先日のセミナーでいただいた質問です。

何をもって確実と言っているのかがこれだけではわかりませんが、確かに米国の国債は安全資産と見做されることが多いのは事実です。

でも注意をしないといけないのは、無リスク資産では無いという事。まずはどのようなリスクがあるか整理してみましょう。

債券である以上、償還までの期間がある

通常米国債と言えば10年国債を指す場合が多いと思いますが、10年の長期金利は当然景気動向や債券市場の需給、或いはFRBの姿勢によって上下に変動します。

金利が下がれば債券価格は上がりますが、金利が上がれば債券価格は値下がりしてしまいます。そのリスクは米国債といえども背負っています。

現在米国10年債の金利水準は概ね3%程度ですが、歴史を紐解けば米国の長期金利の平均値は6%以上。つまり今の2倍です。仮にクーポンが3%で償還まで10年ある債券は、金利が1%程度上昇すると価格が約7.3%程度値下がりしてしまいます。

償還を待たずして、金利が上昇しているときに資金が必要になった場合には、債券といえども大きなマイナスになることを忘れてはいけません。

先日、この金利が3%に急騰したと言って株式市場の急落を誘発しましたが、その意味ではまだまだ「たかがまだ半分の3%」ではあります。因みに、金利は景気が良くて、物価上昇が見込める状況で上昇します。景気が良いという事は、基本的に株式には追い風の話です。

 

為替のリスクについてはどう考える?

そしてもうひとつ大事な話が、米国債に投資する人は誰なのか?ということです。

もし「畳の上で最期を迎えたい」と思っているのならば、つまり完全に米国に移住しようと考えているのでなければ、お葬式代から相続まで、すべてが円ベースの話になります。

その時、ドル資産を持っていることにはメリットも当然あるとは思いますが、デメリットもあります。

つまり為替です。

将来の為に10万ドル(現在ならば1,130万円前後時価評価)を米国債に投資したとします。現状の金利は約3%。10年後には3万ドル程度の金利が付くので13万ドルが元金(利息に掛かる税金は考慮せず)になっています。

もしその時に為替が約87円の水準まで円高になっていると、その利息分は全て為替差損で無くなってしまいます。利息に掛かる税金、外貨両替手数料などまで加味すると、その水準は90円台までの円安に変わります。

そこまで極端な例を出さなくても、円高になればなるだけ、それだけ米国債の利回りは、日本円から投資する人にとっては見た目よりも低いのと同様になってしまいます。

勿論、逆に円安になればその分メリットになるのですが、為替の変動要因、ましてや10年、20年先の水準と言うのは“為替の専門家”を自称する人たちでもまず正確な予測は難しい(殆ど当たったことが無いことを歴史が証明しています)話なのですから。

 

円だけで持っているのは不安な場合は?

でも「日本円だけに投資しているのは不安だ。他通貨にも分散投資をしておいた方が良い筈だ。」とお考えになる方が数多いらっしゃるのは良くわかっています。実際、バークレイズのプライベートバンクで投資ソリューション・チームのヘッドをしている時も、プライベート・バンカー達からよくこの質問を受けました。

心情的にはその意味も分からなくはありません。ましてや「日本国債暴落」とか、「円が紙切れになる」などというキャッチ―な言葉が時々メディアなどで取り上げられるから尚更です。

しかし、もしきちんと国際分散投資を各アセットクラスにわけて行っていれば、通貨アロケーションを考える必要は無いというのが正解です。国際分散投資については、またあらためてお伝えさせて頂きます。

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