こんにちは。取崩し運用の記事を担当しているBSA株式会社の中澤です。

2014年4月から始めた元本1000万円の分配金受取運用のシミュレーションは、2019年8月末現在で、分配金の受取累計は2,054,726円(税引)になりました。概ね想定通りの受取りが継続できています。

8月の組入れ証券の騰落率は以下になります。

8月は円高のため外貨建て資産は円ベースでは下落しました。一方米国金利の引き下げがあったので米国投資適格債は円高を上回る上昇をしました。

退職金の運用で資産寿命を延ばすには、当シミュレーションのように資産運用をしながら取崩しや受取り(配当や分配金)をしていくことが必要です。今月は最近残高が増えてきている定率分配型ファンド、目標分配型ファンドについて整理してみます。

定率分配型ファンドとは

定率分配型ファンドとは投資信託の運用成績とかかわりなく定期的に決まった金額の分配金を払い出すタイプの投資信託です。今後退職金を受取る人が増える中注目される商品になる可能性があります。

分配頻度は毎月や隔月(公的年金が出ない月)というもの多いですね。

資産を運用しながらその果実と必要に応じて元本を取り崩すということは、今後の長い老後の期間を考えると一つの大きな選択肢になるのではないでしょうか?

例えば「3%払い出し型」と書いてあっても、間違いなく殖える金額ではなく、あくまでも払い出しの額であることは言うまでもありません。

判断のポイントは?

アセットアロケーションを確認する

分配金を受取るタイプでも、受取らずに資産の増大を目的とする場合であっても、資産配分(株式、債券、リートなどの比率)によってそのポートフォリオの性格、常識的に期待できる収益とリスクが決まってきます。

いくつかの商品を見てみると予想通り、高利回りの債券や高配当の株式などを組み合わせているもの印象です(当シミュレーションと同様の考え方)。

ただ少し以外だったのは株式100%のファンドで目標払い出しをするタイプがあったことです。高配当株とは言え、株式ファンドなのでそれなりに大きな値動きがある、という事を理解(覚悟?)の上購入する必要があります。

また目標としている分配金の水準が資産配分からみて高額な場合、元本を取崩していく、という事を理解してく必要があります(必要であればマイナスでの元本の取崩し自体が悪いとは思いませんが)。

下図は目標分配金を表示しているファンドの一例です。このファンドは世界の高配当株に投資するタイプです。

毎月決算タイプは一年で1,128円が目標ですから約10%(基準価額が約12,800円なので)、年2回決算タイプは年610円の5%が目標です。

運用レポートを見ると、組入れ銘柄の配当利回り4.3%という記載がありますから、年2回決算タイプだと株式の値上りが少しあれば元本が上下するなかで分配金を受取っていくイメージになります。

一方、毎月決算タイプの場合は、株式が配当と別に6%程度値上がりしてくれないと元本を取り崩していくことになります。

退職金の運用では元本の取崩しそのものが悪いわけではありませんが、元本の推移と受取り分配金のイメージをしっかり持って購入の判断をしていただきたいと思います。

他の選択肢と比較する

運用しながら分配金、配当、利子などを受取る、必要に応じて元本を取り崩す、という運用は定率分配型のファンドを購入するだけが方法ではありません。

他の方法と、手間、コストなどを比較して検討することが大切です。特に退職金の運用は、投資期間やその後の収入が現役時代に比べて少なくなることから慎重に検討することが大切です。

以下比較検討する方法になります。

国内ETFを利用する

当シミュレーションでご覧いただいている方法です。ETFの特徴は以下になります。

  1. 組入れ証券の配当や利子のみを分配に回しますので価格の上下はありますが元本の取崩しはありません。
  2. 保有コストが低い(手数料が低い)。一般に定率分配型投資信託の信託報酬は、1%~2%です(上記高配当株式ファンドは約1.9%)。それに対してETFの場合は、0.1%~0.5%程度です。期待できる運用収益が同じていどなら年1%以上のコスト差は大きいと思います。
  3. 国内ETFの場合には組み入れたいアセットクラスが無い場合がある。日本ではETFはまだ一般的ではなく、品ぞろえが十分とは言えません。
  4. 流動性が低い。購入している人が少ないので、一部商品を除き出来高が非常に少ないという問題があります。
自分で定期解約する

2番目の方法は分配金をうけとるのではなく、その分を自分で解約する、という方法です。

分配金も解約も事実上は同じです。さすがに毎月だと慌ただしいので半年に一度程度決まった金額や率を自分で解約しても効果は同じです。

自分で定期解約する場合のメリットは、コストになります。ローコストのインデックスファンドを利用して自分で解約の手続きをすればポートフォリオの信託報酬は0.5%以下になるでしょう。

一方デメリットは、値下がりしているときに解約できなくなるかもしれない、という心理的なものです。乱暴な言い方をすれば、「あと●●年お金が持てばよいのだから損でも得でも解約するんだ」、「定期分配だって結局マイナスの時も強制解約しているんだから同じだ」、という気持ちが持てる方、自分でネット等で手続きができる方は検討しても良いかもしれません。

ドル建てETFを利用する

1の国内ETFのデメリットは商品の種類と流動性(出来高)でした。一方アメリカで上場しているETFは種類も豊富で、流動性も十分にあります。

ネット証券などを利用できれば、ごく少額の手数料で直接NY市場に買いに行くことができます。

ただし支払われる分配金は米ドル建てになりますから、分配金の支払時期によって円ベースでは金額に違いが生じます。

 

退職金などを運用しながら取り崩すという同じ目的であってもその方法は色々と考えることができます。手間とコストを比較しながら検討してはいかがでしょうか?

あなたの株式投資や投資信託選びが変わります
株式投資や投資信託でお金は殖やしたい、でも損はしたくない。どうすれば良いだろう?

Fund Garage を活用して、成果につながる株式投資の方法失敗しない投資信託の選び方を身に着けてください。私たちの経験や知識をできるだけわかり易くお伝えしますので、もう金融商品選びに迷ったり、販売を目的とした営業パーソンのお勧めに煩わされることはありません。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事