IFAという職業(その1)

あなたはどんな掛かりつけ医の先生に診て貰いたいですか?有名な大学病院の先生ですか?名医として名高いお医者様ですか?きっとそのどちらも間違いでは無いと思いますが、あなたがお医者様にまず期待するのは「自分の症状の話をよく聞いてくれて、丁寧にあなたの風邪や病気のことを解説してくれて、納得のいく治療方針を示してくれて、そして健康体に戻してくれる」ことではないでしょうか?もし、掛かりつけのお医者様のところで荷が重い(検査や手術、或いは入院など)と分かれば、そのお医者様が連携している大学病院や大きな総合病院をきっちりとご紹介頂ける先生ならば、まずは何でも相談に行けると思います。

本当はお金の話も同じではないですか?お金の悩みは何も“お金持ち”の人に限った話ではなく、ごくごく普通の人でも、誰もが風邪をひいてしまうように本当は持っているものです。そんな時、もし掛かりつけ医のような存在の人がいたら便利だと思いませんか?

例えば「ちょっと家のリフォームをしたいのだけど、どうやってお金を借りたらいいのか?」みたいな話もあるでしょうし、「ボーナスが少しだけ残ったけれど、銀行預金にしておけばいいのか?」みたいな大袈裟な話ではないけれど、ちょっと誰か専門家に聞いてみたい話はまず日常的な話。勿論「家を買いたいんだけどどこの住宅ローンが良いのか?」或いは「退職金が入ったけれど、こんなまとまったお金をどうしたら良いんだろうか?」と言ったような人生の間に一度か二度起こる話。または「相続が発生してしまったんだけど、どうしたら良いんだろうか?」若しくは「自分の相続の話では家族に迷惑をかけたくないが、どうしたら良いんだろうか?」など、人間は誰しも必ず亡くなるという避けては通れない問題に絡んで発生するお金の話など、大なり小なり、貨幣経済の中で生きている限り、必ず誰もがお金のことについては何らかの悩みを抱えている筈なんです。

これらとは全く逆の立場で、最近では若い頃から老後の生活のことを考えて「どうやってお金を貯めたら良いのか?」という悩みや、或いは、このままの状態で老後を迎えても大丈夫だろうかという、将来不安にかかわる悩みだってあるだろうと思います。

そうした悩みや相談事に答えてくれる掛かりつけ医、ホームドクターのような存在が、ファイナンシャル・アドバイザーと呼ばれたり、ファイナンシャル・プランナーと呼ばれたりする職業の人たちです。

こういう肩書を名刺に持つ人には、大きく分けて2種類のタイプがあります。ひとつは金融機関、すなわち銀行や証券会社、或いは保険会社に勤めてその職務についている人たちです。そして、もうひとつがこれからご説明する、特定の金融機関に所属しないで、独立した形でこの職務を行っている人たちです。多分前者の人たちについては、古くから日本の金融機関にある職務ですから、例えば「野村の証券マン」とか、「三井住友銀行○○支店の外回りの人」などと、多くの人が馴染みがあるだろうと思います。ただ後者については、残念ながらまだあまり一般的な職業とはなっていません。

その中で、独立系のファイナンシャル・アドバイザーのことを、”IFA”、すなわちIndependent Financial Advisorの頭文字をとって”アイ・エフ・エー”と呼び、まだまだゆっくりとしたスピードですが、徐々に日本中に拡がっていっています。実はこの職業、欧米では極めて身近で一般的な職業なのですが、まだ日本には約3,500人程度しか居ません。だから「IFAです」と名乗っても怪訝な顔をされてしまうのですが、実は今申し上げたように金融業界の内外から非常に注目されている職業になりつつあります。謂わば、正にお金の関する「掛かりつけ医」或いは「ホームドクター」のことなのです。

(その2に続く)