株式投資で銘柄選び以上に大切なことは?

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株式投資で悔しい思いをしないために

株式投資でこんな悔しい思いをしたことはありませんか?

  • 利食いのタイミングを逸したてそのあと大きく値下がりしてしまった
  • 損切りが出来ずに塩漬けになってしまった
  • 利食いをした直後から大幅な値上がりをした

 

株を買ったことがある人なら一度はこんな思いをしたことがあると思います。100%とはいかないまでも、出来るだけこのような後悔はしたくはないですよね。

ここでは、その原因と対処法について整理します。

私もこの方法を現役ファンドマネージャー時代に使い、日経平均の2倍以上のパフォーマンスを上げることができましたし、危うく難を逃れたことが何度となくありました。

とてもシンプルな方法なので是非試してみてはいかがでしょうか?

塩漬け株ができてしまう心理状態を理解する

株式投資において、100%正しい投資判断をすることができないのであれば、投資判断を誤った時に冷静に対処することが必要です。

ところが多くの人は頭では「失敗したな」「これは回復しないな」と感じていても、なかなか適切なアクションを取れないケースも多いのではないでしょうか。

人はそう簡単に過去に下した自分の判断や決断を間違っていたなどと否定することは出来ないものなのです。時には投資判断のやり方の全てを否定しなければなりません。

それよりも自分の判断を正当化し、

  • 「これは何か市場が勘違いしているんだ」
  • 「しばらくすれば戻るだろう」

などと思いたくなるのは無理もない話です。

当初「この銘柄を買ってみよう!」と決断した時の考え、アイデア、或いは狙いが、時間が経つにつれ、その後に見聞したことなどにより、無意識のうちに変化してしまい、その時の自分の感情に都合の良いように、或いは気持ちに優しいストーリーに変化してしまう事があります。

これを「当初投資ポリシーの無意識のドリフト(横滑り)」と言います。

このドリフトが故に「こんな筈じゃない」と自己肯定的なストーリーに作り変えてしまうからだと行動経済学も教えてくれています。

投資判断を誤ることは誰にでも(勿論私のようなファンドマネージャーであっても)あります。投資の判断ミスを早くリカバリーするためには、まずはこのような心理状態になる、つまり「当初投資ポリシーの無意識ドリフト」の存在を知るという事が大切です。

投資ポリシーの無意識ドリフトに陥らないためには?

塩漬け株を作らないと同じく、大きな値上がりを得るためにも「投資ポリシーの無意識ドリフト」に打ち勝つことが大切です。大きな値上がりを得るためには大小の価格変動を乗り越えていく必要があるからです。

お勧めの方法は、投資にエントリーするとき、つまり株を買うときに、その理由をノートに書き留める、ことです。

恐らく、その理由を箇条書きで書き出してみようとすると、まず簡単には書き出せない(内容が希薄という意味)場合の方が多いと思います。

例えば

  1. ○○さんから、面白いと聞いたから
  2. 儲かるIPOだと聞いたから
  3. このところ随分と値下がりしたから

などがその典型例でしょう。

そもそも何で買おうと思っているのか、わからない場合さえあるかもしれません。

例えば、以前本当にあった話ですが、ご高齢のご婦人から講演会の質問時間に

「ミクシーの株はこの先どうですか?」

と聞かれたことがありました。正直SNSの日本での走りの時代、どうしてもこの方とミクシーが繋がりません。

「大変失礼ですが、ミクシーのサービスをご利用ですか?」

と逆に問い直すと、答えは案の定

「いいえ、営業の方に奨められただけで、何をしている会社かは知りません」

とのことでした。こうして読むと笑い話のような話ですが、実際には多いのではないですか?

また、最近の「投資ポリシーの無意識ドリフト」では、通信会社の新規上場の例があります。

新規公開株を買っておけば、上場時に1割ぐらいは儲かるだろう、と考えて購入したものの初値は公募価格割れ。すると投資目的が長期の配当狙い、に変わってしまうようなケースです。

株式のエントリーノートをつけるメリットは

ノートに買う理由を書くことは以下のメリットがあります。

  • 買う理由が明確になる
  • 買う理由を調べる必要がある
  • 買った時の理由と状況が変わってしまった時には売却を検討することができる
  • 買った時の理由と状況が変わっていなければ値動きに耐えることができる

さらに買う時だけでなく、購入した後も、買うことを検討している銘柄について継続して記録することで各段に判断ミスが少なくなってくるはずです。

これは、私が現役のファンドマネージャーだった時から現在も続けている方法で、あたかも自分が持っている銘柄、気になる銘柄についての自分オリジナルの四季報ができてくることから「大島式 My 四季報」と呼んでいます。

「大島式 My四季報」がうまく機能すれば、投資家が陥り易い罠に引っ掛かるのを防いで、

  • IPOの段階から見ると現在約1,000倍になったアマゾンドットコムの株を、一度買ったら手放さずに持ち続けることができたり
  • iPhone登場から僅か10年で10倍になったアップルの株を途中で慌てて利食わずに済んだり

出来る可能性も高くなります。

まとめ

銘柄選択が大切なのは間違いありません。ただし、上がっていく中でも途中振り落としにあったり、売ったら底値だったり、と株式投資では値動きへ向き合い方が成否を分けます。

そのためには、「投資ポートフォリオの無意識ドリフト」の存在を理解し、適切に対処するようにしましょう。適切に対処するためには、頭で考えるだけでなく、エントリーノートに記入し、常にチェックしておきましょう。

今まで記録をしていなかった人は、まずは「買った理由を簡単にノートにつけて記録しておく」というところから始めてみてください。

きっと間違いなく、今までより投資収益が上がり、変に途中でドキドキ、ソワソワしなくなる、と思います。

たったこれだけのことですが、やってみると案外最初は難しいかも知れません。
でも、その価値はきっとある筈です。是非試してみてはいかががでしょうか?

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