【無料記事】FG Free Report 息を吹き返したパンデミック銘柄(2021年11月29日号抜粋)

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無料版の始めに

こちらは、Fund Garageプレミアム会員専用の「プレミアム・レポート」の再掲版記事です。公開から半年以上経った記事になりますが、当時の市場の空気と、普遍的な知見を皆様にお届けできれば幸いです。より最新の情報や個別企業の解説に関心をお持ちになられた方は、是非プレミアム会員にお申し込みください。

前置きが長くなってしまいました。ではこの後、「プレミアム・レポート 2021年11月29日号」の一部を無料抜粋という形でご覧頂きましょう。

———–<以下、プレミアム・レポートより抜粋>———–

日本の感染状況は世界的にも特異な状況

悲観にも楽観にも走り過ぎず、ただ冷静に数字を見極める

<FG Free Report では割愛>

悪い話ばかりでは決してない、寧ろ安易に走った方が悪い

投資は

「普段は慎重すぎるほど慎重に、そして必要な時だけ生き馬の目を抜く素早さで変わり身する」

というのが成功への鉄則だと信じている。このメリハリが大事で、最悪なのが日和見に強気になったり、弱気になったりすること。多くの場合、「ノイズ」に振り回されて考えがまとまっていない場合が多い。

今回はそれでも普段は冷静な米国債券市場でさえ振り回されたようだ。それはFRBがテーパリング開始を始めたことで「利上げ不安」が債券市場に走っていたからだ。それを端的に証明するのがこの一週間のイールドカーブの動き。週末にイールドカーブは下方にドリフトダウンした。

赤いラインが週末26日、黒いラインは立ち合い日数で言えば、僅か3営業日前の11月23日だ。サンクスギビングが終わって、ブラックフライデーに浮かれて買い物でもしようと思っていたボンド・トレーダーはさぞかし慌てたことだろう。全体の時系列変化も見ておこう。金利水準は再びテーパリングが決定する前の水準にまで押し戻された。

ジェローム・パウウェル議長の再任が決まり、これで利上げが2022年でも前倒しになると景気回復に楽観的なシナリオを描いていた人はさぞ腰を抜かしていると思う。少なくとも欧州であれほどまでに感染者数が増加し、事実オーストラリアが再度ロックダウンとなった以上、常識的に考えてそのまま単純に「ポスト・コロナ」が訪れると考える方が無茶だ。その意味では、南アフリカの「オミクロン」は「デルタ株」より怖いかも知れないが、既に事象としては既存のコロナが拡大しており、「オミクロン」は単に「まだまだだよ」ということを認識させてくれただけかもしれない。

ついでにもうひとつの朗報は原油価格の急落だ。日米中が国家戦略備蓄の原油を放出してまで値下がり安定を企図した原油価格だが、何のことは無い。

これで再度需要が低下すると考えられて価格は週末に急落した。68.15ドルと70ドル割れを見るのは9月初旬以来だ。

早々に景気回復と旧来の日常回帰を想定した投資に舵を切ってしまっていた人には厳しい展開が再び訪れるのかも知れない。だが、少なくとも

加速し始めていたデジタルトランスフォーメーションの流れは再度燃料補給される

ことになるだろう。さすがにこれで「簡単に人類がウイルスに打ち勝てる」という根拠なき自信は打ち砕かれた筈だ。

株価とボラティリティの関係は正しく維持されている

今回の下落を冷静に受け止めることが出来るのは、きちんと

株価とボラティリティの負の相関関係が維持されているから

だ。言い換えると、急落しなければならない状況に接して、市場はきちんと驚き、恐怖を覚え(VIX指数:恐怖指数)、ヘッジにも走っているからだ。

まずは恐怖指数こと米国のVIX指数。ご覧頂ける通り、一気に跳ね上がったVIX指数は見ていて気持ちが良い。まだもう何段階かの下げがあるかも知れないが、ファンダメンタルズ的にはそうならないであろう根拠もある。

続いて日本市場。こちらも綺麗にインプライド・ボラティリティは立ち上がっているが、欲を言えば、もう少し上昇して欲しかった。実感としては「なんで下落しているのか?」を把握出来ていない市場関係者が多かったように思われる。

