私はかなりなオタクです
予め皆様に告白しておかないとならないことがあります。
それは私自身がファンドマネージャーである前に、元々相当な自動車マニアで、テクノロジー『オタク』だということです。なので、私には普通の知識と思えてしまっているところが、普通のファンドマネージャーや個人投資家の皆様とはちょっと違うかも知れないということです。
どのくらいのレベルかというと・・・・
自動車マニアについて
決してマニアと言っても、フェラーリやランボルギーニが好きだというスーパーカーマニアということではなく、子供の頃からメカとして、或る意味では実物大のプラモデルのような感覚で自動車マニアだということです。
そういう素地があるので、実は最近のクルマは面白くないと思うこと多々ありです。その最たるものが、エンジンフードを開けても、最近のクルマはエンジンが見えるものが少なくなったということです。昔はエンジンフードを開ければ、エンジンが丸出しでしたから。
学生時代、通信教育で整備士の講習を受けたこともあります。卒業は出来ませんでしたが、実家のクルマは弄りたおし、エンジンのシリンダーヘッドを外したり、プラグ交換やオイル交換をしたり、車内のダッシュボードを丸ごと外して新しいカーステレオを純正品のようにきれいに埋め込んだりもしていました。
ブレーキをバラして点検しようとした時は、流石に母親に「外から点検するだけにして」と注意され、ある時はラジエター・クーラントを交換しようとして、エンジンが温まったままの状態で気圧を下げずにキャップを開けたので、沸騰したラジエター水で火傷するなど、失敗経験も数多あります。
だからいずれはクラシックカーのレストア作業を自分でしてみたいというのが夢ですし、銀行に入った頃は、パリダカール・ラリーにカミヨン・クラスと呼ばれるトラックの部で真剣にエントリーすることを考えていたりしました。そんな自動車マニアです。
ハイテク『オタク』について
97年頃からこのかた、パソコンは常に自作です。家族の分は勿論のこと、以前は会社の部下の分まで作ってあげていました。作ることが好きなんです。たぶん、今までに自作した台数は10台や20台では無い筈です。
パソコンに使われているCPUやマザーボードと呼ばれる主要部品は定期的にモデルチェンジしています。それは機能が向上するからなのですが、それを自分で確認するのが好きだからです。
例えばインテルのCPUのチップ・パッケージ・デザイン(化粧箱のことではありません)は、BGA、LGA、PGAなどというように変化して来ました。これに併せて日本の電子部品メーカーが必死でインテルの認定を得ようと切磋琢磨してきたのですが、この意味って何%の市場関係者が分かっていたのかなと思います。
BはBall、LはLand、PはPinを表しているのですが、これは接点の形状のことです。マザーボードにCPUの脱着をする機会がないと、ほぼ実物を見る機会はないでしょうし、見たからと言って「だから何?」と思われるのが普通です。でも私は新しいそれらやマザーボードを見ると「萌える」のです。
電気製品が壊れると、まずは自分で何とか直そうと試みます。我が家のPlayStationは歴代、私がHDDを取り換え、DVDドライブも取り換え、ネットで基盤を購入して取り換えたのもあります。まだ新しいPS4は手付かずですが・・・。
子供の頃からプラモデルを作るのが大好きで、やがて鉄道模型のHOゲージに嵌り、その後はエンジン模型のラジコンに懲りました。共通して言えるのは、出来上がった模型で遊ぶのが好きなのでは無く、兎に角、作ることが好きでした。
中学生の技術の時間、2サイクルエンジンの実機を分解する授業があったのですが、私の班に与えられたホンダのエンジンは、過去10年近く歴代の先輩たちが再始動させられなかったという曰く付きの代物でしたが、担当の先生から「もしエンジンを再始動するように修理出来たら、通知表は5をあげるよ」と言われて大発奮、結局ピストンリングとガスケットの不良を見抜いて見事に10年振りにそのエンジンを生き返らせました。確か中学2年生の時です。
ということで・・・・
今でも、今までも、そしてこれからも、相当私のこれらの分野に対するリサーチはマニアックな精神が根っこにあります。そもそもが「知らないもの、自分で評価出来ないものには投資をしない」というのを基本の投資哲学としてきたファンドマネージャーだからです。
でもその分、単なる財務諸表分析や経営者とのミーティングだけでは得られない情報を元にしたファンダメンタルズ分析をご紹介出来るだろうと思っています。
最後に一枚の写真を添付します。
これは紛れもなく日本のテレビで初めて300ミリウェハーがオンエアーされた写真です。テレビ東京「モーニングサテライト」のコメンテーターをしていた頃、インテルから特別にオンエアーで紹介するために借りてきた代物です。FedExでオレゴン工場から直送され、オンエアー後、遅滞なくFedExで送り返しました。まだインテルでさえ量産過程に入る前の事です。当然、この時も最先端技術の結晶が放つキラキラを見ながら、ひとり多いに萌えました。