7月17日と18日の両日、東京ビッグサイトで同時開催されている「5G/IoT通信展」、「光通信技術展」、「映像伝送EXPO」及び「4K・8K映像技術展」に行ってきた。私がこうしたビジネスショウへ足繁く通う理由は、証券会社のアナリストレポートやメディアの報道では得られない情報をボトムアップで収集するためだ。

今朝(18日)の日経新聞朝刊マーケット総合面の「スクランブル」には「個人どこへ?閑散相場 スター銘柄不在、IPO株低迷」という記事が掲載されていた。どうやら4~6月の個人売買代金はアベノミクス相場が始まった12年10~12月期(31.2兆円)以来の低水準となっているらしい。

個人投資家の売買が細った最大の理由は「(確かな)情報不足」だと思う。こうしたビジネスショウへ足を運んでいつも痛感することだ。「高度情報化社会」などと言われて、インターネットの普及で誰もが簡単にどんな情報にでもアクセス出来るようになったのは事実だ。だがその中から確かな情報源を選択し、適切に解釈する能力は誰にでもあるわけではない。

その好事例が「老後の2000万円問題」だろう。一流の政治家やメディアでさえ、今もって金融庁の報告書の意図を正しく理解しているとは言えそうもない場合がある(意図的だとしたら、それは余計に始末が悪い)。


1.ビジネスショウは情報の宝庫だ。

まずイベントのタイトルそのものが、何のテーマに関連する企業が出展に来ているのか一目瞭然。上記のイベント・タイトルなら、食料品メーカーがまず居ないことは想像に難くない。

また、こうした同時開催ならば、どうしてこの4つのテーマのイベントが同時開催されているかを考えるのも大事な投資のヒントになる。各出展企業は、そのテーマに沿って「自社製品で今こそ外部にアピールしたいモノ」を、わざわざお金を掛けて展示し、説明員を張り付け、プレゼンテーションをしている。目的はビジネス・マッチングなのだから。正に湯気が立ちそうなほどホットな情報の宝庫だ。

2.ビジネスショウには最新の「旬」のモノが展示される。

リアルに「旬」なモノが並ぶ。陳腐な出展は参加者や他の出展社から馬鹿にされるだけだからだ。そんな無駄なことを企業はしない。出展されるのは、正に「今が旬」若しくは「これから旬」、或いは「何とか旬にしたい」と企業が考えている段階のものだ。開発中のものをマーケティング・リサーチとして展示する場合もある。企業が新しいアイデアや技術について、市場の反応、感触を確かめるためだ。これが見れた時は超ラッキーかも知れない。

3. ビジネスショウには企業の自信作、自慢のモノが出展される。

何故なら、隣のブースは競合他社の場合が多いからだ。隣接するブースの出展品に比べて、情けなく見劣りするモノを並べるぐらいならば出展しない方がましだ。単なるレピュテーションリスクでしかない。

「どうだ、凄いだろう」と言いたそうなモノが、必ず出展されている。下の写真、光通信の分野で競合どうしだが、確りと向き合ってブースが出展している。ミニプレゼンテーションの開始時間を10分だけずらしてあるのがお分かりいただけるだろうか?でも、競合2社が殆ど同じ用途の機械をミニプレゼンテーションでデモンストレーションしていた。

4.ビジネスショウは業界動向や方向性を確認するのに役立つ

いくつかの出展ブースを回れば、少なくとも業界がどの方向に向かって行こうとしているのか直ぐ分かる。

A社とB社が真反対を向いていることはまずない。奇しくも、上の写真の両社が実演していたのは、光ファイバー同士を融着する機械のデモンストレーションだ。なぜ今、光ファイバー同士の融着やコネクターが脚光を浴びるのか?「光ファイバー同士の融着」自体は、既にラスト・ワンマイルが光ファイバー化した時に、家の中に引き込む時でさえ使われていた。そんな当たり前のもののようにも思うものを何故、もう一度今展示するのか? 答えは下の写真にある展示にあった。

5.ビジネスショウは実物を見るチャンスだ

自分が投資している会社、投資しようと思っている会社が「何をしている会社」なのかを見てみたいと思ったことは無いだろうか?

