今朝のマーケット情報
23,849.99円+135.46円(01/09) ドル/円112.60円
NYダウ25,385.80 +102.80 NASDAQ総合7,163.58 +6.19

今朝の日経朝刊(1/10)早読み。今朝のNY市場も上昇して帰ってきたので、世界株高はmだ続いている。年初からそんなに飛ばして大丈夫かと思わなくもないが、昨日既報のようにバフェット指数などでも持ち出さない限り、そうそう売る材料もない。よくこうした時に証券市場で言われる言葉が「シートベルトを確り締めてご搭乗ください」というものだ。日本の新聞が伝える限りでは、南北朝鮮問題も特段の進展はなく、予想の範囲を超えない。今日はそんな状況なので、少し記事のレイアウトの順番を変えてみた。こっちの方が読み易いかも知れない。

1. 【マーケット総合1】株、けん引役は 「欧州」 好景気、非製造業にも恩恵

曰く「大きく上昇して始まった今年の株式相場。けん引役の一つは欧州で事業を展開する企業だ。製造業の景況感は先進国で最も良く、工作機械の欧州からの受注は過去最高水準。貨物の荷動きが増える海運やM&A(合併・買収)で欧州事業を強化する企業の株価上昇も目立つ。米国や中国の陰に隠れがちだった「欧州」が今年は存在感を高めそうだ」という。だが日本の株式市場及び投資信託市場の大きな弱点は、欧州への投資手段が極めて少ないということだ。日本はホームカントリー・バイアスが強過ぎるだけでなく、妙にニッチな新興国市場などへの傾斜は強かったが、欧州のエクスポージャーは取り難い。拙著で3本だけ取り上げた「買っても良いかも」というファンドの内の一つが欧州株であるのも、極めて投資可能なファンドが少ないからでもある。世界を見渡して欧州株のファンドが少ないわけではない。単に日本の資産運用業界が目を向けてこなかっただけだ。それは欧州株の取扱いについても同じことが言える。関連銘柄を探すくらいならば、そのものズバリに投資出来る体制を業界は用意すべきと考えるが如何に?

2. 【1面】踏み出す人々(2)「殺人ロボ」生むな 脅威の芽を摘む

曰く「「殺人ロボット」を防げるか。2017年11月、人工知能(AI)が判断して動かす兵器に関する初の国連公式専門家会議がスイスで開かれた。きっかけは起業家たちの声だった」という。この記事を読んで最初に連想するのが映画ターミネーターのスカイネットだ。確かにカイプ共同創業者のジャン・タリン氏が言うように「野放図なAIの開発競争は1ドルで人を殺せる世界をもたらす」というのは事実だろう。自動運転の自動車の実際の運用には法整備などの準備が欠かせない。ただ物理的に機能するだけの段階なら、殺人兵器紛いのものを作ることは容易だろう。不思議なのは、こうした事に最初に取り組むのは常に米国の起業家たちだという事だ。日本はサラリーマンばかりだから仕方ないのか?

3. 【1面】北朝鮮、「非核化」に強い不満 南北会談、五輪参加は合意 衝突回避へ軍対話

上記に同じく一面で、更にトップの記事。ただ残念ながら予想の範囲の事があらためて事実として報道されているだけで、内容に新鮮味はない。見出しだけで全てを語り切っているといっても過言ではない記事。

4. 【総合1】半島情勢、米軍に余波も 沖縄でヘリ事故相次ぐ、オバマ政権の予算減響く

本来、1面トップの記事が上記ならば、その横に並んでも良いかも知れない内容のもの。沖縄で在日米軍基地の米軍機による事故が相次いでいるが、背景には軍事費削減による整備不足や北朝鮮情勢の緊迫化などがありそうだと指摘している記事。記事では米保守系の有力シンクタンク、ヘリテージ財団が17年10月に米軍の能力を評価した年次報告書を公表したことを紹介。内容は予算の制約により部品調達や要員が不足し、海兵隊保有の航空機の4割しか飛行できないと結論づけたこと、及びオバマ政権時代の軍事費削減が影響しているとの見方もあるというもので、これは米国内の報道では在外米軍の弱体化としても報道されている。しかし上述のように朝鮮半島情勢の緊張感は高い。沖縄の住民の不安を取り除き、更に我が国の安全を守るために日本が出来ることは、米海兵隊の軍用機運用を縮小させることではない筈だ。これ以上のコメントは右傾化を指摘されるので避けるが、答えは自明な気がしてならない。