実は結構な人数から照会があったからだ。「大島さん、なんで今日は下落しているんですか」と。正直、リアルタイムでその「真の理由」が分かる程、私も全能なわけでは無く、聞かれるたびに困惑する。だが、彼ら/彼女らが問い合わせてくるということは、情報不足なのか、意味不明なのだ。従って次のアクションが起こせない。その結果、インプライド・ボラティリティの上昇がもうひとつ弱いという結論になる。

インプライド・ボラティリティはオプション価格からの逆算になるので、実際にヘッジするアクションが市場で起きない限り変わらない。そういう意味だ。

その意味では日経平均もTOPIXもほぼ等しく下落したのでNT倍率も動いていない。単なる全面安だ。だとすれば、この先に状況は変わる可能性が高い。

息を吹き返したパンデミック銘柄

冒頭で記した通り、市場がコロナ感染に関しては過去のものとして安易に次のストーリーを模索していたことが明らかなのは、このところZOOMに象徴されるパンデミック銘柄が弱含んでいたからだ。だが市場全体が大きく下落する中で、これらの銘柄は逆行高を演じた

それには理由がある。ZOOM(ZM)の決算発表のプレゼンテーション、それに続くアナリストとの質疑応答を見ていても確信したのだが、まだ市場は「All or Nothing」でリモート・ワークのことについて考えているようだ。つまり、FRBが利上げを始める頃には皆「Back to office」だということ。何もかもが元に戻って、余計な設備投資や利用料は払わなくなるというものだ。

だが

人間は一度手に入れた利便性を二度と手放したりはしない。

生活拠点を移してしまった人が「オフィスに戻ってきてください」と言われて「はーい」と簡単に戻る程、状況は単純ではないのも事実だ。だからこそ、オフィスに戻ることを大切だとするアルファベットのCEOもハイブリッド型を良しとしている。また、かの投資銀行でさえ、JPモルガンなどはオフィスの床面積を減らしている。それは全員が戻ることを前提としていないということだ。明らかに「コロナ前の古き佳き時代」にそのまま戻るという選択肢は既に無いということだろう。

にも拘らず、市場は一旦は元に戻るかの如くの動きを演じた。そうした関連銘柄を買うよりも、景気回復で恩恵を受けるというシナリオに当て嵌めやすく、金利上昇する局面で買われるという小理屈を付けやすい業種・業態の買いだ。それが今回巻き戻される可能性が示唆された。それがZOOM(ZM)クラウドストライク(CRWD)、或いはドキュサイン(DOCU)と言った銘柄群の戻りだ。これらは注目に値するだろう。

金利上昇は本当にグロース銘柄には不利に働くのか

「金利上昇は株式のリスクプレミアムを減らす方向に働くので、グロース銘柄にとっては不利になる」

という理屈をよく耳にはするが、実はこの尤もらしいご高説を私自身は納得したことが無い。言わんとしていること、その気持ちまでも汲めないわけでは無いが、これをどう論理的に説明することが出来るかと言えば、尤もらしい割にはどこか破綻している理屈になる。

株価を一株当たりの純資産で割り算したのがPERだ。ひとつの計算、一回の計算で答えが出る数値なので

一株利益の○○倍で株は取り引きされている

と理解されるが、私も最もオーソドックスな気に入っているバリュエーション指標ではあるが、腹の底から得心している指標ではない。何故なら、

株価は企業の解散価値が根源的な価値だという前提

に立てば、一株当たりの当期利益は、解散価値を引き上げるための原資にはなるが、それ自体はまだ株主配当や役員賞与などの利益金処分以前なので、解散価値の向上には全額は役に立たないからだ。

