今朝のマーケット情報
日経平均21,252.72円-165.04円(03/07) ドル/円106.13円
NYダウ24,801.36 -82.76 NASDAQ総合7,396.65 +24.64

今朝の日経朝刊(3/8)早読み。海外のメディアでもトランプ大統領の経済顧問トップである元ゴールドマン・サックス・グループ幹部のコーン氏が貿易戦争の兆候が増す中での辞任は「政権は安定への鍵を失ったとの見方から金融市場ではつかの間の平穏が終わり、トレーダーは金融市場に再び混乱が訪れることを確信している」と報じられている。NASDAQが上昇する一方で、NYダウがマイナスを続けるのは、その市場の動揺を裏付けている。トランプ政権内での保護貿易主義の台頭に対する防波堤となっていたコーン氏の辞任は、米国が関税導入に踏み切るシグナルとも考えられるからだ。

1. 【1面】仮想通貨 複数社処分へ 一部は業務停止 金融庁「顧客守る体制 不十分」

お気づきの方も多いと思うが、いつの間にか「仮想通貨取引所」という呼称が「仮想通貨交換業者」という言い方に変えられている。これがメディアの怖さなのだが、金融庁が立ち入り検査で問題が見つかった複数の仮想通貨交換業者を一斉に処分すると報じている。顧客保護やマネーロンダリング(資金洗浄)を防ぐ体制などが不十分と判断、登録を申請中の仮想通貨のみなし業者など一部に業務停止命令を検討する。巨額の仮想通貨が流出したコインチェック(東京・渋谷)には2度目の業務改善命令を出し、被害者への早期補償を求める。同庁は厳しい対応で利用者保護の徹底を各業者に促す。改正資金決済法は、資本金など一定の要件を満たした業者を「登録業者」としている。また法施行前から運営し、登録申請中の業者も「みなし業者」として事業継続を認めている。金融庁は登録業者の業務内容も点検しているが、とりわけみなし業者に問題があるとみている。件のコインチェックは未だ補償の具体的な手順や、交換以外の業務の再開時期などを明示という。恐ろしいことだ。

2. 【1面】正恩氏、米大統領に伝言 韓国特使、きょう訪米
【総合2】米「非核化」の行動要求 北朝鮮の意図探る

韓国の文在寅大統領特使として北朝鮮を訪問した鄭義溶大統領府国家安保室長らは8日、トランプ米政権に訪朝結果を知らせるため米国に出発する。鄭氏は7日、北朝鮮の金正恩委員長からトランプ大統領宛てのメッセージを受け取っており、米国に伝えると明らかにした。北朝鮮が非核化を議題にした米朝対話や核・ミサイル実験凍結の用意を表明したことを受け、文氏は「米国が予備的対話に臨む程度には(条件が)整った」と述べた。一方、トランプ米政権は「非核化」に向けた米朝対話に前向きな姿勢を示した北朝鮮の意図を慎重に探っている。結果的に過去の対話が核開発の時間稼ぎに終わった教訓から、政権内には北朝鮮の動向に懐疑的な見方が多い。制裁解除などの「アメ」を安易に提示せず、非核化につながる具体的な行動を北朝鮮側に強く要求する構えだ。挑発行為を控えても、北朝鮮は水面下で核開発を続ける。非核化を掲げつつ、米本土を射程に入れる核弾頭つき大陸間弾道ミサイル(ICBM)の完成までの時間を稼ぐ。米政府が最も懸念するシナリオがこれだ。そこで米側が求めるのが、非核化に向けた目に見える形での具体的な行動だ。米政府高官は「過去の二番煎じではなく、具体的なステップを求めている」と指摘する。ペンス副大統領は声明で「非核化に向けた具体的な行動があるまで、我々の態度も変わらない」として「最大限の圧力」を続けると表明した。一度失った信頼を取り戻すのは容易なことではない。

