今朝の日経朝刊(9/27)早読み。明日の臨時国会冒頭で衆院解散が宣される予定だが、日経新聞や各メディアが紙面や時間を割くほどに、市場関係者は政治のことを当面は気にしなくて良いだろう。永田町のドラマはある意味「永田町の内輪の観劇会」みたいなもので、大きな自民党と、小さな仲良しグループが手つなぎ鬼をしているようなものだから。政策議論で目新しい話が出れば別だが・・・。

1. 【1面】民進、希望と合流探る 小池氏の判断焦点
【総合2】希望か共産か埋没か 民進、背水の前原氏
【政治】小池氏VS与党 早くも火花「危機管理」を批判 与党、「二足のわらじ」応酬

今朝の日経朝刊の前半の紙面を沢山使っているのは上記のような見出しの記事。日本の政治の質の低さを如実に示すものばかり。民進党は共産党と連携するものと思われていたが、小池新党にかなりご執心なようである。その小池新党自体も、希望の党と野党らしいネーミングをしたが、政治的イデオロギーが揃って集まっているというより、元居た場所での居心地が悪いとか、待遇が悪いという発想の人々の集まり。民進党と合流したら、民進党離党者は数日間で故郷帰り。そして肝心なのは、党首が知事と二足わらじだということ。こんなんでこの国の大事を決めて欲しくないと思うのは私だけだろうか?

2. 【総合1】アジア市場に警戒感 米利上げ示唆 日経アジア300続落

米連邦準備理事会(FRB)が保有資産の縮小を決め年内の追加利上げも示唆すると、米国への資金回帰を連想した投資家が新興国の市場から資金を退避させている。アジアの有力企業を対象にした株価指数、日経アジア300指数は続落し、26日はほぼ3週間ぶりの安値を付けた。水は高いところから低いところへと流れ、お金は(金利が)低いところから高いところに動くというセオリー通りの話。米国の超金融緩和で新興国へ流出していた資金が、米国の利上げで均衡点を一旦離れ、高い方へ向かう。地政学的リスクを除けば、円ドルの関係でも円売りドル買いになれば円安になる。その円安を評価した日本市場だけは株高の恩恵に預かっている。

3. 【企業総合】WD、暫定差し止め請求 東芝半導体売却、国際仲裁裁に

予想通り、米ウエスタンデジタル(WD)は26日、東芝による半導体メモリー事業の売却に対し、国際商業会議所(ICC)の国際仲裁裁判所に暫定差し止めを求めると発表した。 仲裁裁は10月上旬にもWDと東芝の件の仲裁廷を構成する予定で、このタイミングにあわせて、WDは暫定差し止めによる救済措置を求める。今年12月から来年1月にかけて暫定差し止めに対する判断が出ると、東芝がメモリー売却の目標とする来年3月末には黄色信号が灯る。WD側のリスクは東芝が暫定差し止めで被る損害分の担保金を国際仲裁裁に預けることだが、これは巨額にはならないとしている。仁義なき戦いはまだ当分終わりそうもない。

4. 【企業総合】トヨタ、米でHV部品 400億円投資、現地生産後押し

トヨタ自動車は2020年から米国ウエストバージニア州とテネシー州の工場で、HV用の駆動部品の生産を計画する。米国でHVの基幹部品を生産するのは初めて。ケンタッキー州でエンジンの生産能力を拡大するなど、米国の計5工場で部品生産を拡大。約3億7000万ドル(約414億円)を投資。既にHVの基幹部品は日本のほか、中国で生産を始めており、18年からはポーランドでも生産を始める計画だが、EVばかりが注目を集めている昨今、現場の判断はやはりインフラの問題など一筋縄ではいかないEVよりも、「まだHVで行ける」ということのようだ。隣の囲み記事では「トヨタ、新興国巻き返し ブラジルで小型車投資 成長市場取り込み」と報じており、EVの話で浮足立っているのはメディア先行ということを裏付けているように見える。

5. 【企業2】Jディスプレイ、管理職ポスト3割減 赤字脱却急ぐ

経営再建中のジャパンディスプレイは10月1日付で顧客別に事業部を3つに分けた社内カンパニー制に移行すると発表した。420あった管理職ポストを約3割減となる280にして組織階層を削減。本社機能もスリム化して意思決定のスピードを速める。同社は2018年3月期に4期連続の最終赤字になる見通しで、構造改革によって収益回復を急ぐという。東芝のメモリー事業売却の話の陰に霞んでいたような話だが、JDIも同じような状況だ。その割にはスピード感に乏しい。ただ、管理職ポストを単純に140席減らせば済む問題なのだろうか。日本企業故、当然その管理職140席分の何かを手当てしないとならないだろうし、問題は技術開発において後塵を拝しているということの筈だ。

6. 【企業2】アップル関連株 下落 新型iPhone出足鈍く 割高感で利益確定売り

22日発売のiPhone8の出足が鈍いとの報道を材料に、日本や台湾の部品メーカー株が売られている。今回注目の新製品はiPhoneXの方なので、市場の反応はやや早計な気がする。普通のiPhoneマニアならば、少なくともあとひと月余りで発売されるiPhoneXを実際に手にしてからどちらにするかを決めるだろう。その意味では、部品調達の遅れから、全機種同時発売を出来なかったアップルのミスとも言えるが、これをAndroid勢との競合による出足の悪さと見るのは如何なものか。もしそうであるならば、下がったところがあれば、それこそ絶好の仕込み場と考えてしまう。