【最終版】国際分散投資シミュレーション 2023年6月末

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ポートフォリオの概況

2023年6月の月間パフォーマンス

「リスク中程度のモデル・ポートフォリオ」の2023年6月末までのパフォーマンスは、ドルベースのポートフォリオで設定来が月末202.03%(設定来年率4.42%複利)2023年年初来のパフォーマンスは絶対値でプラス7.87%、そして2022年年初来のパフォーマンスは絶対値でマイナス9.63%となりました。一方、円換算ベース・ポートフォリオは月末時点で248.15%、2023年年初来のパフォーマンスはプラス17.89%となりました。2022年年初来のパフォーマンスもプラス13.90%でした。

単月のパフォーマンスはドルベースのオリジナル・ポートフォリオがプラス3.02%、円換算ベースのポートフォリオはプラス7.03%となります。ドルベースと円換算ベースのパフォーマンスの違いは為替です。6月月間でも、ドル円は139.45円から144.88円へと5円以上の円が売られたこともあり、その分が円ベースの投資家の評価損益としてはポジティブな要因となっています。

ただ、上掲のチャートでもお分かりの通り、為替差損益の出方はその時々により、また為替は理屈では説明し辛い投機的な動きをすることが多いのが特徴ですから、「為替ヘッジあり」もしくは「為替ヘッジなし」、どちらの商品を選ぶかは投資家の投資スタンスによるというのがFund Garageの基本的な考え方です。

但し、ご参考までに申し上げれば、一般的には為替ヘッジをしないというのが王道かと思います。すなわち、このチャートで言えば、投資対象の値動きはドルベースのチャートが示すものであり、それに投資した投資家は、結局それを円ベースで評価し直した結果が実際にパフォーマンスになるということです。すなわち、このチャートが示しているものは、「為替ヘッジなし」の金融商品でポートフォリオを組成した場合の、日本居住者(円ベースの投資家)の実際のパフォーマンスを示していると言えます。

一旦『国際分散投資のシミュレーション』を終わらせて頂きます

Fund Garageのスタートから続けて参りました『国際分散投資のシミュレーション』に関しましては、その当初の目的は完遂出来たかなということで、2023年6月末の数字で一旦集計打ち切りとさせて頂きます。『シミュレーション』と銘打ってあります通り、スタート当初はすべてが「過去の数値を使ったバックデータ・ベースのものということで「当てにならない」というご指摘も頂戴しましたが、Fund Garageがスタートした2017年以降のデータにつきましては、投資判断をした上での「リアルな結果」です。この間もいろいろなことがありました。

ただ、それでも「国際分散投資」が有効であるということは証明出来たと考えています。TAAを用いない、あくまでもSAAモデルだけの国際分散投資であり、結果的に毎年の見直しの結果、SAAは維持したままで続け来ましたが、安定的にこれだけのパフォーマンスを挙げることが出来ました。ご覧頂ける通り、リーマン・ショックも、コロナのパンデミック・ショックも期中にあります。またロシアのウクライナ侵攻も含まれます。

勿論、これらは「過去の実績」であり、決して「未来を約束するものではない」というのは確かな話です。ただそれでも、最低限「投資家として国際分散投資」として何をすれば良いのかは、その実績を数値で残すことが出来たと思います。

またアセットアロケーションの組み方、恐らくこのアセットクラスの分類と、アロケーションは日本では稀なポートフォリオだと思われます。是非、ご自身のポートフォリオや、ラップ・アカウント、或いはファンドラップなどをご検討の際には参考にされてみてください。変額保険などの特別勘定の運用にも、きっと参考になると思います。

