【無料記事】FG Free Report 注目のFOMC、結果は如何に(2022年9月19日号抜粋)

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無料版の始めに

こちらは、Fund Garageプレミアム会員専用の「プレミアム・レポート」の再編集版記事です。

公開から半年以上経った記事になりますので、現在の情勢とは異なる部分がございます当時の市場の空気と、普遍的な知見を皆様にお届けできれば幸いです。

最新の情報個別企業の解説、<FG Free Report では割愛>となっている箇所に関心をお持ちになられた方は、是非プレミアム会員にお申し込みください。
前置きが長くなってしまいました。では「プレミアム・レポート 2022年9月19日号」の一部を無料抜粋という形でご覧頂きましょう。

記事のポイント

  • 米国市場はCPIが市場コンセンサスを上回ったことで、利上げ警戒が高まり、大きく下落した。
  • だが正直、このCPIをはじめ、数字当てゲームには意味はない
  • 冷静に客観情勢を数値で見極めて、大きな長いトレンドの中で短期的な市場の水準がどこにあるのかを見極めていくことが重要だ。
  • 「CAPM」の式はコンセプトモデルとして覚えておいた方がよいだろう。
  • 株価の変動を見る時は、個別企業の影響なのか、市場全体の影響によるものなのかを分けて考えよう

———–<以下、プレミアム・レポートより抜粋>———–

0.75%の利上げは織込み済み?

1.00%の利上げに怯える米国市場

ちょうど3年前の2019年9月17日、WSJ誌のタイトルは「FRB、利下げスパイラルのリスク 遠いテールリスクに備え、どこまで利下げをすればいいのか」というものだった。3年間という時が経つ速さを感じつつ、今年は全く正反対の「利上げ」に怯えて「総悲観」であることが、寧ろ滑稽にさえ感じるのは私だけだろうか。だが確かに下の表に示す通り、米国市場はかなり厳しい株価下落に見舞われた

そのきっかけとなったのは、13日に発表されたCPI(Consumer Price Index)である。市場予想のコンセンサスが対前年比+8.1%だったところ、実際には+8.3%と0.2%上振れしたことが下落のきっかけだ。これを受けて、市場は今週開催されるFOMCでの利上げ幅が0.75%は確実で、中にはノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルのように1.00%の利上げ幅を予想するところも出てきている。

正直、そこまでFOMCメンバーがこれを問題視するかは私には分からない。ただ市場はまるでオッズを見ながら馬券を買っているかのようだ

念のため、発表された詳細なデータを下記にお示しする。最右側の列は対前年比、それ以外は対前月比だ。

ご覧頂ける通り、8月の欄を見ると、FoodもEnergyも、前月よりも更に伸び率は鈍化している。Foodは+1.1%が+0.8%へ、Energyは△4.6%から△5.0%といった具合だ。もちろん個別には濃淡があるが、問題はこれが前述したように「最低でも0.75%の利上げは確実となり、+1.00%もあり得る」などとヒステリックになる必要性があるのかどうかということだ。

前掲したWSJ誌の記事には「1オンスの予防薬は1ポンドの治療薬に値する」などというWSJ誌の主観が書いてあり、実際のところそんなものだと思う。だからこそ、「数値当てゲーム」なんかで一喜一憂するよりも、冷静に客観情勢を数値で見極めて、大きな長いトレンドの中で短期的な市場の水準がどこにあるのかを見極めていく方が重要だ。間違いなく、株価が下落しているあいだは、特に株式投資をしている人は胃が痛い。

だが基本的にはこの「総悲観ムード」は行き過ぎていると思っており、今は嵐が過ぎゆくのを待っているところだ。

総悲観ムードに引き摺らるベータリスク

株価の変動要因を説明する数式として有名なものが下記に示した所謂「CAPM」の代表的な式。私の20~30代の研究内容でもある。

このRmで表されている部分は、株式市場のことでR(リターン)とm(マーケット)であらわす。ここからの発展形として、これに金利関係であったり、為替市場関係であったり、いろんなパラメータを設定して重回帰分析を行うと、当初のシングル・ファクター・モデルがマルチ・ファクター・モデルと呼ばれるものになり、やり方によっては色々な予測モデル使えたりする。

今回はここで何が言いたいかというと、Rmがマイナスに動く限り、すなわち市場が総悲観ムードで、何を聞いてもネガティブリアクションで下落するしかないのであれば、基本的にはαiの部分よりもβiRmの方が一般的には大きい(αi<βiRm)ので、個別の良い銘柄の株価も、味噌も粕も一緒くたに一旦は下落するということ。ただαiが大きければ、その分比例してβRmの部分は小さくなるので、下落率も小さく、リバウンドも早いということになる。

