長官解任で深まるワシントンの疑惑

ウォーターゲート事件と言えば、ロバートレッドフォードとダスティンホフマン主演の映画を思い出すが、就任直後、イスラム圏からの入国制限令に抵抗したとしてイエーツ司法長官代行も更迭した経験を持つトランプ大統領が、今度は10年中6年の在任期間を残したコミーFBI長官を解任したことは「ついにやっちまったな」という印象を拭い切れない。立法介入ならばまだ説明できそうなチャンスもあるが、大統領が権力任せに司法上曽部人事を感情任せと取られかねない行為をするのは、あまりに無謀に思う。
もし、FBI長官解任の理由が、全く先の大統領選挙と関係ない事件に絡んだ采配ミスなどを糾弾するためのものであったら、少なくとも史上二人目の解任されたFBI長官を作る決定でもとやかくは言われなかったかもしれないが、「ロシアゲート」と揶揄されるほど、先の大統領選挙に直接関わる事件の采配についてであるから、これは益々塩梅悪いことになりそうだ。
米国は大統領選挙のあと、政府機関の上層部も一斉に入れ替わりが行われるが、現時点ではまだ新任が決まっていないポストも数多ある上に、ホワイトハウス内はトランプ一家の身内(他になり手がいない)で固めている状態。この状態も前代未聞であることは確かだ。
今回の件をきっかけに、トランプ大統領はニクソン元大統領に次いで、辞任に追い込まれる可能性は決して低くないだろう。ただ大統領そのものについては、副大統領がそのまま残りの任期を全うするのと、議会は大統領とは別にきちんとワークするので、大統領選挙前のレームダック状態より酷いことにはなるまい。寧ろ、そうなれば政府機関の上層部も決まって来る筈なので、悪くない話ではある。
ただ問題なのは、辞任するまではトランプ大統領が世界最強の米国軍の最高指揮官であることだ。マスコミの目を拡散させるために、何かを始めてしまうかも知れないし、その匂いがしなくもない。
最後に、しかしそれにしてもなんでこうもTwitterでだけコメントするんだろう。やっぱり米国大統領たるもの、オーバルオフィスの星条旗の前、若しくはきちんと普通のホワイトハウス内のプレスルームから、自らの口でコメントすべきに思う。