パッシブ運用の試金石

ウォールストリート・ジャーナルの記事にもあるが、MSCIが、新興国の株式を対象とする MSCIエマージング ・マーケット・インデックスにアルゼンチン株式を組み入れるかどうかを20日に決める。それに先立つこと19日には、アルゼンチン中央銀行が短期中銀債190億ドル(約2兆1000億円)の借り換えを行う。投資家が見向きもしない場合には、金利が40%でもアルゼンチンペソに対する十分な信認がないことが判明する。アルゼンチンの経済状況については、敢えてここでもう一度説明することもないであろう。

問題は、もしMSCIがアルゼンチンをMSCIエマージング ・マーケット・インデックスに組み入れることを決めた場合だ。その場合、同国のファンダメンタルズ分析とは別のところで、インデックス組入国の株式だからということで、機械的に同指数をベンチマークとして運用しているパッシブ運用の資金が大量に同国株式市場に流れ込むことになる。

勿論これが呼び水となって、同国経済が回復するようなことになれば、パッシブ運用の資金が恵みのなんとやらになり、更に株価は上昇することになるであろう。しかし、そうならない場合、振り向けられた資金はどうなるのかだ。

パッシブ運用についてよく言われる議論としては、良いものだけではなく、何もかもに資金が振り向けられ、時にゾンビ企業の株式まで買い上げるため、市場の選別機能が働かなくなるというのがある。正に国ベースでみた場合の典型的な出来事がこれから起こるのかもしれない。

それを良いと思うか、悪いと思うかは各投資家の自由だが、アルゼンチンをMSCIが組み入れるのかどうか、パッシブ運用の大きな試金石となることだけは間違いない。

今週はアルゼンチンが通貨・国債の大幅に落ち込んだ状況を脱することができるのかを占うイベントを控えており、投資家の注目が集まっている。