本稿は5月にPremium会員限定レポートとして配信したものを若干加筆修正したものです。Premium会員限定レポートとはどんな内容か、垣間見て頂く為に公開します。

インテルの現状からのインプリケーションを考える

昔からインテルを見てきた者として言えることは、インテルは必ずや現在の窮状を乗り越えることが出来るだろうということだ。ただ、それは今日や明日の話では無い。10㎚の新しいCPUを2019年のホリデーシーズンにはリリース出来ると言っているが、それが事実だとしても少なくとも半年近くは世の中の構図は大きく変わらない可能性が高い。

誰が漁夫の利を得るのか?

誰が漁夫の利を得るのか考えるのが、ある意味では投資の醍醐味である。マラソンのトップランナーの集団の中で、トップが万が一つまづいて倒れたとしても、誰かが必ずトップに躍り出るものだ。今回の場合、トップは倒れてはいないが、辛いレースを必死に戦っていることだけは確かであろう。

まず直接的に考えられるのは、下記の3パターンの漁夫の利であろう。

CPUに無い、GPU機能を補完するのは誰か?

形式番号の後ろにFがついているGPU非搭載のモデルを使う場合、必ずグラフィックス・カードが必要となる。これを作っているのは、現状は世界で2社しかない。
(エヌビディア(NVDA)、アドバンスドマイクロデバイシズ(AMD))

パソコン向けCPUを補完するのは誰か?

グラフィックス・カードを利用しないGPU搭載のCPUを作っている会社
(アドバンスドマイクロデバイシズ(AMD))
非インテルのCPUを敢えて志向するOEMやユーザー向けCPUを作っている会社
(ARM(ソフトバンクグループの子会社)、Samsung(韓)、Qualcom(QCOM))

サーバー向けCPUを補完するのは誰か?

現在、Amazon、Googleなどが自社クラウド用サーバのCPUを開発中(12月追記:どうやらARMの技術を使ったCPUを開発が終わったようだ)

そして、もうひとつの漁夫の利は、半導体製造装置メーカーである。少なくとも、インテル自体が設備投資の手を休めるわけにはいかないことを強く認識したと思われる。よって、いずれかのタイミングで建屋を含めた製造能力の増強に出ると想像するのは当然のことだ。だとすれば、半導体製造装置メーカーは少なくとも恩恵を受ける筈。それも最先端技術での製造を可能とする、既にインテルと昵懇の中の半導体製造装置メーカーである。

14㎚から10㎚への移行を考えると、大きく必要なのは前工程である。ウェハ処理後の後工程については、社内である程度横転用も可能と考える。

主力の半導体前工程の製造装置メーカー(インテルと仲良しということも踏まえ)

(アプライドマテリアルズ(AMAT)、東京エレクトロン(8035)、ASML(蘭))

主力の半導体製造請負企業

インテルは自社ファブだけでの対応では需要に追い付かないと考え、よりファンダリーの利用を促進するようだ

(台湾積体電路製造(TSMC))

多くの部品や素材メーカー

新しいファブを作って稼働させるとなれば、半導体製造装置以外にも半導体製造に必要な多くの部品や素材が新たに必要となる。

 

パソコンのCPUの高性能化も、サーバー用CPUの高性能化、省電力化、低発熱化といった技術トレンドへの要求は強まることはあっても止まりはしない。それこそ右肩上がりのビジネストレンドであり、人間の限りない欲望を満たすのに必要だからである。

正直、今この瞬間においてその答えを提示することは出来ないが、こういう技術的な問題で何かがスタックした時、実は歴史的に考えると必ず何かの代替案や、その立ち止まりが故に産み出される新しいニーズが必ずあるものである。

Windows7のサポート終了を来年に控え、パソコンの買換え需要は多少なりとも見込まれる中で、肝心なCPUの供給が足りず、データセンタとパソコンの間で引っ張り合いになれば、きっと何かが生まれるのではないかという期待も生まれる。今はその可能性にも注意を払っておきたいものである。

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