今朝のマーケット情報
日経平均23,629.34円-2.54円(01/29) ドル/円108.93円
NYダウ26,439.48 -177.23 NASDAQ総合7,466.50 -39.27

今朝の日経朝刊(1/30)早読み。今朝の米国市場は3指数揃って下落。アップルが発表したiPhoneX生産半減などのニュースが市場の重しになった。この生産半減のニュースの捉え方で今後の米国株のみならず、日本のハイテク関連、取り分け電子部品関連への投資スタンスも変わらざるを得なくなるだろう。筆者は一時的なものと考え、スタンスの大勢を変える必要は無いと考えているが、減産が長引くようだと、多くのところで皮算用の目算が狂ってくることになるだろう。

1. 【1面】iPhoneX生産半減 1~3月 高額、販売伸びず 部品メーカーに影響

米アップルが「iPhoneX)」を減産する。1~3月期の生産量を当初計画から半減させる見通しで、各種部品を供給する国内外のメーカーに通達した。1台11万円を超える高価格が世界の消費者に受け入れられなかったもよう。有機ELパネルを初採用した「X」の販売低迷は、日本など世界の部品メーカーの生産や業績に影響しそうだ。確かにスマホで10万円を超えるのは「高いなぁ」と当初思った。しかし購入して使ってみると「FaceID」などの機能は今までのスマホには無く、有機ELの美しさも見逃せない。一時的な生産調整に留まるのではないかと思われる。

2. 【総合1】政府・日銀、円高けん制腐心 財務官「投機的な動き注視」 4カ月ぶり会合を事前告知

政府・日銀が円高のけん制に腐心している。財務省、金融庁、日銀は29日、国際金融資本市場について情報交換する会合を約4か月ぶりに開いた。市場では日銀による金融緩和の正常化観測が根強く、先週末は国際会議での日銀総裁の発言で円高・ドル安が進んだ。円高は脱デフレを目指す日本経済の足かせになりかねず、政府・日銀は神経をとがらせている。「私たちはようやく(2%の物価安定)目標に近づいている」。26日、日銀の黒田東彦総裁がダボス会議の討論会で発言すると、「物価上昇率2%の実現が近い」と見ていると市場が受け止め、大規模緩和の縮小を意識したため、海外市場で急速に円高・ドル安が進み、一時1ドル=108円28銭と4カ月半ぶりの高値を付けた。正に日銀総裁の市場とのコミュニケーション能力が問われた事案だ。

3. 【総合2】流出、20分で576億円 半日近く気づかず コインチェックに改善命令

仮想通貨取引所コインチェックから580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出した事件で、流出が始まってからわずか20分間で被害額のほぼ全てが奪われていたことがわかった。26日午前0時すぎに流出が始まったが、コインチェックが異常を検知したのはその日の午前11時すぎだ。半日近くも事態に気づかなかったずさんな管理が浮き彫りとなった。問題は気付いた後も流出が続いているという杜撰さだ。流出したNEMの所在はネット上で掴んでいると大塚COOは言及しているが、この口座の持ち主は国内にあるのか海外なのかも含めて不明だという。テクノロジー過信が招いたひとつの結果なのかも知れない。

4. 【総合2】仮想通貨 育成に死角 金融庁、安全網の整備課題

金融庁は29日、コインチェックに業務改善命令を出した。サイバー攻撃への不十分な備えやずさんな資産管理などを重視し、流出からわずか3日で処分を下した。新技術の育成と利用者保護のバランスを改めて見直す時期を迎えている。金融庁は再発防止策や発生原因など様々な点で分析が足りず、不十分なシステムが常態化していると断じている。麻生太郎金融相も同日の衆院予算委員会で同社の安全管理について「基本的知識、常識に欠けている」と指摘した。金融庁は2017年4月に改正資金決済法を施行しているが、改正資金決済法では取引所に顧客から預かった資産と会社の資産を区別するよう義務付けている。証券会社や外国為替証拠金(FX)取引会社などは預かり資産を信託口座に移し、倒産しても影響が及ばないようにしているが、仮想通貨は金融庁が信託の対象となるか検討している段階だ。

5. 【国際】米、追加利上げ見送りへ イエレン議長、最後のFOMC

FRBは30~31日に、金融政策を判断するFOMCを開く。2017年12月の前回会合で利上げを決めたばかりで、今回は金融政策の現状維持を決める見込みだ。2月3日に任期が切れるイエレン議長にとっては最後のFOMCとなる。金融先物市場では今回の会合で追加利上げに踏み切るとの見方は5%にとどまり、次回の3月のFOMCで利上げするとの観測が76%ある。FRBは18年に3回の利上げに踏み切るとする政策シナリオを公表しているが、市場はFRB議長が記者会見する3月を次回の利上げの時期とみる。この見方に異存はないが、僅か4年の任期のまま退任になるイエレン議長の金融政策は成功だったのか、失敗だったのか?判断するには短すぎる気がする。

6. 【企業1】シャープ、東芝のパソコン事業買収検討 鴻海の基盤活用、再参入へ

シャープが東芝のパソコン事業の買収を検討していることが29日分かった。両社は実務レベルで協議入りしている。東芝のパソコン事業は赤字が続き、てこ入れの一方で売却も検討している。シャープは2010年に自社製のパソコン販売から撤退したが、その後に親会社となった鴻海(ホンハイ)精密工業の事業基盤を強みに再参入を目指す。もしこれで新シャープによる運営が成功するならば、伝統ある日本の2社、すなわち東芝と旧シャープの経営陣のマネージメント能力について、ビジネススクールの良い研究素材となることであろう。

7. 【投資情報2】花王、前期営業益10%増  5期連続最高、初の2000億円台

花王の2017年12月期の連結営業利益(国際会計基準)は、前の期比10%増の2040億円程度だったようだ。従来予想の2000億円を上回り、5期連続で過去最高を更新した。2000億円の大台に乗るのは初めて。中国を中心に子供用紙おむつの好調が続いたほか、スキンケア関連など単価が高い製品がけん引。競争激化に伴う販促費の増加といったコスト増の影響を吸収した。子供用紙おむつは日本製の「メリーズ」を軸に中国販売が3割程度増えたようだ。決算発表は2月1日を予定している。18年12月期も6期連続の営業最高益を更新し、29期連続増配に踏み切る可能性が高い。