ザイリンクスの決算で分かる「5Gはまだまだ始まったばかり」

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2020年1月28日5:00PM ET、ザイリンクス(Xilinx, Inc. :XLNX) の2020年度第3四半期決算発表のカンファレンス・コールが行われた。

会社側からの出席者は下記の2人

  1. Victor Peng – Chief Executive Officer
  2. Matt Poirier – SVP-Corporate Development and Investor Relations, and Treasurer

そして電話を通じて質問をしたウォール街のアナリストは、以下の投資銀行等の人達だ。社名だけを列記してみる。

  • Morgan Stanley / Goldman Sachs / Susquehanna / Evercore / Baird / Cowen / BMO / Deutsche Bank / Bank of America

米国株投資に馴染みが薄ければ知らない社名もあるかと思うが、皆一流のプレイヤーだ。

なぜこのコラムを書こうと思ったか?

今回このコラムを書こうと思ったのは、2020年1月28日のNY市場引け後に発表された同社の決算発表を受けて、同社株自体が本市場引け後の時間外取引で約10%の急落を演じ、その影響を受けて日本市場でも5G関連銘柄と呼ばれるアンリツ(6754)などが大きく売られたという事実を踏まえ、もう一度ザイリンクスの決算発表内容と、その後のアナリスト達のやり取りを精査してみて、思うところがあったからだ。

今晩のNY時間でザイリンクスの株価が時間外取引同様に売り込まれるのか、或いは、その後のアナリスト達とのカンファレンス・コールを受けて大した騒ぎにならないのかは、今この原稿を書いている時点では当然分からない。

ただひとつ言えることは、ニューヨークのアナリストのような人達でさえ、5Gに対する現状認識というか知識レベルは、5G自体の普及状況と同じぐらい、まだまだ高まり切ってはいないのだなということ。これはインターネットが普及し、ブロードバンド化が進んだ最初の数年間と同じ状況だと感じた。

決算内容についてはどうだったか?

確かにザイリンクスの決算はWWG(Wired and Wireless business Group)の弱さが足を引っ張った。つまり5G関係のセグメントだ。

ザイリンクスが米中貿易摩擦の関係で昨年5月からファーウェイとの取引が出来なくなって苦境に立たされたことは周知の事実。事実、10-12月期の第3四半期にはファーウェイ向けの売上げは立っていない。ただ同社は米国企業のみならずグローバルに、幅広く5G向けの関連企業と取引があることで、その穴を埋めるべく最善を尽くしてかなりな部分をカバーした。ただ決算発表のCEOのコメントによれば、5G向けのインフラ投資が一時的にストップしたことで、足許の四半期がWWGの収益の最悪期になるだろうとコメントしている。

ポイントは、この5G向けのインフラ投資が一時的にストップしたことなどに対するアナリスト達の質問が、かなり専門的なところまで掘り下げて聞き出さないと分かり難いということだ。

逆に言えば、そこまで知っていないと、単に狼狽して投資チャンスを見逃しかねないとも言える。中には当然、頓珍漢な質問をぶつけている人も居たが、CEOが丁寧にそれに応じていた。

ザイリンクス(XLNX)って何の会社?

そもそも、ザイリンクスという会社が何を作っているかと言えば、半導体の中でもFPGA(Field-Programmable Gate Array)という、CPUでもGPUでも、或いはメモリー関係でもない特殊な存在のものだ。ASIC(Application Specific Integrated Circuit)という半導体の種類の違いなどが頭に入っていないと、そもそもCEOの説明自体を理解出来ないかも知れない。

5Gはどうなったの?

今回のインフラ投資の一時的なストップについてに理解するには、今現在一部の国々でサービスが始まっていると言われている5Gが、どんなものなのかを理解していないと話がややこしくなるだろう。そう、それは使っている電波の周波数帯の問題だ。

5Gのメリットは色々と喧伝されている。超高速、超低遅延、超多接続で自動運転やIoTの鍵を握っているというような話だが、残念ながらミリ波と呼ばれる周波数帯を使わないと、そのフルスペックは使えない。だが、その為には基地局の更新が必要だ。

昔見た市場の景色とある意味同じ

携帯電話が登場した当初、多くの人が「公衆電話があれば充分だし、どこに行っても電話が掛かってきたら煩わしい」などと言っていた。インターネットが普及し、ブロードバンド化するために光ファイバー網が張り巡らされたが、問題になったのは「ラスト・ワンマイル」と呼ばれる家庭などへのケーブルの引き込みだ。

ある意味、5Gに関してもそれと同じことが今起こっている。つまり、5G化するために掛かる莫大なインフラ投資費用を回収出来るかどうかを、キャリア側もちょっと様子を見ているといった感じだ。既存の3Gや4G-LTEの基地局のマイナーチェンジで対応出来るレベルで「お試し5G」を提供して、一旦様子を見ているというところかも知れない。

カンファレンス・コールのやり取りを要約するとこんな内容のことを、ああでもない、こうでもない、それでいつから設備投資は再開されるのかとか、技術的にFPGAとASICはどっちが優位なのかといったような話が繰り広げられた。

ならばどうしたら良いのだろう?

さて、こうした時、一般の個人投資家はどうしたら良いのだろうか?米国株の決算発表で右往左往した日本の5G関連株と言われる銘柄も多い。買いなのか、売りなのか。

その答えはきっとザイリンクスのCEOであるVictor Peng氏の下記のコメントが一番の道標になると思う。目先の市場の狂乱よりも、やはり企業経営者の見る目を私はいつも信じている。

“We continue to see a great long-term opportunity in the second secular growth trends in data center, 5G infrastructure and automotive markets.”
By Victor Peng – Chief Executive Officer

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ファンドガレージ 大島和隆

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