自公両党が衆院選で3分の2以上の議席を得るのは、政権交代前に続き3回連続。
総括
第48回衆院選は22日投票、一部を除き即日開票された。安倍政権の継続を掲げた自民党が単独で280超の議席を得て圧勝した。連立を組む公明党と合わせ、安倍晋三首相(自民党総裁)の第4次政権は、憲法改正の国会発議に必要な3分の2の310議席を上回った。立憲民主党は躍進し野党第1党となったが、苦戦した希望の党が公示前議席を下回り「安倍1強」の状況は崩せなかった。
希望の党
小池百合子東京都知事が率いる希望の党は結党メンバーや有名な候補が小選挙区で自民党候補に相次ぎ敗れた。若狭勝氏は東京10区で鈴木隼人氏に敗北した。比例代表でも落選し、議席を失った。同党が東京で勝ったのは21区の長島昭久氏だけだった。松原仁元拉致問題相は3区で石原宏高氏に負けた。松原氏は比例代表で復活当選した。福田峰之氏は5区で若宮健嗣氏に敗れ、小沢鋭仁元環境相は井上信治氏に敗北した。神奈川16区に出馬した結党メンバーの後藤祐一氏は義家弘介氏に負けた。元国土交通相の馬淵澄夫氏は奈良1区で小林茂樹氏に敗れた。元官房副長官の松野頼久氏は熊本1区で木原稔氏に敗北した。京都6区で安藤裕氏に敗れた山井和則氏は比例で復活当選した。
小池氏「おごりあった」 希望代表は続投意向
「政策本位を考えたが、厳しい結果につながっているのは大きな問題で真摯に受け止めたい。敗因を分析しなければならない」と、その上で「私自身におごりがあった。これまでは空中戦でやってきたが、小選挙区はそれだけではだめだった」とコメント。「私自身、都知事選、都議選と完勝させていただき、2連勝だったが、今回は完敗ということをはっきりと申し上げたい」と述べた。
立民、議席3倍超す 政権と対決、9条改正反対
立憲民主党は公示前勢力の15議席から3倍を超える躍進で、野党第1党に躍り出た。
改憲勢力が8割に 国会発議に現実味 9条、公明・希望は慎重
自民、公明両党と憲法改正に前向きな希望の党、日本維新の会を合わせた「改憲勢力」は、国会発議に必要な3分の2(310議席)を大きく上回った。4党の議席は衆院全体の約8割に達しており、発議が現実味を帯びる。ただ9条改正を巡っては公明党が慎重姿勢を崩しておらず、希望の党も一線を画す。今後の改憲議論はなお曲折が予想される。