今朝の日経朝刊(9/6)早読み。野党第一党である民進党は、代表選を終えた後も、どうやら纏まりが中々つかないらしい。結局寄せ集め組織で始まった弊害なのかもしれないが、2大政党による健全かつ建設的な議論の応酬、そして国難への対応の早期再開を強く望むばかり。魑魅魍魎な椅子取りゲームは早く終わらせては如何だろうか?

1. 【1面 】代表代行 山尾氏を断念
【2面 総合1】前原民進 思わぬつまずき
【4頁 政治】前原体制 3つの試練
【4頁 政治】小池百合子研究 ブーム自戒、野望封印

これだけの記事が経済新聞の中で政治問題を伝えているが、その殆どが「椅子取りゲーム」の話。緊迫する北朝鮮情勢について与党の対応に対して野党としてどう対応しようと思っているか、少子高齢化の中で、野党はどのように財源確保度と福祉の充実を図ろうというのか?その実効性などの検証の話はいつも無い。だから安倍政権の支持率がどうなろうと、一党支配は揺るがずに続いてします。是非、もっとワイドショー・ポピュリズムに走る国民に「気付きを与える」政治関連の記事をお願いしたいものだ。と言っても、日経新聞の読者層にはワイドショー・ポピュリズム派はそんなにいないと思うが・・・

2. 【3頁 総合2】中国、ICO全面禁止

中国当局が4日、仮想通貨発行による資金調達「新規仮想通貨公開(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)」を全面禁止した影響が出ているというが、正直、どうでもいい話に思える。IPO(イニシャル・パブリック・オファリング)ではなくICO(イニシャル・コイン・オファリング)とは上手いネーミングだが、どうにも胡散臭い。IPOについても、先般のUUUMの公募価格の3.3倍もの値段で初値が付くなどだいぶ投機色が強いものではあるが、IPOに関しては証券取引所による審査がある。審査基準が甘くなって、本来上場は如何なものかと思われるものが出て来ることがあるが、それ以上にICOの場合は簡単だ。仮想通貨取引に参加する人のことも「個人投資家」と呼ばれて報道されるが、いやいや、内容から考えて「個人投機家」の間違いではないだろうか。

3. 【3頁 総合2】WD、東芝半導体の経営関与で譲歩案

東芝のみならずWestern Digital(WDC)も大丈夫ですかと心配してしまう。同社の株価も東芝の一件がダッチロールを始めた7月あたりから、低迷混乱している。既に9月に入り、当初期限と言われていた8月末を過ぎても半導体事業の売り先を決めあぐねる東芝経営陣に、WD側が譲歩をしているようだが、無駄に過ごしたこの四半期間程度の間に、他社とどのくらい道が開いてしまったであろうか?すなわち新規設備の導入や技術開発のことである。例えば、次世代のASMLが作る露光装置「EUV(極端紫外線)露光装置」は発注出来るのだろうか?遅れれば遅れるだけ、フラッシュメモリーの分野でSamsungの背中は遠く霞んで行くだろう。WDはHDDの世界ではトップ企業になっているのに、この件が足を引っ張ることになると非常に残念なことだと思わる。

4. 【14頁 企業総合】米ハリケーン、日本企業に打撃 プラント再稼働見通せず 車・食品への影響懸念

漸く米南部を襲った大型ハリケーン「ハービー」が米国経済のみならず日本企業にもどの程度の影響を与えているかが報道され始めたのはありがたいことだ。あれ程までに広大なエリアで冠水が続いてしまえば、多くの経済活動が停滞するのは至極当然。工場の設備は大丈夫でも、近寄れない場合だって多々あるだろう。今回のように、三菱ケミカルの工場では、8月27日からアクリル樹脂原料「メタクリル酸メチル(MMA)」の生産停止が停止しているという。こうした川上での素材供給が止まると、川下に行けば行くほどダメージは大きくなってくる。正直、私もテキサスで日本企業がそんな重要な物を作っているとは不勉強であった。他にもきっと似た例はあるに違いない。