Buy & Hold 戦略で「テンバガー」が誕生しました

Fund Garageでこの「国際分散投資のシミュレーション」をご案内し始めた頃に、同時に個別株投資のアイデアとして「MF10C」(My Favorite 10 Companies:私の好きな10社)というリストをプレミアム・レポートの会員様向けに発表させて頂きました。途中、「MF10C」は銘柄数をもう少々増やし、それらをどうやって見つけるのか、或いは、継続的にどうフォローしているのかなどをレポートの中でご説明してきたりしたのですが、2023年6月に入り、安定的に「テンバガー」の実績を残すようになった銘柄があります。スタートは2019年2月15日ですから、10倍になるまで5年も掛かりませんでした。銘柄はご想像の通り、生成AIの王道・花形銘柄です。

テンバガーとは、英語で書くと「ten-bagger」で、カタカナにするとこうなる、株価が10倍になるほど急上昇した銘柄という意味です。実際の今は「トゥエルブバガー:twelve-bagger」と12倍以上になってしまいました。その他にも「Four-bagger」や「Double-bagger」もあり、それら10銘柄の等金額投資、Buy & Holdのパフォーマンスは2023年7月20日現在、約330%になりました。

「Buy& Hold」で置いておくことに不安を抱かれる方は多いですが、重要なことは「銘柄選び」だと思います。投資対象を入れ替えたいと思うタイミングというのは、いろいろな場面や材料が想定されますが、「自分自身でその銘柄を評価出来る評価軸があること」というのが重要かと思います。別にその分野の専門家である必要は全くありませんが、投資の着眼点と、そこに関わるその銘柄のポイント、そして何より「その通りの状況が続いているのか」を自分自身で掴めるということが重要かと思います。

もしそれが出来れば、仮に万が一市場が総悲観に偏る時でも、安心してHoldして良いかどうかも含めて判断出来ますし、何なら「アウトレットみたいなものだ」とばかり、買い増しをすることも出来ます。それは我慢することでも、「臭い物に蓋をする」かの如く、見ないようにすることとも若干意味合いがことなります。見ることが出来なければ、買い増しをすることは出来ませんから。

Fund Garageでは、決して「テンバガー候補銘柄」というような推奨は致しません。ただ「今時の着眼点」を元ファンドマネージャーとしての視点でお伝えし、どうフォローしているのか、どうそれを評価しているのかを克明に毎週レポートさせて頂き、ご自身での投資に役立つ何かをご提供出来ればと考えて続けております。それらの情報は、毎週のプレミアム・レポートでご提供しております。

「プレミアム・レポート」の過去記事を、編集部で再編集したものも公開しております。半年前のレポートを元にしておりますので、材料は決して「旬」とは言えませんし、当然、見通しが外れていることだってあります。ただ「半年前(若しくは過去)にFund Garageは何をどう考えていたのか」を見て頂くためにもお役に立つのかと思っております。

また新たに立ち上げたFund GarageのYoutubeチャンネルでは「元銀行員Vtuber 勝癸ユウ のチャンネル「勝癸ユウの経済研究室」」と題したシリーズも始めております。こちらは、Youtubeという媒体の特性を生かして、音声と平易な表現(若手スタッフで運営していおります)で動画を作成しているので、プレミアム・レポートの会員の方には、より文章だけではなく理解を深めてもらう為に、また投資経験があまり深くない方でも分かり易いように、毎週水曜日の朝7時に新しいものをアップさせて頂いております。そしてもうひとつ、大きな特徴と言えるのは、アカデミックな裏付けがあるコンテンツ、ということです。経済学の専門家が監修しておりますので、実は漫画のようですが、内容はしっかりした仕上がりになっています。是非、こちらもご参考にして頂けたらと思います。

 

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ファンドガレージ 大島和隆

Fund Garageへようこそ。主宰の大島和隆です。投資で納得がいく成果を得る最良の方法は、自分自身である程度「中身の評価」や「モノの良し悪し」を判断が出来るところから始めることです。その為にも、まず身近なところから始めましょう。投資で勝つには「急がば回れ」です。Fund Garageはその為に、私の経験に基づいて、ご自身の知見の活かし方などもお伝えしていきます。