5. 【1面】株時価総額、中国ITがサムスン抜く テンセント、アリババ躍進 アジア、世界の3分の1

流れとしてはそうなんだろうな思いつつも、為替の影響をどう見るかによって、中国企業の躍進度合いは変わるだろうなと素朴にも思える。ドル換算した場合の人民元の価値。人民元が強くなってしまったから、中国が世界の工場であるという看板が外れたのかも知れない。ただそれは中国の不当に安い労働力が米国の労働者から職業を奪っているというロジックとは正反対の話になる。ならばこの時価総額ランキングは正当なのか?などということを想いつつ眺めると面白い。ただ残念なのは、やはり日本企業の地盤沈下であろう。11面【アジアBiz】には10年間の時価総額増加額ランキングが出ているが、上位30位までの中で日本企業は、7位ソフトバンク、9位キーエンス、16位ファーストリテイリング、21位日本電産、22位KDDI、30位オリエンタルランドの6社のみ。そして東証一部の超伝統的な企業はもう居ない。日本市場に未来はあるのかを問いてみたくなる記事である。

6. 【企業2】原子力暴走(1)原発事業「0円買収」のツケ 査定せず、OB絶句

という上記のような視点をもって読むと非常に面白い記事。「そりゃあ、日本企業は駄目だな」というため息が思わず漏れてしまう。東芝がどうして坂道を転がり落ちたかが垣間見える。

7. 【投資情報】東海カ、営業益最高330億円 今期、10年ぶり更新 黒鉛電極価格が上昇

東芝の買収劇に呆れたところで、こちらは買収が上手く行き、営業益最高を叩き出したというストーリー。東海カーボンと言えば、電気炉での製鉄に使う黒鉛電極とタイヤ原料などに使うカーボンブラックが主力の地味な会社に見えるが、こういう会社を投資先として発掘した時は非常に嬉しいものだ。株価は右肩上がりで昨年1年間で3.7倍となり、日経平均採用銘柄で上昇率は最大だったという。

8. 【投資情報】西松建、230億円追加投資 虎ノ門ヒルズ新タワー 収益源広げる

西松建設は、森ビルと開発する「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」(仮称、東京・港)に約230億円を追加投資する。2020年3月期までに実施し、投資額の合計は約300億円になる(つまり今までは僅か70億円?ということか)。主力の建設事業が好調な今のうちに収益源の多角化を進め、首都圏再開発が一巡した後の需要減に備えるという。同タワーは虎ノ門ヒルズ森タワー(東京・港)の隣接地に建設中で、19年12月に完成、地上36階建ての大型オフィスビル。このうち西松建は8階分を保有し、テナントとして貸し出し、安定した賃貸収入につなげ、開業後20年以内での投資回収を目指すというが、問題は本当に回収出来るのかと言うことだ?こうした開発話はREITなどにも影響を及ぼすので、非常に注意が必要だ。

9. 【マーケット総合】ファストリ 2年1カ月ぶり高値 好調な冬物販売 好感

株価の話よりもまず「9日の東京株式市場でファーストリテイリング株が続伸し、連日で昨年来高値を更新した。5日に発表した2017年12月の国内ユニクロの既存店売上高が、前年同月と比べ18%増えたことが好感された」と呼んで、やっぱりインフレ目標2%達成は不可能だろうなと考えてしまう。ユニクロの製品が安いだけでは無いことは百も承知だが、少なくとも物価を押し上げるような高額商品ではない。消費者は、より安く、より良いものを求めているという証左でしかない。

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