今朝(2/7)の米国株式市場はリバウンドして戻ってきた。

主な指数の状況は以下の通り。
NYダウ       24,912.77   +567.02  +2.33%
S&P500       2,695.14     +46.20  +1.74%
Nasdaq総合  7,115.88   +148.36  +2.13%
ドル円      109.66円 米国債10年 2.80%

今日の日本市場は安堵感も手伝ってリバウンドして始まるだろう。ただ、まだここで個人投資家の方が安心できるかと言えば、きっとまだ早いと思う。大きく下がるとか言うのではなく、ボラティリティが上がって居るからだ。まだアップダウンは暫く続くと考えた方が良い。

嫌な記憶を蘇らせれば、1987年10月のブラック・マンデーの時も、その後も多くの何とかショックと言われるような時でも、必ず一度はリバウンドして、再度売り込み直しがあって、やっと底打ちして反転態勢に入っている。今日の戻りは騙しになってしまう可能性を否定しない。勿論、これで底を打ったと宣言したいが、ここはひとつ慎重に行きたいところだ。

ただ何度もお伝えしている通り、今回の下げは株価の本質的な価値を決める企業収益の話や、金融システムの何かトラブル(リーマン・ショックやギリシャ問題のような)が原因となったわけではなく、あくまで雇用統計の状況などから米国景気の加速速度が速すぎるという不安から、米国債券金利が上昇するという事態になり、FRBが利上げを加速するのではないか、そうすると相対的に株式の魅力が落ちるのではないかという疑心暗鬼から始まっている。

更に、そこに追い打ちを掛けたのが、昨今のインデックス運用を中心としたパッシブ運用全盛の流れが、味噌も滓も無く売りに回られてしまった事と、よく言われるようなプログラム取引がボラティリティの上昇を見て、一気に売り指示を機械的に出したことによると思われる。

間違いなく、この段階での株価急落は、中間選挙を控えるトランプ大統領にしても、再選を狙う安倍首相にしても、そして就任直後のFRB議長にしても、誰にとってもタイミング的にも嬉しい話では無い。口先介入、リップサービスを含めて、このまま何もしないで傍観を決め込むことは無いであろう。だから過去のそれらとはかなり状況が違うと言える。繰り返しになるが、ファンダメンタルズは良好である。

ただ、市場には市場の神様がいて、何人たりともその意に反してそれを封じ込めることは出来ない。だからこそ市場は怖い面を持つのだが、今回はまだ神様は天邪鬼に相場を崩してやろうと本気で思っているとは考えられない。それは景気と企業収益という根本の部分が揺らいでいないからである。それに沿うのが基本的な教義であるから。

今日、日本市場が上昇したら、それは素直に喜べばいいと思う。ただ、これでもう安心と思うことなく、暫くはアップ・ダウンが結構あるだろうと割り切って冷静に見ておくことだ。上がる時があれば、下がる時もある、またその逆もあるよね、と言った程度に達観しているのが一番の良薬であると考える。胃が痛い時は胃薬でも飲み、軽く飲んで、今晩も早く寝てしまう事だ。

[amazonjs asin=”4828419993″ locale=”JP” title=”97%の投資信託がダメなこれだけの理由”]