今朝の日経朝刊(8/12)は完全なお盆ムード。きっと記者の方も夏休みなのでしょう。とは言え、一面トップが「AIや自動運転 「量子」が突破口」というのは、時事的技術動向を踏まえてもお盆休み過ぎやしませんかね。

1. まさか量子コンピュータを自動運転の車に積むわけじゃないですよね?

もし、絶対零度で稼働する量子コンピュータが自動車のエンジンルーム内に収まるように小さく、また安価な存在になれば、それを自動運転へ利用することは出来るだろう。またその程度に小さく出来れば、AIとしての利用も広がるだろう。そうではなくて、やはり量子コンピュータは現在のスーパーコンピュータのような位置づけ/使い道になるのであれば、現在語られている多くのAIや自動運転への応用は、あくまでネットワークを介したインフラ的な物としかなるまい。ただ逆に言えば、これはインフラ投資の必要性起爆剤になるのだが。

2. ムーアの法則は過去に何回終焉を迎えると言われことか?

インテルの創業者ゴードン・ムーア氏が提唱したムーアの法則とは「集積回路上のトランジスタ数は18カ月ごとに2倍になる」というもの。これはデザインルールが1μmを超えるあたりから、常に「もう物理的な技術限界を超えている。(写真露光と同じ原理で回路を描くので)光の波長よりも細い微細化など無理。」と言われ続けてきた。事実インテルのCPUで言えば、Core2Duoが出る前(2000年以降)から、もう何度も真剣に「微細化、高速化、省電力化は限界」とされ、Core2Duoという中途半端な製品(電力消費TDPが高く、発熱が凄い)が市場に投入された。だが現実には現在もそういわれながらもムーアの法則は生きている。既に、TDPも下がり、発熱も大した問題とならなくなっているが、更に今では極端紫外線リソグラフィー(EUV)が使われて0.7nmが最先端の実用化レベルになっている。

3. エヌビディア、純利益2.2倍は凄い!

AIや自動運転関連チップでトヨタとも資本提携しているエヌビディアは急成長を続けている。10日発表した5~7月期決算は、純利益が前年同期比2.2倍の5億8300万ドル(約636億円)、売上高が56%増の22億3千万ドル。
インテルが得意とするCPUとエヌビディアが得意とするGPUの違いは何かといえば、CPU が逐次処理用に最適化された2~3個のコアから成るのに対して、GPUは複数のタスクに同時に対応できるように(高速並列処理)設計された何千ものより小さく、より効率的なコアで構成されていること。つまり画像処理の為に生まれたGPUは特化した処理に対応していたため、今でいうディープラーニングなどに適しているということ。だから実は用途も性能も違うので、どちらが優れているのかなど、単純な比較は出来ない。ただ、決算内容から見えてくることは、明らかにGPUコンピューティングの用途が広がっているということで、この分野ではエヌビディアの独走状態だということだ。

6. 米国CPIが市場予想を下回る

米労働省が11日発表した7月の消費者物価指数(1982~84年=100)は、季節調整済みで前月から0.1%上昇し、3カ月ぶりの上昇ではあったが、市場予測(0.2%程度)を下回ったため、米利上げ期待の修正が進み、ドルはほぼ全通貨に対して朝方に大きく下げた。一説によると年内にFRBが利上げを行う可能性を織り込まれ方は約4割未満に急落しているらしい。故に、今日の為替の動きは「8月半ばまでに4発同時」と凄む北朝鮮の挑発によるものとは関係ない動きと言える。円は一時108円台も付けたが、現時点(6:30)では109.19前後である。