ただあくまでもこれは「コンセプト・モデル」なので頭の中のイメージとして掴んでおいて欲しい。また株価の短期的な決定要因で最大なのはやはり需給だ。買いたいと思う人が多ければ値上がりするし、売りたいと思う人が多ければ値下がりする。ただ個別銘柄を保有している場合は、この式に当て嵌めて「どっちの理由だろう」と考える癖をつけることをお勧めする。決算発表で買ったり売られたりするのは、当然αiの多寡を市場が判定した結果だ。

ということで、結論はファンダメンタルズの確りした銘柄を探し、βRmに引き摺られているような時に仕込みましょうという、いつもの原点に帰るだけなのだが…。

債券市場はある程度「強硬な利上げ幅」を織込みに行った

<FG Free Report では割愛>

日本株市場は調整が進んだ

<FG Free Report では割愛>

為替の水準、ワイドショー的に騒ぎすぎ

米国で話題のインフレの話を誇張して伝える為か、海外旅行のコストが上昇していると伝える番組が多い。だが1ドル=100円程度の頃の感覚で円換算すれば、単に円安の分だけ値段が高く感じられるのは当たり前の話だ。そして逆を言えば、従来ドル建て1万ドルで輸出していたものがあれば、それは何の努力も必要とせずに円換算100万円から140万円に約4割も上昇することになる。ぼろ儲けだ。

だが昔から言われている通り、企業は当然為替ヘッジや先物予約なども財務テクノロジーも駆使するし、「円建て」取引や、輸出入を均衡させる方法など、数多の手法を取り入れて為替変動要因に対して経営防衛を行っている。もしこの円安が丸々影響するならば、トヨタ自動車の株価はぶっ飛ぶ筈だ。

それはさて置き、先週末のドル円相場は142.92円とだいぶ押し戻して終了している。ユーロ/ドルもほぼほぼ等価の1.0021だ。ただ今週のFOMCの利上げ幅をどこまで織り込んでいるのかは定かではない。また0.75%の利上げが確定した段階で材料出尽くし、先々の利下げ期待でドル安に動く可能性も否定しないわけではない。ただ通常は最低限の想定は織り込み済みと考える。

 

右肩上がりのビジネス・トレンド

DENSO(6902)が開発した新しい半導体IP

遂にデンソーが堂々と自社Webページに新しい半導体を宣伝しだした。それが下の写真に映っているもの。サブストレートの上にベアチップ実装してある真ん中の銀色の板ようなものこそが、正にシリコンウエハーから切り出された半導体チップだ。その周りのゴマ粒のようなものがMLCC(積層セラミックコンデンサ)だ。これはDFP(データフロープロセッサ)と呼び、自動運転技術に求められる複雑な計算処理に最適なCPUとGPUの中間のような性格をもつと謳っている。

<FG Free Report では後略>

「DFP」とは何か?

これからのスマートモビリティやロボットが複雑な社会のなかで機能するには、膨大な情報を処理し、“即断即決”できる賢さが必要になる。デンソーはそうした未来を見据えてCPU、GPUに次ぐ新しい半導体として「DFP」を開発した。

<FG Free Report では後略>

ここでもARMが使われている

<FG Free Report では割愛>

まとめ

21日のFOMCの結果は予断なく臨むしかない

日本の3連休明けにあたる20日から二日間の日程で注目のFOMCが行われる。0.75%の利上げなのか、はたまた1.00%の利上げが行われるのか、正直予断は許さない。またその数値を「ズバリ当てる」ことに今の段階でそれほど意味があるとは思えない。所詮、FOMCメンバーが密室で決めることだからだ。どう足掻いても、能書き並べても、この段階まで来てしまえばダーツを投げる程度の意味しかない。

その真意は、もしファンドマネージャーでポジションを常に抱えて投資判断を継続しているとすれば、今この段階まで来て、ポジションをどちらかに傾けることは、それこそが大きなリスクだからだ。もしどうしても当日の急落が怖いと思うのならば、プットオプションをひとまず買う程度しかするべきではない。そして結果が出たら早々に勝とうが負けようが手仕舞いすることだ。要するに「保険」。だが恐らく、私が今現役でポジションを抱えていたとしたら、もう何もしない。

その最大の理由は、既に相当悲観バイアスに市場は流され、相当なレベルでそれを織込んでいると思っているからだ。つまり好ましくない方向に動いたとしても、あまり深押しはしないと思っている。

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———–<以上、抜粋終了>———–

(編集:Fund Garage編集部)

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