今朝のマーケット情報
日経平均22,068.24円-321.62円(02/28) ドル/円106.68円
NYダウ25,029.20 -380.83 NASDAQ総合7,273.01 -57.35

今朝の日経朝刊(3/1)早読み。NYダウは380.83ドル(1.5%)下げて25,029.20ドル。米国債市場で10年債利回りは2.86%にまで低下。米国市場はまだ揺れている。今朝は国際面の記事の方が取り上げるのには有益と考え、まずは3つの記事を取り上げた。米国経済は強い、だからインフレ加速を気にしなければならない、故に新FRB議長の議会証言におびえたというのが図式だが、米商務省が28日発表した2017年第4・四半期のGDP改定値は年率換算で前期比2.5%増と、速報値の2.6%増から下方改定された。経済は今年に入り、勢いを失っているもようだ。1月は小売売上高や住宅販売、耐久財受注、鉱工業生産が減少したほか、輸出が減る中でモノの貿易赤字が拡大したということを頭の片隅に置いておく必要がある。

1. 【国際2】FRB、市場と神経戦 新議長、利上げ加速も視野 「ハト派」の見方揺らぐ
【国際2】物価急上昇 リスク警戒 景気過熱回避、運営のカギ
【国際2】米GDP改定値2.5%増

敢えて国際面の3つの記事見出しを並列に並べてみた。27日にパウエル新FRB議長が議会証言に臨んだことで、その内容が利上げ加速などの多くの憶測を呼び、市場では利上げ回数が3回ではなく、4回に及ぶとの憶測から疑心暗鬼が広がっている。今朝の下落もその一連の流れかもしれないが、その裏で静かに2017年第4・四半期のGDP改定値は年率換算で前期比2.5%増と、速報値の2.6%増から下方改定された。日経新聞の記事では上記3.のような表記だが、ロイターなどは「米GDP改定値、17年第4四半期は2.5%増に下方改定」と明記している。FRB議長が交代し、市場との対話スタイルも変わって市場が疑心暗鬼になるのもやむを得ないが、僅かながら成長率は下方修正されたことは記憶にとどめておく必要がある。その上で、FRBは急激なインフレ加速リスクを気にしているというのがキーワードであるが、その前に利上げで問題になるべきは「上げ幅」であり、「回数」ではない。50bpずつなら2度上げれば1%の上昇となるが、25bpなら4回上げて1%であり、12.5bpという方法も実績があることを忘れてはならない。

2. 【金融経済】それぞれの3年目(下)出口に待つほころび 余資運用、高リスクに傾斜

これだけ長い期間マイナス金利を続ければ、銀行経営は厳しいだろうなと言う当然の話。本当に日銀や金融当局がそれを考慮せずに金融政策を続けているのかは、正直疑問を抱くが、地銀の中に昨年末、リスクを厳しく見積もると、自己資本比率で、健全とされる4%の下限を事実上割りそうな金融機関が見つかって金融庁内でも動揺が走ったという。預金だけが集まり、それをマイナス金利にするわけにもいかず、かと言って貸出先が見つからなければ当然運用対象を拡げなければならない。それが市場リスクを取る商品ならば、市場変動で銀行の資本が棄損することは理の当然である。その程度のことを予見していない当局では無かろう。

3. 【国際1】インド復調 7.2%成長 10~12月 混乱一服、投資戻る

インド景気の復調が鮮明だ。インド統計局が28日発表した2017年10~12月期の実質成長率は前年同期比で7.2%となり、5四半期ぶりの高さとなった。高額2紙幣の廃止や新税導入で混乱した経済が安定に向かい、設備投資も戻り始めた。インド経済の規模は19年に英仏を抜き世界5位に浮上する見通し。一段の飛躍には、内需拡大を促す改革が持続するかがカギとなりそうだ。市場予想は7%前後だった。統計局は同時に、7~9月期の成長率についても従来公表の6.3%から6.5%に上方修正した。中国の10~12月期の実質成長率は6.8%で、インドは5四半期ぶりに中国を上回った。国際通貨基金(IMF)は、インドのドル建てGDPが19年に2兆9千億ドル(約310兆円)を超え、英仏を抜いて、経済規模の順位は現在の世界7位から5位に上昇すると予想する。

4. 【国際1】深圳GDP、香港上回る 昨年、改革開放後初めて

香港政府が28日発表した2017年の域内総生産(GDP)は2兆6600億香港ドル(約36兆円)と、隣接する広東省深圳市のGDP(2兆2400億元、約38兆円)を初めて下回った。香港の実質経済成長率は3.8%と16年(2.1%)を上回ったが、深圳の8.8%成長には及ばない。中国の改革開放40年を前にした逆転は、同国経済の歴史的転換を裏付けた。香港のGDPは中国返還時の97年には中国の18%に相当したが、その後の中国経済の急成長で2%台に低下し、上海や北京に追い抜かれていた。香港は中国企業が株式を上場する国際金融センターとして存在感を保つ一方、金融や不動産に経済構造が偏り、スタートアップの育成では深圳に後れを取った。1人当たりGDPでは香港が約490万円と深圳(約300万円)をなお上回るが、差は縮まっている。

5. 【1面】18年度予算案、衆院を通過 年度内成立が確定

新聞紙上においても1面の下の方に記載されるなど盛り上がりを見せない2018年度の予算審議で会ったが、予算案は28日夜の衆院本会議で自民、公明両党の賛成多数で可決、衆院を通過した。参院送付後、30日での自然成立を定めた憲法の衆院優越規定により、予算案の年度内成立が確定した。予算案の一般会計総額は97兆7128億円となり、6年連続で過去最大を更新する。1日からは参院予算委員会で予算案の審議に入る。予算案には安倍政権の看板政策である「生産性革命」「人づくり革命」の関連費用を盛り込んだ。保育の受け皿確保やインフラ整備に充てる費用を計上する。高齢化で年金や医療費が膨らみ、社会保障関係費は32兆9732億円、北朝鮮の核・ミサイルに対処する防衛関係費が5兆1911億円と、それぞれ過去最大となった。税収は59兆790億円を見込む。野党は「働き方改革関連法案」の採決先延ばし程度にしか、その存在感を示せなかった。

6. 【1面】川重、台車製造に不備 のぞみ亀裂、140台超を薄く削る
【総合2】川重、事故招きかねず悪質 のぞみ亀裂 新幹線の信頼揺らぐ

日本の素材産業の品質への信頼は完全に失われつつある。JR西日本の新幹線のぞみの台車に亀裂が入った問題で、JR西と台車の製造元である川崎重工業は28日、製造時に底面の鋼材を基準より薄く削ったため、強度不足を起こした可能性があると明らかにした。川重がJR西と東海に納入した計147台に同じような不備があり、順次交換する。こんなお粗末な話が本当に会って良いのかと言う話だ。神戸製鋼所、三菱マテリアルや東レの子会社など昨年から製品検査データの改ざん問題が次々と顕在化。契約上の基準値を下回っていたにもかかわらず、納入先の了解を得る「トクサイ(特別採用)」ではなく、データを偽り正規品として出荷していた点が「ルール違反」と見なされ、批判が起きた。この神戸鋼のトクサイ問題の時、JR側の主張には納入時に独自の検査をしているから大丈夫という発言があった筈だ。結果は、その独自調査も機能していないということの証に他ならない。

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