クルマや家電品ならばディーラーや家電ショップに行けば実物を見ることが出来る。でも普段人の目に触れないものならばどうか?

上の写真を見て欲しい。これが光ファイバー同士の融着用機器のデモンストレーションが行われていた理由でもあるのだが、今話題のデータセンタでは、サーバー同士などのネットワーク接続に光ファイバーが使われ始めている。その量たるや莫大なもので、光ファイバー同士の融着はこの為のコネクターを付けるため。実際に光ファイバーがサーバー・ラックで使われる様子がこんな風に展示されている。ちょっと前までは普通のLANケーブルだった。

また下の写真は、日本企業で5G関連と言うと検査機としてよく名前があがるアンリツのブースだ。各ネットワークのどの部分で、どんな機械が使われるのか、実機が並び、説明員が張り付いている。質問すれば丁寧に色々と教えてくれる。

6.ビジネスショウは未来を教えてくれる

モーターショウでは、必ず「未来のコンセプトカー」が展示されるものだが、こうしたややマニアックなビジネスショウでも、業界の一歩先の話も分かり易く説明されている。例えば、下の写真のパネルがそれだ。小さく見えているが「NEC’s activities toward Local 5G era」とある。

日本ではまだ公衆5Gさえも始まっていないのに、もうローカル5G時代などの話が始まっている。こうしたパネルにも多くの情報が集まっている。

7.ビジネスショウでは多くの無料カンファレンス/セミナーに参加できる

例えばIoTIoTが「Internet of Things」の略語だということは周知の話かも知れないが、実際に何がどうやって、どう繋がって、何が出来るのかとなるとリアルな想像は難しい。

せいぜい「冷蔵庫の中身が出先のスマホで分かり、AIがそれらの材料で作れる今晩のメニューを教えてくれる」などと言ったところまでが一般の人が想像する限界かも知れない。ビジネスショウでは、多くの無料カンファレンス/セミナーに参加することで、時に目から鱗が落ちるように「なるほど」と思える話を聞くことが出来る。その一例が下の写真。

LPWA とは「Low Power Wide Area」の事だが、IoTの実際のいろんな用途を考えたカンファレンスとして、5Gとは真逆の性格のLPWAが開設されている。図は鉄道IoT Working Groupに関するスライド。その保守メンテナンス、定期点検には常時接続の超高速通信は当然不要だ。

まとめ

かつては、こうしたビジネスショウからのフィードバックやレポートは、多くの証券会社のアナリストレポートなどで紹介されていた。またこうした場がアナリスト達の情報源でもあった。

しかし外資系証券会社を筆頭に、日系証券会社でさえも株式関連の調査部門は縮小し、そもそも証券会社の絶対数が激減してしまった。結果、こうしたボトムアップ・リサーチで得られる情報レポートの類は殆ど世の中から消えたとも言える。(最近は運用会社が発行したりもしているが・・・)

「米中貿易摩擦問題」、「米国FRBの金融政策動向」、或いは「中東情勢」などが市場動向に影響があるのは確かだ。金利が動けば為替も動く。だが株価を動かす基本は企業収益だということを忘れてはならない。企業収益はビジネス活動によって作られる。そのビジネスを知らずして、個別企業の株価は見通せない。

もし、四半期決算をチェックするだけでその企業のビジネスの本質が分かるならば、投資機会は年に4回しかないことになる。更に言えば、四半期決算を都度解析するのも容易い話とは思えない。内容的にも、その手間の問題も両面で難しい。

実はここまでお奨めしながら申し訳ないが、ビジネスショウに行くことだって、まずは時間的制約で多くの人にとっては簡単な解決策とは言えないのかも知れない。仮に時間的制約は何とか出来ても、正直な話、行き慣れていなければ敷居が高いのも事実だと思う。

Fund Garageでは、そんな皆さんの代わりに私がビジネスショウに行き、四半期決算を解析し、ポイントを整理し、或いは見るべきポイントの解説を加えてメルマガ(プレミアム会員向け)をお届けしている。ビジネスショウを選んで、少人数制でツアーも開催している。より多くの方の投資収益向上に貢献出来ればと切に願って。

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