ここに一枚のチャートをお見せする。S&P500の1962年からの上昇の軌跡を示した「対数チャート」だ。お伝えしたいことはただひとつ。

1962年から約60年間、米国株式市場はほぼ一貫して上昇しているという事実。

確かにITバブルやリーマン・ショックのところにコブはあるが、ほぼ一貫して上昇している。対数チャートにしているのは変化率を確認するためだ。

次にもう一枚のチャートは同じ期間の米国国債の金利推移で1年物と10年物だ。黒い方が1年国債、赤い方が10年国債の金利推移だが、4%前後のところから始まって、見事に1981年に向かって1年物で17%台、10年物で15%台まで金利スパイクしているのがよく分かる。そしてその後は一貫して40年間、金利は低下し続けている。ならば前半に株価は上昇していないのかと言えば、きちんと上昇している

つまり

金利上昇でグロース株は売られるというのは、一種の常識のように語られている都市伝説

のようなものだとも思っている。

 

右肩上がりのビジネス・トレンド

「OCULUS QUEST 2」を手に入れて使ってみた

前回、「まとめ」の部分において、

「いい加減な情報や誤解が市場を席巻すること。この手の話は過小評価も駄目だし、過大評価も駄目だ。そういう状況を排除するためにはどうすればいいか。最善策は自分で使ってみること。試してみることだ」

とお伝えしたが、無事、真新しい新品の「OCULUSS QUEST2」がamazonからデリバリーされ、早速使ってみた。

その印象をまず最初に一言で言ってしまえば

「これは凄いことになる」

というのがポジティブ・サイドのインプレッション

ならばネガティブ・サイドは何かといえば

「使える人と、使えない人の差がますます拡大していく。デジタル・デバイドは更に進む可能性がある」

ということ。ただ「ゲームに使うもので、自分のアバターがちょこまか走り回るアニメみたいな世界だろう?」という、今までの自分たちの経験や体験の中で類似効果を想像してそこに押し込める想像力の無さでは、決してこれの価値は見出せないだろう。

下記が私が購入したものの本体だ。

これを頭にかぶって、前が見えない「水中メガネ」のようなゴーグルを頭からかぶるところからドラマは始まる。頭のストラップは、上下方向にも、周囲方向にも調節可能で、頭がかなり大きい私でも何の問題もない。

そして下の写真が、コントローラーで、左手用と右手用がある。この辺はゲーム経験がある方が使い易いだろうとは思うが、慣れれば直ぐに誰でも使えるようになるだろう。これを使って、ゴーグル内に展開する世界で物を操作する。

装着してみて私が非常に困ったのがメガネだ。老眼(遠視)、近視、乱視と3色揃えた私は日常生活ではメガネが無いと身動きが出来ない。そのメガネを掛けたままにゴーグルは装着出来るし、ある程度はそのことも考慮されているが、不便でもあり、また私の場合はメガネが曇ってしまって非常に困った。ただ調べてみると、既に数多のアクセサリー類が市販されている。その中で視力補正レンズが販売されていた。私は左目を-2.00、右目を-3.00とコンタクトレンズの近視補正よりも一段弱いものを選んでみたが、乱視や老眼項目は無くても特に問題なく、バッチリと前が見えるようになった。

片目が1,688円で度数は選ぶことが出来る。

ということで、私の装備はあっという間にこんあ感じになった。投下資本は約4万円

メタバースを正当評価することが出来て、投資成果が上がれば、当然のことながらこの程度の金額はあっという間に回収出来る。

そして何より、デジタルデバイドの「使える側」で居ることが出来、最先端技術の面白みを味わうことが出来る。

ゴーグルの中の世界はどんな感じか

少し長いが、実際に体験したことを皆様にお伝えしたい。想像しながら読んで欲しい

まず当然のことながら、ゴーグルを掛けてしまうと下界は全く目に入らない。スイッチを入れた直後の感じは、ちょうどディズニーランドの「スペースマウンテン」に乗ったかのように、暗闇に立体的に存在する宇宙空間に放り出されたような錯覚を覚える。

最初の設定はやや手間取るかも知れない。自宅のWiFiとの接続、或いはスマホとの接続などもあるからだ。また当初は「メガネ+ゴーグル」だったこともあり、非常にやり難かった。最初からこの度付きレンズを入れることをお勧めはする。

