この記事は『「SEMICON Japan2018」に投資のネタを探しに行こう!』からの続きになります。
「SEMICON Japan 2018」初日に行ってきました
「SEMICON Japanに投資のネタを探しに行こう!」にも期待を書きましたが、半日グルグル会場を回って、やはり多くの収穫がありました。
ただ残念なことに、日本国内での半導体産業自体が衰退していることもあり、若干イベント自体の規模が寂しくなったなという印象は否めませんでした。その一番が、かつて日本での半導体製造や液晶パネル製造が華やかだったころは、欧米の半導体製造装置メーカーもこぞって参加し、本物の機器を持ち込んだりして展示していましたが、今回はApplied Materials社も来ていなければ、ASMLも来ていませんでした。残念です。
東京エレクトロン、ニコン、アドバンテストなどと言ったメーカーも、パネルや映像を展示しているだけで、実物は無しなんです。恐らく、日本国内で大型の実機を展示しても、費用対効果が見合わないと思ったのでしょう。時代は変わったものです。物語はソリューションの段階へ進化していました。
実物展示だけがイベントではない。セミナーも無料で聴くことが出来る
SEMICON Japanの面白いところは、展示会場のブースからだけでは得られない、出展者の製品や技術の情報を聞ける出展者セミナーにあります。セミナールームの他に、展示会場内に設置する2つのステージですべて無料で聞くことが出来ます。これらが面白く参考になりました。私も今日だけで10件以上、聞いて来ました。
現地で直接見ることのメリットのもうひとつは「この会社、こんなこともやってんだ」という気付きを貰えるということです。既に関連株を持っている方ならば、自分が所有している企業の製品や技術を知ることが出来ます。
例えば東レ。別にトイレのウォシュレットを展示していたり、浄水器を見せていたりするわけではありません。同社のエレクトロニクス事業である半導体、液晶関連製造装置分野の製品を実機で展示して説明していました。私も初めて意識したかもしれません。
新鮮だったキーワード、それは「エッジ コンピューティング」
さて、今回私が面白いなぁと思ったのは、既にクラウド・コンピューティングの次の時代が始まっていると思えたという事です。IoTが一段と普及して行く前に、何でもかんでもクラウドに飛ばして、ビッグデータの解析などをさせて、そのアウトプットを使うという段階から、「エッジ・コンピューティング」という発想で、クラウドに飛ばす前に、出来ることは現場(エッジ)で処理してしまおうという流れが始まっているということです。これはすなわちネットワークが既にボトルネックになりつつあるということかも知れませんし、データセンターやそのサーバーが大きく不足しているということかも知れません。
マイクロソフト
マイクロソフトなどは既にIoT(Internet on Things)の加速化の中で、「インテリジェントクラウド」と「インテリジェント エッジ」という明確な考え方をMicrosoft Azureで具現化させていることをアピールしていました。
ソニー
SONYはプロトタイプの段階でしたが、お得意の画像処理解析をかなりな段階まで出来るようにデジカメにCPUを搭載してエッジ処理とし、クラウドの負担を減らすといったデモンストレーションを行っていました。
ブロードバンド前夜よりも進んでいるかも
5Gが始まろうとしている現段階は、既に「キラーコンテンツは何だろう?」などと悠長なことを言っていた「ブロードバンド前夜」とはかなり状況が異なると感じました。
IoTやAIが普及するにつれ、5Gの次のレベルが求められる時代は案外直ぐにくるのかも知れません。やはり人間の欲望は止めどなく、そして技術革新は足踏みして止まることは無いんだということをまざまざと見た感じです。
あれもこれもお知らせしたいのですが、是非、ご自身で現地へ足を運ばれてご覧になることをお薦めします。モビルスーツのような、人が運転するロボットも会場内に居ますから(笑)。
たぶん、私はもう一度頭を整理してから、明日も行ってみようと思っています。