今朝の日経朝刊(8/22)早読み。そこそこ知っておくべき情報もあることはあるが、それが投資へのインスピレーションには繋がるものではなかった。
1. 企業年金債務、8年ぶり減
上場企業の年金債務の増加に歯止めがかかってきたこと自体は評価したいと思うが、長期金利の反転が最大要因だとすると、これはあくまで日銀の金融政策の異常事態(超金融緩和)により、長期金利さえもマイナスとなっていたものの“修正”であり、ある意味では他人任せの自然な減少。もうひとつの理由が定年延長と言われて、それが当該企業へのポジティブな投資マインドを呼び起こすかと言えば、当然答えはNOである。つまり企業努力による成果を感じないものに、投資へのインスピレーションは生まれない。
2. 富士通、携帯事業売却へ
ある意味驚いた。「まだ富士通は携帯事業をしていたんだ」と。確かに某社が会社支給で使っているスマホはArrowsであった。ただ通常使っていたBlack Berryなどと比べると、非常に使い勝手が悪く、また極端に電池の持ちが悪く、ある営業マンなどは「肝心な発注の時にバッテリーが上がっていて・・・」とぼやいていた。正に本部の営業協力の賜物で、現場が苦労する話ではあるのだが、既に携帯はアップル、サムソン、SONY、ファーウェイあたりで世界を牛耳ってしまった感があり、数のメリットが得られない市場に立ち残ることはリスク以外の何物でもない。シャープや東芝の事例ではないが、何故か同じ経営感覚を感じてしまうのは私だけではあるまい。
3. ビットコインの市場の小ささにある意味驚く
「ビットコイン、ビットコイン」とメディアが騒いでいるのは知っているが、その市場規模が時価総額でトヨタ自動車の時価総額約20兆円の半分にも満たない約7兆円しかないと知って正直驚きを隠せない。特にまだ投資対象として云々言うつもりは無かったが、多くの面でまだ未整備である以上(このサイズでは整備されない)、そこに投資出来るのは、その覚悟をもって出来る投機的なマネーでしかない。フィンテックだなんだという新しい物好きの流れだとは思うが、メディアがこれほどまでに執着するのが不思議なのは、私の感性がもう鈍っている証拠なのだろうか?正直、そうは思わないが・・・。
4. 野党第一党の代表選がこれほど盛り上がらなくて良いのか?
野党第一党の代表と言えば、仮にも万が一、政権交代があれば次期首相となる立場の人の選挙の筈だが、残念ながら驚くほど周りは冷めている。それもその筈、前任の蓮舫元代表にしても、それ以前の方々にしても、それこそ「持ち回り代表制度」を民進党は採用しているのかと思わざるを得ないほど、同じ顔触れが入れ代わり立ち代わり出て来るだけだから。また、肝心な主張の中身を見ても、全く新鮮味が無いか、実現性の無い話が殆ど。国民は既に弁舌巧みな批判政策には懲りており、実現可能であることを財政面など担保した次世代志向の政策を期待しているからこそ盛り上がらないのかも知れない。民主主義である以上、トランプ政権についてもそうだが、過半数を獲得してしまっている以上、そこに話し合いが足りないとか、私物化しているなどという言い方は、正直見苦しいとか思えない。それは民主主義の否定でしかないからである。確かに、それでも少数意見も聞いて欲しいというのは正しい理屈だが、支持率から見ても、議席数から見ても、もう少し先ずは足元をよく確認した方が良いのではと思ってしまう。現状では、何を言ってもやっても、国会で決議されれば、多数決で負けるのだから。それを強行採決だなんだというのは、いつも違和感を感じている。
5. インパクト投資
投資先の環境・社会・企業統治(コーポレートガバナンス)の取り組みを重視する「ESG投資」の一つとして、株式投資で社会によい影響(インパクト)を与えようとする「インパクト投資」が日本で広がり始めたという。どこかで本項については詳述したいと思うが、ESGだ、インパクトだとアルファベット3文字をつけたり、カタカナにすることで、妙に新しい考え方かを装っているが、20年以上前から実践してきた「株主になりたい企業に投資する」という投資哲学と何が違うのかと疑問を抱いている今日この頃。