今朝の日経朝刊(9/13)早読み。北朝鮮に対する国連制裁決議は何とも中途半端な気がするが、ひとまず市場は安堵した様子と映る。但し、火種は消えたわけでは無いのは事実。フランクフルトで国際自動車ショーが始まった。欧州勢のお膝元ドイツでの開催故、ドイツ車メーカーの出方を見るには絶好の機会。ただ、英仏が示した新規制への対応について、出展内容だけでは、どこまでそれに対応させることが出来たかはわからない。毎回行われる各車トップの基調演説などを今後つぶさにフォローする必要がある。

1. 【1面】白金使わぬ燃料電池 日清紡、材料コスト数千分の1

朝刊によれば「日清紡ホールディングスは白金を使わない燃料電池用の触媒の実用化に世界で初めて成功した。白金の代わりに炭素を使うことで材料コストを数千分の1程度に減らせる。燃料電池車は電池価格がネックだった。電気自動車に比べ遅れていた燃料電池車の普及に弾みがつく可能性がある。」(日経朝刊9/13より引用)という。額面通りであればこれは画期的なことかも知れない。そもそもEVが内燃機関の自動車に全て取って代わるというのは、常識的にはそう簡単に起こりえない。火力なのか、原子力なのか、或いは水力や風力などの総発電量と消費電力が見合うインフラが、その発電施設と供給インフラ(充電スタンド)と合わせて用意できた時に、EVの話は現実的になるが、燃料電池はHVも含めて大きなソリューションになりえる。PHVのエンジンを燃料電池に変えるだけでも、航続距離などの問題は解消する。

2. 【1面】北朝鮮制裁 履行を監視 安保理決議 石油輸出に報告義務
【総合1】対北朝鮮、初の石油制限 輸出総額の9割が制裁対象 将来の禁輸に布石

国連安全保障理事会は初めて北朝鮮への石油供給に規制の網をかけた。北朝鮮向け石油関連製品の輸出に上限を設け、石油輸出の3割削減する。石油を制裁対象に加えたことで、将来、再度北朝鮮が自由行動に出た時には全面禁輸への道筋が作れた。北朝鮮への繊維製品輸出も禁止。これにより北朝鮮の輸出の9割が制裁対象になるという。あとは制裁の実効性を高めるため国連加盟国の厳格な履行状況の確認が必要。そのため、石油輸出規制を巡っては、北朝鮮への輸出量を定期的に報告するよう求めることとなった。

3. 【3頁 総合2】欧州勢、EVシフト鮮明 独自動車ショー開幕

ドイツでフランクフルト国際自動車ショーが12日、開幕した。東京モーターショーが縮小していく中で、数少ない盛大に開催される国際自動車ショーのひとつがフランクフルト・モーターショーだ。ガソリン車、ディーゼル車の製造販売を禁止すると英仏が表明した後、中国も企図は異なれど、同様な規制に乗り出すことを表明した中でのフランクフルト・モーターショーは、各社の今後の対応方針を見る上で非常に参考になる。

下の表は各社の記者会見での発表内容。裾野が広いVWグループの内容が一番意欲的に見えるが、EV50車種というのは、些か打ち上げ花火的な感じがしないでもない。ディーゼル・エンジンに関する不正問題で傷ついたブランドイメージを取り返そうとしているのかも知れない。

それに比べると、ダイムラーとトヨタは現実的な対応を見せている思われる。ダイムラーのスマートはそもそもEVに向く車種とも言えるし、Aクラス、Cクラスのサイズまでなら野心的とも思えない。トヨタは引き続きHVに注力と言うのは妥当であり、一方で水素燃料の件に触れていないのであれば、それは何か含みがあるのかも知れない。BMWの航続距離600キロというのは、事実であればEVとしては実に画期的だ。

(日経新聞朝刊9/13より引用)

4. 【5頁 経済】東芝社長「日米韓連合 軸に」 半導体売却交渉、銀行団に説明

今朝は東芝-WD問題の記事があった。それによると東芝の綱川智社長は主力取引行の幹部と会談し、メモリ子会社「東芝メモリ」の売却を巡るWDとの協議が難航しているため、状況が変わらなければ「日米韓連合を軸に交渉を進める」と伝えた。どうにも二転三転、四転五転、決まらない会議の典型例のようになってきた感がある。何れにしても債務超過という事実と、期限は3月末という事態は東芝にとっては変わらず、WDを無視すれば、再び法廷闘争が始まることも事実。流れとしては、東芝上場廃止に向かっているとしか思えない。