さて、諸々の設定が終わると、先ほどまでは「宇宙空間」のような感じだったものが、何やら雪山のロッジの中にいる。右を向いても、左を向いても、振り向いたり、上を見たりしてさえも、あたかも自分がいる場所はその空間であるかのように、360度形式が変わる

画面の中の世界で、宙に浮いた操作パネルに「Netflix」があったので操作してみると、私の居場所は映画館に変わった。そして目の前で、リアルな映画館で言うと前列10列目ぐらいに陣取って映画を観るような感じで楽しむことが出来る。当然、そこでも360度見渡すことも出来る。音はゴーグルから直接発せられるので、臨場感向上には更に一役買っているだろう。

そして本題のひとつは、自分のリアルなパソコンの持ち込みだ。パソコンのモニター画面が目の前に広がり、マルチスクリーンにすれば、空中に2枚のスクリーンが映し出され、片側にExcel、もう一方にエクスプローラーを表示するというようなツインモニターの環境を作り上げることも出来た。当然私のいる場所は、先ほどの雪山のロッジだ。ロッジで寛ぎながらパワポやExcelを操作している。もしこれで何らかのプレゼンを受けることが出来たら、Excelの細かい文字も読むことが出来るので、プレゼンのスタイルも変わるかも知れない。

だが、

まだまだ未成熟な始まったばかりの世界なことは確か

だ。ゴーグルを長時間付けていることは、少なくとも私には出来ない。やはりまだ目が疲れるからだ。だがゴーグルを外して現実世界の景色に戻った時に何やらとても寂しい気持ちがするのも事実だ。そして我が家の家族にも試させてみたが、家内も含めて、皆が「凄いねぇ。面白い」と称賛していた。是非、「メタバース関連銘柄」なる如何わしいセールストークに乗って、よく分からないと感じながら投資を始めるぐらいならば、

この程度の出費を惜しまずにご自身で「メタバースのはじまり」を体感して、その可能性を評価して見て欲しい

と思う。そしてその時の評価を記録しておく。自分自身の先見の明は正しいのか、間違っているのか、きっと将来、恐らくそう遠くない将来にその評価は役に立つだろう。

まとめ

テーパリングは出来ても、利上げまで本当に出来るのか?

<FG Free Report では前略>

日本に居るとメディアの騒ぎ過ぎと実体の乖離に辟易とするが、今のドイツは一時期のインドの様かもしれない。そんな状況を押し切って、米国は利上げ出来るのだろうか?歴史は過去米国が利上げをすると、新興国の何か国かで金融絡みのトラブル、若しくはハッキリ言ってクライシス(危機)が起こることが証明されている。

その事態もある程度は覚悟の上で、米国はする時にはするという国には違いないが、それがそう遠くない時を予見しているかは分からない。寧ろ利上げの可能性は後ろ倒しになった、下手をすれば、テーパリングをも一時中断せざるを得ない状況があるかも知れない。ただ今、それは断定出来ない。ただ明らかなことは、少なくとも先週末頃まで考えられていたストーリーは組み立て直しということだ。

その一方で、技術革新の波は続いている。メタバースについて、実際にFACEBOOKのOcuras2というゴーグルを購入して試しているが、VR/ARの世界だけでも充分な将来性を明らかに感じざるを得ない。確か問題点があるとすれば、きっと生身の人間はどんどん怠惰になっていくだろうということだ。自分自身はソファーの上に居ながら、世界中を旅することが出来、いずれは世界中の友人知人とアバターを使った世界で国境や物理的な距離を超えて、コミュニケーションすることが出来るようになるからだ。会社の同僚や上司や部下とハグしたいとか、特殊なニーズが無い限り、リアルに物理的な距離を詰める必要は無いであろう。バーチャルで構わない筈だ。

こうした状態を作り出すことは、寧ろ今のような状況の方が安定的にニーズがあるだろうと思われる。すなわち、技術開発が後押ししながら、このビジネス・トレンドは右肩上がりに昇っていくだろう。

インターネットの普及が加速し始めた時、それがどうなるかを豊かに想像出来る人が勝ったのと同じだ。

 

———–<以上、抜粋終了>———–

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(編集:Fund Garage編集部)

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