今朝の日経朝刊(9/28)早読み。本日衆院解散に敬意を表してトップに挙げたが、経済への影響で言えば、米国の税制改革の方が余程刺激的だ。極論すればポピュリズムに走って弱者の見方を装う民主党と、大企業寄りで富裕層を大切にする強者寄りの共和党。どっちのやり方が最終的に国民を幸せにするかという壮大な社会実験だ。日本の政治のやり方は、どっちに転んでも米国で言えば民主党型だ。手厚い社会保障がその好例だが、米国のやり方が成功すれば、いずれ日本も何かを学ばないとならないだろう。

1. 【1面】衆院きょう解散

安倍首相が本日、衆院を解散する。午後の衆院本会議で大島理森議長が解散詔書を読み上げ衆院は解散、政府はその後の臨時閣議で10月10日公示―22日投開票の衆院選日程を正式に決める。衆院選は2014年12月以来。小選挙区と比例代表を合わせた定数は10減り、戦後最少の465。首相は勝敗ラインを与党で過半数(233)と定め、割り込めば退陣すると表明している。

2. 【1面】米、法人税率20%に下げ 政権・共和が統一案、海外所得は非課税
【総合2】米、3%成長へ投資促進 法人税率下げ 財政は悪化懸念

選挙公約で連邦法人税率15%への引下げを掲げてきたトランプ大統領だが、いよいよ米国の税制改革に動き出し、与党・共和党の議会指導部と共に約30年ぶりとなる大型の税制改革案を公表した。米経済の成長底上げの起爆剤として期待される。引き下げ幅に関しては議会側と調整し、連邦法人税率(現在35%)は20%となったが、主要国でも低い水準への軽減をめざす。因みに日本は29.97%。海外利益を国内に送金する際の課税も原則廃止。企業の税負担を軽くし、米国内での投資や雇用を後押しする。米企業に国内投資を促し、経済成長率を3%に高めるのが政権の最終目標。更に税制改革案は個人所得税の最高税率の引き下げを盛っている。大企業優遇、富裕層優遇は共和党の基本姿勢。オバマ前政権時のような議会の捻じれがない今、これらの政策が実行可能となる。実際に成長率3%になれば、10年間で2兆ドルの税収増が見込めるが、これについては壮大な社会実験とすら揶揄する身内もいるようだ。ただ衆寓政治の椅子取りゲームに明け暮れる某国より、よほどまともだと思う。

3. 【一面】FX倍率、上限下げへ 現行25倍→10倍に

金融庁は外国為替証拠金取引(FX)の証拠金倍率(レバレッジ)を引き下げる検討に入った。現行の最大25倍から10倍程度に下げる案が有力。25倍から10倍へとかなりな割合に見えるが、元々は400倍のレバレッジのあった商品が、ここまで引き下げられてきた。急変動した際、個人投資家や金融機関が想定を超える損失を抱えるリスクが高まっているとの判断があるようだが、投資家の自己責任を問うという姿勢も重要ではないかと思う。

4. 【経済】バイオマス発電 買い取り価格に入札制 経産省検討 電気料金の上昇抑制

経済産業省は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度で、輸入した木質チップなどを燃やすバイオマス発電に入札制を導入する検討に入った。バイオマス発電とは、木くずや食べ物といった生物に由来した物質を燃やすなどして、電力を生み出す再生可能エネルギーの一つ。植物を燃やすと二酸化炭素(CO2)を排出するが、成長過程の光合成で大気中のCO2を吸収するので排出は差し引きゼロと換算する。

5. 【経済】財政黒字化目標先送り 国債格付けに影響せず 人づくり革命に期待

衆院解散と共に財政健全化目標を先送り示されたが、米格付け会社S&Pグローバル・レーティングとムーディーズ・インベスターズ・サービスの2社は日本の格付けに影響しないと明言。寧ろ「増税分の使途を変えて人づくり革命の財源にあてれば、中期的には日本経済の成長に寄与する」と肯定的な見解を示した。この視点を日本のメディアも見習うべきでは?

6. 【企業1】スーパー、値下げ続く 8月、80品目調査 食品・日用品6割下落 節約志向根強く

スーパーで販売価格の下落が続いている。日本経済新聞社が食品・日用品の主要80品目を対象に8月の販売価格を調べたところ、6割強の50品目が前年同月を下回った。価格が下落した品目が過半数を占めるのは2016年8月以降、13カ月連続。消費者の節約志向が依然根強いことがわかった。つまり、デフレ脱却には金融緩和策は功を奏さず、賃金上昇など生活実感の向上がなければ消費は上向かないということがあらためて明らかになった。

7. 【1面】民進、希望に合流へ 衆院選候補を一本化
【総合2】前原氏、捨て身の合流 野党再編に活路 小池氏、公認対象は選別
【政治】小池氏、非自民を結集 脱原発・増税凍結が柱

捨て身玉砕覚悟の前原氏、狡猾したたかな小池氏。見捨てられたのは都民ってことです