今朝の日経朝刊(9/5)早読み。昨日は読み通りの日経平均19,500円の為替が109円台。何となくモヤモヤするものの、決定打は出ない中で地政学的リスクへの対応を考えるとなると、この程度が関の山か。米国はレーバーデーの祝日で休場。

1. 【1面】石油禁輸制裁の安保理決議は難しいだろう

朝刊一面では「安保理 石油禁輸で攻防へ」と大見出しを打つが、その小見出しは「対北朝鮮、日米「強力制裁を」中ロは対話訴え」と即腰砕けに終わりそうな気配を感じさせる。中露は石油禁輸制裁に賛成はしないであろう。何故なら、北朝鮮の位置は、彼らにとって丁度いい緩衝地帯であり、南北朝鮮統一などと言うことになり、西側諸国がその国境線まで容易に上がってくるのは決して嬉しい話では無いからだ。また当然、ビジネスという側面でも貴重な貿易相手が欠けることは、特にロシアの経済状況を考えれば好ましくない。石油を買ってくれ、廃品紛いの中古の軍需品を買ってくれる北朝鮮は生き残って貰わなければならない事情がある。どこまで中露が譲歩するかが注目のポイントだ。

2. 【3頁 総合2】ユニクロ、4年振り客数増

カジュアル衣料品店「ユニクロ」の来客数が4年ぶりにプラスとり、2017年8月期の国内既存店実績は前の期比2.9%増加した。但し、客単価は1.8%のマイナスとなり、値下げと単価の安い商品の売上が牽引したことは明らか。再三コメントしているが、消費者は安いものを求め、日銀の物価上昇期待には与しない。つまり日銀は何か他の施策を考える必要があるが、金融政策だけの日銀には既に限界と言える。

3. 【5頁 経済】航空貨物から見た景気

こういう視点で業界動向を捉えるのはいつも面白いし参考になる。航空貨物を扱う近鉄エクスプレスの鳥居伸年社長に、昨年から上向いた半導体や半導体製造装置の出荷に変調はないかを問うている。結論は、スマホは一服感、但し電子部品や半導体製造装置が多い航空貨物全体の出荷量は、昨年後半から直近7月の統計まで、前年同月比で10%以上の拡大が続いているとのこと。更に面白いのは、デジタル家電は勢いを失うものの、半導体や電子部品の需要が伸びているということ。これはEV向け電池材料やそれを製造するための部材が伸びている流れと符合する。ハイテク株への目線としては重要なポイントとなる。

4. 【7頁 金融経済】大和投信、信託報酬下げ

他社に追随する流れなので仕方が無いと思うが、大和証券投資信託委託も2018年から始まる積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)向けのインデックス型投信の信託報酬を10月2日から引き下げるようだ。とは言え、「日経225」は現在の年率0.21%から0.18%(税込み)、「外国株式(為替ヘッジあり)」は0.23%から0.21%、「8資産バランス型」で0.25%を0.24%と言う程には下がっていない。確かに当局は手数料を抑えるように指導はしているが、どこまで下げろとは言っていない。単なる運用会社のチキンレースにだけはならないで欲しい。本来はもっと商品性で勝負すべきであって、バナナの叩き売りでは無いのだから。つみたてNISAを設計した金融庁の出している指針はノーロード(購入手数料無料)と信託報酬上限1.5%。これは決してリーズナブルな水準で無いわけではない。つみたてNISA向けに、運用会社は英知を絞って胸を張って上限1.5%を取れる商品を開発して欲しい。それこそが投資家と運用会社のWin-Winな関係なのだから。

5. 【17頁 企業2】最先端半導体向け 次世代装置を量産へ

記事は半導体露光装置で世界首位のオランダのASMLが、次世代半導体露光装置の量産に乗り出すと謳っている。これにより米インテルや韓国サムスン電子などによる最先端半導体の量産が可能になる。残念ながら、これでニコン、キャノンは完全に2軍落ちが確定するだが。今回ASMLが量産化に目途をつけた露光技術は「EUV(極端紫外線)露光装置」と呼ばれ光の波長が既存技術の約15分の1で、より繊細な回路を描くことができる。但し価格は1台1億ユーロ(約130億円)以上と既存の露光技術であるArF液浸露光とマルチパターニングの組み合わせのものと比べると、装置としては数倍の値段になる。しかし、マルチパターニングを必要としないことで、スループットも上がるし、歩留まり率も向上する。何より現行の10nmから先、3nmの次々世代(次世代が7nm、次々世代が5nmならば次々々世代が3nm)までが視野に入ってきた。ムーアの法則はまだ生き続けられるのかもしれない。但し、この先、ニコン経営陣にはかなり厳しい決断が求められることとなりそうだ。

6. 【19頁 投資情報】世界企業・日本の立ち位置(2)膨らむ手元資金、米企業も

記事そのものの内容よりも、非常に目を引いたのがアマゾン・ドット・コムの手元資金である。アップルが28.8兆円に対して、僅かに2.5兆円とアップルの1割にも満たない。だがだからと言って侮っては行けない。記事には2010年からの増加基調を示すチャートがついているが、アマゾン・ドット・コムは意図的にキャッシュを増やしていないことがこれを観るとよくわかる。前回の決算発表でもアナリストの期待を裏切ってボトムラインを切り捨ててきたが、上がる収益を設備投資と研究開発に回しているからこその手元資金量であり、決算内容である。逆に不安になるのが、このアップルの増え方だ。使い道が無いという事は有り得ない。スティーブ・ジョブズ亡きあと、ワクワクさせてくれないアップルの現状はここにも明確に示されているように思われる。