今朝の日経朝刊(9/7)早読み。今朝のNY市場では為替も108円台半ばになる一方で、米国株は小動きと、地政学的リスクの織り込みもだいぶ進んだかに見える。目先、次に何か想定外のことが起らない限り、これ以上に株価も為替も動きずらいだろう。

1. 【1面】デジタル通貨 中銀に待望論

世界の中央銀行が、驚異的な速さでビットコインなどの仮想通貨が普及し続けると資金決済サービスなどで自国通貨の存在感が低下し、いずれ金融政策にも影響を及ぼしかねないとの危機感から法的な裏付けを持つデジタル通貨の発行を相次ぎ検討し始めていると報じている。平たく言えば、日本で言えば「円よりもビットコインなどの仮想通貨」という時代が来かねないという切迫感だ。ただ多数の仮想通貨が誕生したら、それは仮想通貨誕生の本来の意義を失わせるのではないかとも思う。現在は決済通貨としての価値よりも、投機対象としての価値の方が注目されており、最終的に普くぞれぞれに交換出来て、決済が出来るようになった場合、単なるネット上の基軸通貨のような立ち位置になるのではないだろうか?それもどこの中央銀行も管理していないものとして。またその交換比率はどうやって決めるのだろう。現時点では、如何なる規制手段が適しているのか模索しているというのが妥当な理解なように思われる。

2. 【1面】日ロ首脳、対北朝鮮「緊密に連携」 圧力強化では溝
【3頁 総合2】米、中ロと駆け引き激化 北朝鮮制裁案で譲歩迫る
【3頁 総合2】ロシア、対米カードに シリア問題に代え利用

それぞれ、見出しの通りで「まあ、でしょうね」という内容。北朝鮮は世界の脅威だという事は各国で共有できても、西側諸国の発想での制裁には簡単に同意しかねるというロシアの態度は、中国も同様に想定の範囲内。9日にICBMが発射されると、週明けの市場には影響があるだろう。

3. 【3頁 総合2】ネット消費、大型店のむ トイザラス・ギャップ…米老舗が相次ぎ苦境、アマゾン優位さらに

トイザラスやギャップと言えば、ショッピングモールの花形テナントだったの極数年前まで。日本でも1990年代、大規模小売店舗法(大店法)に風穴を開け、これが故に大型のショッピングモールが各地に勃興し、そして各地にシャッター商店街なるものが誕生した。Amazonと同じネット通販の楽天は、その日本のシャッター商店街に活力をということを旗印に発展した面もあるが、最終的にはAmazonを中心としたネット通販が、そのショッピングモールの花形を苦境に追い込んだ。ただ一方で、Amazonなどは物流センターなどで雇用を創出している。ヤマト運輸の問題は、その創出する雇用に、ヤマト運輸側が柔軟に供給者として対応し切れなかったと見ることが出来ると思う。現に、ヤマト運輸の代替は進んでおり、Amazonのビジネス自体は止まるどころか拡大しているのだから。ただショッピングモールを投資対象としたREITには、厳しい結果が突き付けられることと思う。

4. 【4頁 政治】民進・山尾氏が離党届 週刊誌報道受け、前原新体制に打撃

前原新代表体制の民進党のスタートは初手から躓いた。ネットでは大ブーメラン効果と言われているが、何ともお粗末な結果に思う。こんなことでは、日本に2大政党政治を定着させるなどという願いは叶うわけもない。離党にとどめたのは、議員辞職すれば10月22日に愛知7区で補選を実施することになり、スキャンダルに伴う不利な選挙戦が増えるのを避けたからというのが本当なら、余りに小手先過ぎて情けない。ただこうしたスキャンダルでゴタゴタ永田町がしてしまうのも、そもそもは国会にワイドショー的な要素を沢山取り入れたことに失策があるように思う。語弊を恐れずに敢えて言えば、本来、国政の運営に支障が無ければ、国会議員が妾をかこおうが、不倫しようが、私生活で何をしていようと本来的な意味では関係ない。

5. 【7頁 金融経済】銀行ATM 今やお荷物 都銀、15年で1割減

銀行のATMを使う機会よりも、コンビニで次いでに主筋することの方が圧倒的に多い。振り込みも、コンビニ取り扱い可能なものなら、銀行に行くよりコンビニの方が処理が速い。郵便局など最悪に遅い。AI以前に、銀行の窓口業務を飲み込む最有力候補はコンビニが先だと思う。

6. 【7頁 金融経済】顔の見える投信、運用大手も続々 責任者が発信、個人客つかむ

これだけは敢えて申し上げたい。国内で1990年代に既に「顔の見える投信・ファンドマネージャー」とディスクロージャーに尽くしていたので、記者が知らないだけで何を今更と思う。新しい行動様式ではない。ただ、業界としては、どこかで皆一旦隠れてしまったようですが・・・・。

7. 【13頁 企業総合】日本電産がEVモーター 中核部品参入、19年にも中国生産

日本電産は7日、電気自動車(EV)や家庭のコンセントで充電するプラグインハイブリッド車(PHV)向けの駆動用モーターシステムを開発したと発表した。いよいよHDDのスピンドルモーターの時代からの悲願でもあった本丸に日本電産も到達したのかも知れない。ただきっと永守社長の目は、もっと遠い先に今頃は行っているのだろうと。