先日、戸隠神社にお詣りした時のことです
気分転換をしたくて、戸隠神社の5社詣を楽しんだあとのことです。帰り道に立ち寄り温泉で汗を流すことにしました。ひなびた感じの公衆温泉でしたが、登山スタイルのお年寄りが皆さん元気に歓談しながら入浴されていました。
「最近のお年寄りは元気で良いな」と思っていた矢先、その方たちが湯上りに着替えをしている姿を見て驚きました。
なんと半数以上の方が「紙おむつ」を履かれていたからです。脱衣所で賑やかに談笑しながら皆さんが「紙おむつ」を履いていくシーンに、正直びっくりしました。
山をハイキングするほどにお元気なのに、ご年齢からか普通の下着ではなく、今流行りの「紙おむつ」を颯爽と履いていたのです。
実は私も「紙おむつ」を履いてみたことがあります
私はふと以前、女性用生理用品の会社の成長力に目をつけて投資をした時のことを思い出しました。
驚かないで欲しいのですが、今から10数年以上も前のこと、実は私も「紙おむつ」を試着したことがあります。小さい方ですが履いたまま用もたしてみました。30代で元気溌剌の現役ファンドマネージャーが、どうして「紙おむつ」を履いたのでしょう?
それは自分自身でユニ・チャームの主力商品の機能性を確かめてみたいと、純粋に職業柄から考えたからです?
履き心地やその上から洋服を着た時の違和感、そして用を足した後の感じです。実話です。
時代は高齢化の流れの中ですから、もし快適で違和感の少ないものならば、きっと大きな市場になるだろうと考えて試してみたのです。
答えは今の市場動向、正にこの戸隠神社の帰りに見たシーンを予見させるものでした。
子供たちには申し訳なかったのですが・・・・
その同じ頃、赤ちゃん用のおむつのモニターもしていました。メーカーから実験用のいろんなタイプの試作品が供給されて、そのアンケートに答えるのです。
子供に履かせた場合の履かせ具合や、おむつを止めるテープの具合、いろいろな高分子吸収体が使われていて、股がかぶれてしまうものや、横漏れしてしまうものなど色々でした。おむつかぶれで真っ赤になって痒そうな時は申し訳ないと思いましたが・・・・。
そんな経験が、自分でも大人用の「紙おむつ」を履いてみようという気持ちにさせたのでした。IR部にお願いして、「これを試してみろ」と思う製品をテストさせて貰いました。
男性の自分には、女性用生理用品の機能を確認してみるすべはありません。でもそこから派生しているものならば、それら企業の様々な面が見えたり、市場のポテンシャルを感じたりすることが出来ます。
販売現場の状況調査は足で稼ぐ
家内からも色々と情報収集をし、近所のスーパーやドラッグストアでの棚割り状況や売れ行き、価格などを実地で確認しました。
それらの結果を踏まえて、私はファンドマネージャーとして当時ユニ・チャームへの投資を決断しました。抜群の投資成果を得ることが出来たことは勿論、時々四半期決算発表の時に聞こえてくるノイズのようなアナリストコメントも、殆ど気にする必要がありません。
何故なら、自分自身で調べて、その商品に自信が持てていたからです。「疑うなら自分で履いてみろ」と思ってました。
私はハイテク株やテクノロジーに関わる株式が得意なファンドマネージャーのように思われがちなのですが、実は発想の原点は同じです。
身近なところに投資のチャンスはあるし、専門のファンドマネージャーでなくても、良いものを探すことはいくらでも出来ます。
ただ、くれぐれも、私が紙おむつを履いた姿を想像するのはご遠慮下さいね。