国際分散投資シミュレーション 2022年10月末

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ポートフォリオの概況

2022年10月の月間パフォーマンス

「リスク中程度のモデル・ポートフォリオ」の2022年10月末までのパフォーマンスは、ドルベースのポートフォリオで設定来が月末181.13%(設定来年率3.88%複利)と9月末から年率利回り共に改善しました。2022年年初来のパフォーマンスは絶対値でマイナス18.98%、そして2021年年初来のパフォーマンスも絶対値でマイナス9.68%です。一方、円換算ベース・ポートフォリオは10月末時点で227.65%、2022年年初来のパフォーマンスは絶対値でプラス4.49%とポジティブ・リターンとなりました。2021年年初来のパフォーマンスはプラス29.41%と引き続き好調です。

前述通り、オリジナルのドル・ベースのポートフォリオと、円換算したポートフォリオのパフォーマンス差は当然為替差損益が要因。10月末時点のドル円は148円24銭と9月末時点の144円74銭より2.42%の円安となりました。

単月のパフォーマンスはドルベースのオリジナル・ポートフォリオがプラス3.61%、円換算ベースのポートフォリオは円安が寄与しプラス6.11%となります

10月は先進国株式のポジティブなパフォーマンスが全体を引っ張りました。月間の騰落率は+6.72%です。次いで、コモディティが+6.62%、不動産が+3.32%、そしてハイイールド・新興国債券がプラス2.32%と続きます。一方で、新興国株式がマイナスとなり△3.40%とネガティブ・リターンとなっています。先進国国債と投資適格債はほぼ同じようなパフォーマンスで順にマイナス△0.64%、△0.62%となっています。

外貨建てと円建て、どちらが良いか?

毎月同じことを申し上げますが、外貨建ての投資商品と為替ヘッジ付きの投資商品、そのどちらを選ぶべきかと悩まれる人は多いです。ただ為替の決定要因、つまり為替の変動要因は常にプレミアム・レポートなどでお伝えしている通り、決して一般に思われている程「ロジカル(論理的)」なものではありません。

為替の変動要因とは、基本的には通貨交換のための需給要因、そして足元ではやはり投機的な理由によるものが強いです。購買力平価や金利差で説明が多く試みられ、更にはテクニカル要因が重視されているかに思われがちですが、実際の動きを振り返ると需給要因で動いていると言っても過言では無いです。一方で国際分散投資が目指す「地球規模の経済成長を享受する」という考え方は理に適っており、為替ヘッジのありなしの選択は投資家の投資ポリシーに依存すると思われます。

長く続けてこそ、国際分散投資の良さが出る

投資を止めようかと思われる方、或いは実際に止められた方、どちらもいらっしゃると思います。何となく続けられた方も含めて、今はどうお考えでしょうか。実は正解は無いと思っています。投資に対する考え方、投資特性などは人それぞれ違うからです。ただ市場のことが気になって気になって仕方がないとうような状況は、本来投資そのものを避けた方が良いのかも知れません。

常に冷静な判断が出来る状態、ストレスの源にはならない程度のリスクの取り方、それが一番大切です。きっと結果的に「良い投資」が出来る筈ですから。

国際分散投資が目指しているものを思い出す

一方で国際分散投資とは前述の通り「世界経済の地球規模での拡大」を享受することを企図して設計されたポートフォリオです。このポートフォリオは「リスク中程度」に設定され、ボラティリティもマイルドにしてあります。つまり、投資家が考えるべきは「世界経済の地球規模での拡大」がこの先どうなると考えるかです。そして足元ではどうなっているかです。ただ一つ確実に言えることは、数多の世界経済の危機の歴史を乗り越えながらも「国際分散投資」は果実を納めてきたということです。時として1年以上の長きに亘って「辛抱」の時もありますが、最終的にはそれらをすべて克服してきています。

プレミアム・レポートでは予てから国際分散投資に限らず、米国で40年に亘って続いてきた金利低下の歴史が塗り替わる中で、多くのことが「転換点」を迎えているとお伝えしています。例えば、これからも今まで通り「債券」は「安定」とか、「安全」という表現が可能なのかという問い掛けです。毎週、イールドカーブの形状変化をみながら、利上げの影響を米国債券市場では実際にどのように考えているのかなどをこのところは重点的に注目しています。

そしてもうひとつは、やはり「新型コロナのパンデミック」は世界的に人間の生活慣習を根本から大きく変えたのだろうという視点です。だからこそ、多くの従来型経済予測モデルが先々を正確に予想出来ずにいるということです。同じようなことが2000年のITバブルの前後にありました。その背景にあったものこそが「右肩上がりのビジネス・トレンド」です。さて、それが現在ではどんなものでしょうか?

Fund GarageのモデルポートフォリオはSAA型(戦略的アセットアロケーション)ですので年に一度はアセットアロケーションの見直しを行います。

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ファンドガレージ 大島和隆

Fund Garageへようこそ。主宰の大島和隆です。投資で納得がいく成果を得る最良の方法は、自分自身である程度「中身の評価」や「モノの良し悪し」を判断が出来るところから始めることです。その為にも、まず身近なところから始めましょう。投資で勝つには「急がば回れ」です。Fund Garageはその為に、私の経験に基づいて、ご自身の知見の活かし方などもお伝えしていきます。