このリスクリターンの説明、リーガルには問題ないのかなぁ? 連載・新入行員諸君番外編

連載・新入行員諸君の番外編

問 題:下記の図は、某大手証券会社のファンド選択の為のアンケート問題に掲示されるチャートを画面コピーしたものです。リスク・リターンの関係から見て、お客様に説明する資料として適切かどうか答えなさい。

1. 「期待リターン > 期待損失」の式は成り立つのか?

正  解:プラスとマイナス側が一致していません。概ね期待損失の2倍の期待利益があるようなイメージ図になっています。

きっと「一年間投資した場合に、こうだったら良いなぁ、という夢のような状態を選んでください」意味だと思うのですが、このあと数問で「貴方に合っているのは○○○○ファンドです」とご託宣が下ります。FBによくある性格当てクイズみたいな性格のものでは無い筈です。

2. 販売手数料と信託報酬は何処に行った?

販売手数料の掛からないノーロード型なら別ですが、普通は初年度は販売手数料がマイナスになります。100万円の場合だと、2~3万円程度でしょうか。更に信託報酬が概ね1万円前後。合計すると3~4万円程度は初年度の経費となります。

3. 完全無欠の損しない、儲けだけの運用があるのか?

だとすると、一番左のファンドで言えばマイナス分は殆どコストに見合ったしまうので、運用では初年度は期待損失は殆どないことになります。そしてリターンの方は9万円から10万円相当ですから、年率10%の運用が可能という事になります。右に行くほど、夢のような世界が広がります。

現在のリスク・フリーレートは、無担保コールの翌日物がマイナス0.028%、新発の日本国債10年物が0.055%とほぼゼロですから、期待リターンの全てが超過収益という事になります。

フィディーシュアリー・デューティー宣言もされているこの時代、こんなシステムを使って、顧客を勧誘しても、リーガルには問題ないのでしょうか?私は問題だと思い、敢えて「連載」新入行員諸君‼」の番外編として綴らせて頂きます。