日々色々なメディアや媒体を通じて配信されている「市場コメント」や「相場解説」のたぐい。本当に投資をする上で役に立つのだろうか?と考えたことはありますか?徒に不安を煽ったり、心配事を増やしているだけでは無いですか?

普通、ファンドマネージャーなどは殆どそれらを読んだりはしません。確かに「みんな何考えてんだ?」と、どうにも自分が考える市場展開とちがう状況が続く場合は、原因を探るために読んだり、観たりすることはありますが、基本的に若葉マークのファンドマネージャー以外は読んだりすることは無いでしょう。

朝のマーケット番組なども、冒頭の海外市場の動向を解説しているNYからの中継部分だけは観たりしますが、あとは普通のニュース番組に切り替えてしまうことが殆どです。当然、それまでに気になる市況データはBloombergのマーケット情報などを使って、必要な数値などは頭に入れてしまっています。冬時間の間はNYの大引けの状況を確認する程度です。

一番大きな理由は「他人の相場観で自分の考えや見通しにノイズを混ぜたくない」からです。

市場に変化を齎すようなイベントやニュース、或いは経済統計などは、誰かのフィルターを通したものよりも、僕らは直接事実を把握した方がニュートラルな情報として咀嚼できますから。

「それはあなたが専門家だからでしょう?」という声が聞こえてきそうですが、決してそうではありません。基本となる理屈は、例えば誰かに知人を紹介して貰うような時、「あいつは良い奴(悪い奴)だから」と事前に聞いてしまうと色眼鏡を掛けたのと同じ状態になりませんか?それと同じことです。

先ずは自分で市場見通しが立てられるようになるまでは、寧ろ株価や為替、或いは金利水準など、真実は曲げようの無い事実の数値だけを何かの媒体を通じて確認し、素性の良くわからない「市場コメント」や「相場解説」の類は、なるたけ遠ざけておいて、「なぜだろう?」と考える練習を重ねる方が投資は上達することが出来るだろうと思います。

なぜでしょうか?その答えは大きく二つあります。

まずひとつめ。それは多くの市場参加者と同じことを考えていたら、或いは同じ思考回路を作ってしまっては、決して投資収益は上がらないからです。これを証明するような相場格言のたぐいが沢山あります。例えば「人のいく裏に道あり、花の山」もそうですし、ウォール街の「Buy when others sell; Sell when others buy」なども同じことを言っています。

「市場コメント」や「相場解説」の多くは、いわゆる「市場コンセンサス」と呼ばれる、或る意味「誰にでも分かるようなことを、もっともらしく説明」がされている場合が殆どだからです。多くの人が楽観的な時は耳あたりの良い明るい話題が、逆に多くの人が悲観的な時はそれを更に煽るような暗い話が多くなります。何故なら、共感を得ることで読者を増やし、部数や視聴率を稼ぐことが使命だからです。

更に言えば、たぶんこれは日本人気質とも言うべきものだと思いますが、ちょっと慎重そうな、悲観的に注意を促すような話の方が好まれる傾向があります。これは会社経営者のコメントにも表れます。日本企業の社長は慎重な見通しを語る場合が多いですが、米国企業のCEOは「ぜーんぜん、問題ないです。当社の将来を楽観しています」と話す場合が多いですよね。国民性なのかも知れません。

そうした「みんなと同じ考え方や市場分析」を頭の中刷り込んで、同じように考える癖を身に着けてしまうと、貴方の考える市場見通しは、いつも正に「市場コンセンサス」と同じようなものしか思いつかなくなってしまうのです。

その結果、何が起こるかと言えば「誰もが安心して買う時に買い、誰もが不安になって売る時に売る」ことしか出来ない順張り現象です。

投資は「安く買って、高く売る」のが大原則です。みんなと同じことをしていて「安く買って、高く売る」ことが出来ると思いますか?出来るわけがありませんよね。みんなと同じ思考回路を作ってしまっているのですから。

誰にでも簡単に手に入る「市場コメント」や「相場解説」のたぐいを利用していては、幾らディープラーニングをしても、貴方の頭の投資AIは「勝てる推論」を出してはくれないでしょう。

私はそれらを頭に入れるくらいならば「上がった、下がった」の結果だけ入手して「何でだろうな?」と常に考えているだけの方が、よほど投資は上達すると思います。何故なら、人間の脳は勝手にディープラーニングして推論するように出来ているからです。「何でだろうな?」と疑問に思っているだけで、その答えを見つけようとするからです。

もうひとつの理由は、間違った情報が大メディアの金看板の下で堂々と報じられることが多々あるからです。

実は先週もとんでも無い間違った解説記事が複数回あり、プレミアム会員向けの週次レポートの中では説明しておいたのですが、明らかな誤報と、アナリストやファンドマネージャーならば絶対にしない分析方法で市場を語る記事がありました。

昨今の日韓関係に関する報道などを見て頂いていれば、報道内容にも色々と癖があり、そのまま記事の内容を鵜呑みにするのは危険ということは感じられているかも知れませんが、こと資本市場、マネーマーケットの事に関しても「本当の専門家」以外の解説は「聞かない方がまし」という例が多々あります。

原因は簡単でふたつあります。まず「報道関係」の人はあくまで「報道の専門家」であって、「市場分析の専門家」ではないということです。政治の専門家が経済の事を語ると「???」と思う事が多いのと同じです。

もうひとつは多くの報道は「結論」が先に合って記事が組み立てられる場合が多いということです。通常記事には「○○投信のAファンドマネージャー」というように誰か専門家のクレジットが記される場合が多いですが、僅かあの数文字を語るだけのインタビューなんてある筈がなく、実際は延々と色々と説明したり、解説したりしている会話の中から、メディア側で利用し易い部分だけ、もっと言えば「言わせたかったコメントが取れた部分」だけが記事に載せられます。

もっと言えば、悲観論を書きたい時には悲観的な専門家を、楽観論を書きたい時には楽観論の専門家を選ぶことさえあります。昔「あ、そうだ。大島さんは今強気でしたよね」と、電話取材を途中で打ち切った記者さんに遭遇したこともあったぐらいですから。

だからこそ、誤情報や、バイアスの掛かった記事だと見分けがつけられるようになるまでは、客観的な事実、つまり数値以外は入手せず、先ずは自分の最も信頼おける頭脳AIをトレーニングする方が良いと思っています。安直に「市場コメント」や「相場解説」に触れることは、折角のあなたのAIを錆び付かせるだけなのかも知れません。

こういうと「それは素人には無理ですよ」という声が聞こえてきます。確かに客観的な数値だけ見て、あとは自分で考えろと突き放されているように思われたのなら、不安になるかも知れません。でも、大丈夫です。人間の脳はエヌビディアやAMDのAI用のGPUよりも、或いはインテルのサーバー用のCPUよりも、どんな人工頭脳よりも本来優れています。問題はトレーニングの仕方を間違えるか否かです。

それでも信じられない方は、是非、お金を払って正しい知識を身につける、或いは正しい道案内人を探してください。金融の世界には「騙し」が本当に多いのは残念な事実です。その代表例が「無料」というものです。一番人件費コストが高い金融業界が、人と手間を掛けて無料のサービスをボランティアで提供する筈がありません。最も資本主義を理解した人達の業界ですから。

だから、まずはご自身のAIを信じて、ディープラーニングをして、トレーニングをされることをお薦めします。勿論、いつでも必要があれば、Fund Garageがお手伝いをします。

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