FANGとMANTと見て想うこと

FANG銘柄とMANT銘柄

このFANGとMANTと聞いて、直ぐに銘柄が浮かんだ人は特にこの先を読む必要は無いかも知れない。ただ、それぞれが何の会社で、何をしている会社かが即座に浮かばない人は要注意。

これは今の米国株式市場をリードしている代表的な銘柄で、外国株式が欲しいと興味を示せば、十中八九、証券会社の営業マンは推奨銘柄として挙げて来るであろう銘柄である。

FANGとは、Facebook、Amazon、NetflixそしてAlphabet傘下のGoogleの事である。一方、MANTとは、Microsoft、Apple、NVIDIAそしてTeslaの4銘柄の事である。さて皆さん、この8つの内、何個の銘柄を正しく認識されているであろう。名前を知っているだけでは、株式投資をする身としては何とも情けない。ましてや投資しようと思っている、投資している、投資経験があるというのならば尚更である。ただ、正直な話、筆者の経験から言わせて貰えば、実は曖昧な知識のままにこれらの銘柄に臨まれている投資家の方が多いというのが事実では無いだろうか?それはこれらを顧客に薦める営業マンにも言えることである。営業マンは時に非常に不勉強でもあるから。

実は実生活にも身近な銘柄たち

これら8つの銘柄の内、普通の個人の人にはその製品なりサービスが縁遠い可能性が高いのはたったひとつ。そうMANTの最後、Teslaだけである。勿論、個人投資家として株式購入をするような富裕層であれば「Tesla、乗ってるよ」と言われる人も数多いる可能性はあるが、流石にトヨタのPriusやAquaを買うのと同じ感覚で買える金額帯では無いのでそれは仕方ない。

ただ残る7つに関しては、既に身近にある、若しくは利用していると誰もが言ってもおかしく無い銘柄なので、敢えて問い掛けてみた。筆者はかつて、日本でMixiが上場して大賑わいとなった時、その多くの人がSNSを知らないのに購入しているという現実に驚いたことがある。老婆心ながら、株を買う時、その会社が何をしているのか、どうしたら、どうなったらその企業の収益が上向き、株価が上がるのかをきちんと理解しないで買えることに、驚きを超えて恐ろしさを感じてきた。現地に赴いて企業調査をしろと言っている訳では無い。

FANGの方がより身近で分かり易い

たぶんFANGの方がより身近かも知れない。ただNetflixで動画配信を見ているという人は、まだまだ日本では少ないのではないか?AmazonTVは既にそれなりな地盤を日本でも築いていると思われるがNetflixは、それだけの単独サービスなので、若干不安が残る。YouTube、U-NEXT、Hulu、GYAO!などが日本でも楽しめる同様な他のサービスである。

Facebookについても、傘下のInstagramを含めて、株式投資をする主たる年齢層に身近なサービスかと言えば疑問が無い訳ではない。更に、そのビジネスモデルの根幹は、広告収入だと知って、実際にどこにどういうように宣伝広告が紛れ込んでいるかを的確に指摘できる人は更に少なくなるだろう。実際、Facebookに大手の企業広告を見ることは、そう頻繁な話では無いからだ。ただFacebookもGoogleも、その収益の基本は広告費である。敢えてここでAlphabetと言わずにGoogleとしたが、AlphabetからGoogleを引いたら何が残りますか?

Amazonについて、単なるインターネット通販の会社と思っている人も結構いるのではないだろうか?「打倒Amazon」などと言う言葉をよく聞くが、打倒すべきはネット通販部門だけは無く、またそのネット通販部門だけ取っても、楽天やYahooショッピングなどと簡単に比べて良いものなのかどうか、根本の発想に違いは無いのかなど、考えたことはあるだろうか?更に言えばAWSと言って、Amazonの今や大きなウェイトを占めるまでに育った収益部分が、どうして大きな収益稼ぎ頭に育ったかを、MANTのMicrosoftのクラウドサービスなどとの比較も踏まえて理解している人はどの程度いるのだろうか。

MANTの方が、より商品で勝負している

NVIDIAはもともと何の会社だったのだろうか?今現在の証券市場での話題の中心はAI関連銘柄のとしてのNVIDIAである。しかしどうしてNVIDIAはAI関連の真ん中に躍り出ることが出来たのであろうか?そこを知るためには、最低限CPUとGPUというものの違いをある程度は説明出来る知識が必要であろう。そうでないと、インテルなどの半導体メーカーや、或いはAIの研究を進めている多くのIT企業の中で、なぜNVIDIAなのかが見えてこない。

そもそもMicrosoftなど、スマホやiPhoneに押されて、一旦は終わった会社かのように言われたにもかかわらず、どうして今はMANTの先頭に立つのだろうか?そのiPhoneを作るAppleは、スティーブ・ジョブズ亡き後、経営がダッチロールしているという人も居るが大丈夫なのだろうか?

Teslaについて、トヨタと資本関係で袂を分かつことになったが、その製品クォリティは本当に大丈夫なのだろうか?リコールなど、かかるような新車を出していないかどうか、調べてみる必要は無いのだろうか?

個別銘柄を買う時、薦める時の心構え

筆者は何も知恵比べで自分の知識をひけらかそうと思っている訳では無い。FANGもMANTもどれ一つとっても素晴らしい会社だと思っている。日本企業に投資先が少ないと思っている中で、個人でも充分投資したい(或いは投資している銘柄)と思っている会社であるし、この先にまだまだ楽しみにが残されている銘柄群だと思っている。

ただその一方で、米国株については言葉の壁があることも手伝い、多くの情報が滞って居たり、時間差をもって伝えられたり、或いは全く日本語化されていない現状を知っている、ただでさえ、Mixiの時のように、SNSとは何ぞやということさえも知らずに飛びつく人が多い日本の個別株式への投資事情だ。ファンドマネージャーでさえ、Facebookは使ったことがありませんと堂々と宣言しながら、その実、ポートフォリオには組入れていたりする場合がある。

三連休の最後の半日、これらの勉強に費やされても投資家ならば無駄では無かろう。

正月休み明けの最初の三連休も今日で終わる。その一方で「世界株高、いつまで続く」みたいな議論が平気で行われている。FANGやMANTの集合体がNasdaq総合株価指数であり、指数が上がるから個別銘柄が上がるのではなく、個別銘柄が買われるから指数が上がるのである。

当然、それらを見て、連想買いや連れ高をするのが株式市場であるのは紛れもない事実ではある。ただどうせ株式投資をするならば、やはり多くの人に勝って欲しい。負けて「金輪際株はやらん」などとは思って欲しくない。ただ多くのアンケートが、歴史的に「羹に懲りて膾を吹く」という現実を物語っている。どこぞの世論調査よりも確かな結果として。

冒頭で語ったように、Teslaを除いて、FANGもMANTも実に身近なサービスや商品を提供している会社だ。アマゾン・エフェクトだの、AIだの、自動運転だのという浮かれた言葉に踊らされるならば、せめてその企業の実態ぐらいは最低限の知識を見にまとって武装して欲しいと思う。

今年、日本株はどうかわかならないが、恐らく米国株はまだ技術革新が現実化しておりてくる分だけ上値は期待出来ると思う。その中で、間違ったものを買わずに、納得のいく投資成果を上げる最大の秘訣は、中身を知ることである。新聞やマネー誌、或いはしたり顔の評論家は得てして上辺の話しかしないのは古今東西どこでも一緒。自ら努力せずして投資リターンは上げられない。