今朝のマーケット情報
日経平均23,098.29円-193.68円(01/31) ドル/円109.11円
NYダウ26,149.39 +72.50 NASDAQ総合7,411.48 +9.00

今朝の日経朝刊(2/1)早読み。今朝の米国市場は3市場揃ってプラス圏で終わった。またFRBは31日まで開いたFOMCでFF金利の誘導目標を1.25%-1.50%に据え置くことを全会一致で決定した。ただインフレ率は今年は上昇するとの見方を示し、パウエル次期議長の下、3月にも利上げを実施する軌道から外れていないことを示唆した。今回がイエレン氏が議長として参加する最後の会合。FRBは後任のジェローム・パウエル氏が2月3日にFOMC議長としての任務を開始し、FRBの議長として5日に正式に就任する予定と発表した。

1. 【1面】富士フイルム、米ゼロックスを買収 事務機、日米統合 世界で一体運営
【企業総合】富士フイルム、半世紀で本家と逆転 米ゼロックス買収、世界展開へ主導権 富士ゼロックス1万人削減

富士フイルムホールディングス(HD)は31日、米事務機大手のゼロックスを買収すると発表した。富士フイルムHDがゼロックス株の50.1%を取得する。同時に共同出資会社の富士ゼロックスをゼロックスが完全子会社化する。買収により、富士フイルムHDグループは売上高約3兆3000億円となり事務機部門の売上高も米HPを抜いて世界最大の事務機メーカーとなる。ゼロックスはニューヨーク証券取引所の上場を維持し、社名を「富士ゼロックス」に変更する。研究開発などの事業面では、富士フイルムHDが持つ画像処理などの先端技術と、ゼロックスが得意とする人工知能(AI)やネットワーク技術を融合。複合機を中心に顧客企業の業務を効率化するサービスなどを共同で開発する。

2. 【総合1】任天堂、売上高2倍 今期1兆円、「スイッチ」好調
【総合1】2年目「スイッチ」、持続力が鍵

任天堂は31日、2018年3月期の連結営業利益が前期比5.4倍の1600億円になりそうだと発表した。従来予想は4.1倍の1200億円。昨年3月に発売した家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」が需要期の年末商戦でも好調を維持し、国内外で販売を伸ばした。連結売上高は同2.1倍の1兆200億円と7年ぶりに1兆円を超える見通しだ。2017年3月3日の発売から1年近くが経過した任天堂の「ニンテンドースイッチ」。外観の斬新さや人気ソフトの連続投入で販売ペースは想定以上だ。君島達己社長は19年3月期の販売について「2千万台を超えられれば」と語る。テレビにつなぐ据え置き型として最大ヒットとなった「Wii」を越えるには2年目こそ勝負の時だ。

3. 【総合2】米、選挙にらみ景気刺激 大統領一般教書 「インフラに1.5兆ドル」 財政悪化に拍車も

トランプ米大統領は30日の一般教書演説で「安全で強く、誇り高き米国の建設に取り組む」と訴え、戦後最大の1.5兆ドル(約163兆円)を投じる官民インフラ計画を表明した。米政権は同じ1.5兆ドルの巨額減税を成立させたばかり。11月の中間選挙は苦戦が必至で、トランプ氏は「二の矢」を急ぐ。目先優先に傾く経済政策は景気過熱と財政悪化の大きなリスクも伴う。連邦政府予算の拠出が膨らめば、財政悪化にも拍車がかかる。連邦政府債務は20兆ドルを超えて過去最大で、1.5兆ドルの大型減税がのしかかる。すでに長期金利は上昇基調に転じつつあり、財政刺激策は逆に景気の不安材料になりかねない。米議会は18会計年度(17年10月~18年9月)の本予算の成立が遅れている。共和党が国防費の大幅積み増しを主張し、民主党はそこに社会保障費の上積みも求める。中間選挙を前に財政頼みを強めるのはトランプ氏だけではない。一般教書演説で財政健全化の問題は素通りし、金融市場に浮かぶ先行き不安への配慮は見られなかった。

4. 【総合2】SNS、価値判断踏み出す フェイスブック 仮想通貨広告禁止
【総合2】ICO、世界で規制の網 SECが差し止め 投資家保護ルール課題

フェイスブックは30日、SNS上での仮想通貨や仮想通貨技術を使ったICO=イニシャル・コイン・オファリングの広告を禁止すると発表した。フェイスブックは広告禁止について「意図的に(禁止の)対象を広範にしている」としている。フェイスブックはこれまでも薬物関連やポルノまがいなど社会にとって有害な広告の出稿を禁じる措置をとってきた。いずれも広告に影響を受けたユーザーやその周辺に悪影響が広がることを防ぐためだ。今回、仮想通貨とICOもこの一部に加わることになる。また仮想通貨技術を使ったICOに対し世界で規制の網をかける動きが広がる。米証券取引委員会は30日、6億ドル(約653億円)を調達したとされるICOを差し止めた。中国や韓国はICOの禁止を打ち出す。事業資金を迅速に調達する手段として急速に普及したが不正な取引に使われる可能性があり、投資家を保護するルール作りが課題になっている。仮想通貨を取り巻く環境に漸く“整備”の手が入り始めた。

5. 【金融経済】検証マイナス金利 大手銀、体力低下鮮明に 4~12月決算 貸出金利1%割れ

日銀がマイナス金利政策を導入して2月で丸2年になる。金融機関の経営を一時圧迫してでも企業の資金需要を喚起し、デフレ脱却につなげることを目指したが、長期戦に突入。平均の貸出金利は1%割れが定着し、預金と貸出金の金利差からくる利益は2年間で14%減った。大手銀の2017年4~12月期の決算は基礎体力の低下を色濃く映す内容となった。みずほFG、三井住友FG、三井住友トラスト・ホールディングス、りそなホールディングスの4社のうち資金利益が前年同期に比べて増えたのはりそなだけ。4社合計の資金利益は1兆6400億円で、マイナス金利政策導入前の15年4~12月期から14%減った。経費などを除いた実質業務純益はこの2年間で28%も減った。

6. 【金融経済】欧州中銀総裁、独が握るか 2020年問題に期待と不安

2020年は欧州の金融界が大きく動く。ECBでドラギ総裁らが総退陣し、新しい執行部が金融政策と銀行監督の采配を振るう。後任にはタカ派のワイトマン独連銀総裁が本命視されるが域内の受け止めはどうか。「2020年問題」には期待と不安が入り交じる。カギは金融政策における「ドイツ1強」を認めるかどうか。つまりユーロをマルクのような「強い通貨」にするというドイツ的な価値観を共有できるかという点である。総裁選びは欧州史の転換点となる可能性を秘める。

7. 【投資情報】日立、4~12月純利益最高2585億円 産業システムなど伸びる、株価は好業績に見合わず

日立製作所が31日発表した2017年4~12月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が2585億円と前年同期比35%増えた。情報通信システムやインフラ、建機など主力事業が好調で4~9月期に続き過去最高益を更新した。一方、時価総額では利益が約半分の三菱電機と拮抗。株式市場では好業績に見合う評価を得られていない。市場の懸念は既にAIを使った生産計画の立案支援など様々なサービス提供を始めているが、IoT関連の利益貢献の見通しは示していないことに加え、原発事業と火力発電事業のリスクである。総合電機という看板の真価が問われていることは間違いない。

[amazonjs asin=”4828419993″ locale=”JP” title=”97%の投資信託がダメなこれだけの理由”]