かなり長いこと、具体的に言えば15年以上もの間、私は株式投資に前のめりにはなれなかった。勿論、小さいな波はあったし、またリーマン・ショックの直後のような時は、所謂「リスク資産がすべて割安すぎる」という感覚から「買い」だと思ったことはあったが、基本的には「弱気の中の強気」の域を出ることは殆ど無かった。

 

ただその私をして「株は今が買い」と言えるわけは、長いこと資産運用ビジネスに関わってきて、何度かしか経験したことが無い「未来へのワクワク感」があるからだ。「今」と言っても、それは今来週中とか、この数か月というような短い単位の話では無く、もっと長いタームの話だ。

 

90年バブルの時は、実は「未来へのワクワク感」など無く、ただ「上がるから買う、買うから上がる」という世界の中に放り込まれてファンドマネージャーを務めていただけ。当然その後、バブル崩壊が起こってしまった。

 

最初にワクワク感を感じたのはInternet ExplorerをバンドルしたWindows98がマイクロソフトから発売された頃だ。当然それ以前からインターネットは始まっていたが、それはパソコン通信の延長線上のようなものだった。でもやっとそれがマニアの間だけのものでなく、多くの普通の人が使うようなものとなり、実際に多くのWebページが誕生し、電子メールが始まり、また検索エンジンによって「これで百科事典は要らなくなるな」と知識を世界中から自由に得られるようになったなと思えた頃だ。地球上から「物理的な距離と、時差と、国境がなくる」と感じられた頃だ。

 

その流れは間違いないもので、やがて情報通信革命と呼ばれて世の中の仕組みそのものを大きく変えていった。携帯の登場やスマホの誕生などもその流れの延長線上だが、実は時々投資対象を探す作業に「飽き」を感じたし、出てくる新しい技術にもワクワク感は無く、「○○の延長線上のものだな」とか、「あの不具合や不満を解消しただけだな」という小さな変化に納まるようになった。職業として銘柄探しは延々と続いていたが・・・・。

 

その間にITバブルはやはり崩壊し、金融ショックや地政学的リスクなどと呼ばれるものの具現化で、株式市場は予想通り、何度も上下に大きく振らされた。でもその都度、2番煎じ、3番煎じのようなものに、大仰な理由をつけては「買いだ」と思うようにもしてきた。

 

しかし、Windows98の誕生から約20年が過ぎ、その延長線上にあるものに「飽き」を禁じ得ないで過ごした長い時が終わり、今、再びとても「未来へのワクワク感」を感じる流れが萌芽し始めていることを実感している。だから「株は今が買い」だと素直に思ってしまう。

 

それを裏付けるものが、次に掲げる3つの右肩上がりのビジネストレンドだ。

 

注目の3つの右肩上がりのビジネストレンド

  1. 自動車のCASE
  2. G
  3. エッジコンピューティングやIoT

 

 

3つのビジネストレンドを掲げたが、一番大きな流れは「自動車のCASE」かも知れない。だがこれらが全てゴールに辿り着く頃、人々の生活は現代と再び大きく変わっているだろう。Windows98が登場してからの20年間で起こったことのように。

 

高齢化社会や労働人口の減少などと言った先進国社会問題も、これらのテクノロジーとそこから出てくる派生的な産物で、多くのことが解消に向かうだろう。介護問題などもそのひとつだ。

 

CASEの四つの要素のうち、どれが一番最初にゴールに辿り着くかはまだ誰にも分からない。何故なら、自動車の装置/装備に要求されるクオリティーは、民生電気のようにトラブルが起こったり、プログラムにバグがあったりすれば、それは人命に関わるからだ。「再起動してください」と言うレベルの品質では駄目だからだ。

 

でも、こうした「未来へのワクワク感」がある時こそ、株式投資が面白くなり、投資で収益を大きく上げるチャンスだ。時間軸もかなり長いものになるだろう。

 

今もし現役でファンドマネージャーをしていたら、20年振りに訪れたこの「ワクワク感」に狂喜乱舞しながら、時間を忘れて投資活動をしていただろうにと、残念に思う今日この頃である。

 

 

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