3. 【政治】大災害時 政府権限を強化 自民改憲案、緊急政令など

自民党憲法改正推進本部は7日の全体会合で、大災害時などで特別な措置を講じる「緊急事態条項」の改憲案について細田博之本部長に対応を一任した。執行部は大規模な災害が起きた場合に政府の権限を強化し、緊急の政令制定や財政支出をできるようにする案を軸に絞り込む。国会議員の任期を延長できる規定も盛り込む。私権制限との関係が論点になる。緊急事態条項は「国家緊急権」の思想に基づく。大規模災害や戦争など国家そのものの存立が脅かされる可能性がある場合に、全体の利益のために個人の権利を抑制できるとする考え方だ。欧州を中心に受け入れられ、憲法で明記する国も多い。日本国憲法には明確な規定はない。問題は、こうしたことを真剣に議論する背景にあるように思う。つまり大災害の発生確率が上がって居るのを政府は隠しているのではないかと、信じるか信じないかは貴方次第ですと不謹慎なことを考えてしまう。

4. 【アジアBiz】米GF「TSMCは独禁法違反」中国に調査要請 半導体受託生産1強揺さぶり

半導体受託生産の世界2位の米グローバル・ファウンドリーズ(GF)が中国当局に対し、業界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)について、独占禁止法違反で調査するよう要請したことがわかった。世界シェア5割強を占めるTSMCに対し、ライバル企業が揺さぶりをかけるのは、TSMCが市場を「総取り」する事態を警戒しているからだ。自国企業に半導体産業を担わせたい中国政府の思惑も絡み、実質的創業者の引退を目前に、TSMCは難しいかじ取りを迫られている。TSMCは、米クアルコムやブロードコムなど半導体設計の主要プレーヤーを軒並み顧客に持ち、製造を担う業界のインフラと言える存在だ。米アップルのスマホ向けも独占受注する。顧客の開発を二人三脚で支援するモデルが強み。スマホの伸びが鈍るなか、AIやあらゆるモノがネットにつながる「IoT」、仮想通貨のマイニング(採掘)など次の成長分野でも開拓を優位に進める。もう一つの強みが製造技術の高さだ。現行では回路線幅を10ナノ(ナノは10億分の1)メートルに微細化した製品が最先端だが、20年に5ナノ品の量産を開始するという。恐らくGF側の焦りなように思われる。

5. 【総合2】米政権 消える現実派 経済の司令塔コーン氏、抗議の辞任 保護主義に拍車も

冒頭でも記した通り、トランプ米政権で大型減税などを主導したコーン国家経済会議(NEC)委員長が6日、辞任を表明した。トランプ大統領が鉄鋼・アルミニウムの輸入制限を検討するなか、発動阻止を求めた抗議の辞任と位置づけられる。政権内で数少ない国際協調派のコーン氏が去ることで米政権は一段と保護主義に傾き、市場が好感した経済成長戦略も揺らぐ懸念がある。コーン氏が突如辞任を表明すると、米市場で株価指数先物が急落した。同氏はゴールドマン・サックス社長兼最高執行責任者(COO)から政権入りし、1.5兆ドル(約160兆円)の大型減税を実現した功労者だ。経済政策の司令塔として北米自由貿易協定(NAFTA)離脱などトランプ政権が掲げる過激策を封じる役目も担ってきた。コーン氏は経済政策に関してトランプ大統領にもの申すことのできる政権の大物幹部といえるが、両氏の確執は誰もが知るところだった。成長重視で企業経営の観点からも現実派のコーン氏と、「米国第一」で保護主義に走るトランプ氏とは路線が異なる。コーン氏は環太平洋経済連携協定(TPP)復帰も働きかけていた。トランプ氏は6日、ツイッターで「後継候補はいくらでもいる」としたが、トランプ氏に追従する通商強硬派が就けば、政権の「米国第一主義」は歯止めが利かなくなる。

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