丈夫だろう。

寧ろこの先を考える好機とも言える。

どうしても夏までにひと稼ぎしたいというような場合を除き、投資は長期にどっしりと構えて、常に準備万端、市場が急落でもしてくれたら「突撃!」というスタンスで居たら良いと思う。

今は短期でひと稼ぎ出来るような状況では少なくとも無いのだから。

My favorite Companies List(株主となって所有したい企業のリスト)

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———–<以上、抜粋終了>———–

(編集:Fund Garage編集部)

編集部後記

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