今朝のマーケット情報
日経平均21,925.10円-224.11円(02/20) ドル/円107.27円
NYダウ24,964.75 -254.63 NASDAQ総合7,234.31 -5.16

今朝の日経朝刊(2/21)早読み。20日の米株式相場は反落。小売り大手ウォルマート・ストアーズが業績に対する失望で売られて主要株価指数を押し下げた。ウォルマートは10.2%安で終え、1988年以降で最大の下げ。一方、半導体銘柄は好調で、ハイテク銘柄の比重が高い指数の下げを限定した。米国債市場では10年債利回りが2.9%前後で推移。財務省がこの日実施した2年債入札では落札利回りが2.255%と、2008年の入札以来の高水準となった。為替は107円台への円安。安倍首相の消費喚起策の指示などの記事を含め、日本市場は持ちこたえて欲しいものだ。

1. 【1面】増税後の消費減に対策 首相、諮問会議で検討指示

次の記事も関連記事だが、安倍晋三首相は20日の経済財政諮問会議で、2019年の消費増税や20年の東京五輪・パラリンピック後の需要の落ち込みに備える対策をつくるよう指示した。政府は駆け込み需要や反動減が目立つ住宅や家電製品など高額品向けの消費喚起策のほか、インフラ整備の計画を今夏までにまとめる。増税による景気悪化のリスクに早期に備える。まだアナウンスメント効果だけだが、何かこの先にも景気刺激策が控えているという期待感は市場にとっては良い話。続きを期待したい。

2. 【総合2】首相、積極財政へ布石 インフラ整備や消費喚起 景気失速回避に着手

上記に続きの記事で、景気後退をにらんだ対策づくりは日銀の黒田東彦総裁の再任をにらみ、積極的な財政政策にカジを切る布石とする。増税などによるアベノミクスの失速を未然に防ぐ狙いだが、19年に集中する選挙対策との側面も垣間見える。特に消費増税についてはわざわざ「14年の消費税率引き上げ時の経験に鑑みる」と言及。増税後に個人消費が急減した経験にあえて触れることで、十分な対策の必要性を訴えた。歳出に関わる議論を国会の予算審議中に始めるのは異例だ。6月にまとめる経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に盛り込み、金融緩和の継続と併せ、経済政策の両輪としたい考えだ。民間シンクタンク16社の予測をまとめたところ、消費増税直後の19年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は前期比年率換算で2.6%減と大きく落ち込む。つまり良い話。

3. 【国際2】物価上昇 FRBに圧力 米利上げ加速観測強まる

米経済に物価上昇圧力がにじみ始め、FRBは18年に3回の利上げに踏み切る政策シナリオを表明しているが、市場は4回にペースが速まるとの見方を強めている。米労働省が発表した1月の輸入物価指数は、燃料価格を除いたコアベースで前年同月比1.9%上昇し、12年3月以来の伸びとなった。背景にあるのはドル安だ。FRBの調査では、主要通貨に対するドル指数が直近1年で9%も下落した。ドル安が進めば輸入品の値段は上昇する。とりわけ耐久財用金属(未完成品)は16%も値上がりするなど、原材料の価格引き上げが目立つ。 川上での値上げは中間流通に及ぶ。1月の卸売物価指数(食品・エネルギーなど除くコア)は2.5%上昇し、データがある14年8月以来で最も高い伸び率だった。フィラデルフィア連銀の製造業調査では「仕入れ価格が上昇した」と答えた割合が12ポイントも上昇して11年5月以来の高水準。同調査では卸売業者が値上げ分を川下に転嫁し切れておらず、先行きの消費者物価の上昇圧力となる。ただ利上げが4回になることは既に織り込み始めていると思われ新鮮味はない。

4. 【国際2】シリア、対トルコ緊迫 アサド政権側部隊、北西部入り ロシア関与で混乱拡大

この手の時事問題について、日本のメディアはとんと弱い。報道しないから弱く見えるのか、弱いから報道しないのか。この記事も日経がロイターの記事を引用しているが、欧米メディアはSNSも含めて、多くの記事が配信されており、市場を動かす要因の一つにもなっているので要チェック。内容はトルコ軍がクルド人勢力を標的に越境作戦を続けるシリア北西部アフリンに、アサド政権側の部隊が入ったと伝えた。クルド人側がアサド政権と共闘するとの情報もあり、大規模な軍事衝突が警戒されている。過激派組織「イスラム国」(IS)が壊滅状態に陥り、複数の勢力が絡む内戦の構図はかえって混迷の度合いを深めているというもの。海外メディアの記事もフォローすべき。

5. 【経済】外国人活用で人手不足補う 首相「今夏に方向性」 受け入れ拡大、在留上限が壁

曰く「安倍晋三首相は20日、外国人労働者の受け入れ拡大を検討する意向を示した。製造業や飲食業では実習や留学名目で入国した外国人が産業を支えている。慢性化する人手不足を解消する即戦力として受け入れ拡大の具体策を詰める。学ぶ建前で訪れた外国人材をなし崩し的に活用している現状を見直す狙いだが、在留の上限が制約になる可能性も残っている」という。この問題は少子高齢化のこの国においては避けて通れない問題だ。米国本土を訪れたことがあれば実感あると思われるが、イエローキャブの運転手の英語はかなり酷いし、ホテルのハウスキーピングは英語が通じないことが多い。かの国でもそれだけ移民を受け入れているという事だ。この国が同じ方向に向かうのは時間の問題と言えよう。

6. 【1面】給油所でEV充電 経産省が規制緩和、地域の拠点再生

経済産業省は給油所の規制緩和に乗り出す。電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)に必要な電気や水素を供給できるよう基準を緩める。コンビニエンスストアを敷地内に設置できるようにもする。厳しさを増す給油所の経営を支援して全国3万カ所のネットワークの再生につなげ、次世代自動車の普及にも弾みをつける。揮発性の高いガソリンを扱う給油所には火災などの危険があるため消防法にもとづく規制がある。現状ではEV向けの充電設備、FCVで使う水素供給設備を設ける場合、ガソリンの給油スペースから近くても10メートルほど離れた場所にしか設置できない。消防法では給油所内で事業者が提供できるのは、給油や洗車サービスなどに限られている。コンビニやスーパー、自宅に荷物を届ける宅配拠点などの設置は認めていない。これらのサービスを手掛けられるように改め、経営の多角化で収益を安定させる。

7. 【総合1】首都圏鉄道、隔日で遅延 中央・総武線は平日ほぼ毎日 直通運転拡大、遅れ広がる

田園都市線利用者としては激しく同意する内容だが、曰く「日本が世界に誇った鉄道の「定時運行」が揺らいでいる。首都圏の路線では平日朝の遅延が目立ち、6割超の路線で1日おきに起きている。原因の多くは混雑する電車への乗車やドアの再開閉に時間がかかること。鉄道会社の相互乗り入れによる直通運転の増加や過密ダイヤにより、少しの遅れが積み重なり全体の路線に波及している」という。遅延が頻発する背景には、鉄道会社の相互乗り入れによる直通運転の拡大がある。既存路線を活用する直通運転は、乗り換え回数の減少など乗客の利便性を高める一方で、いったん事故やトラブルが起きれば、乗り入れ他社の路線まで遅延が玉突きで広がってしまう。平日朝のラッシュ時はダイヤも過密化しており「遅れが生じると、もはや回復は難しい」(私鉄会社)」という。ならば直通運転の必然性については、再度検証が必要に思われる。

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