年末年始は2017年を回顧し、脳内アルゴリズムのバージョンアップを!

大切なのはこれからどうするか?どうすれば良いのかだ。

昨日の東京株式市場、大納会は薄商いの中、利益確定売りに押されて日経平均株価で22,764.94円 △19.04円という水準で終わった。そんなことはどうでも良い。大切なのはこれからどうするか?どうすれば良いのかだ。2018年を迎えるにあたって、どういう投資スタイルを取るのが適しているのか、毎年同じことの繰り返しではあるが、この年末年始の休みを通して、その準備体操をすることが、来年の勝利のために最低限必要な作業だ。

チャート分析などのテクニカル・アナリシスに、「サイコロジカルライン」つまり心理的なという意味のものがあることが示す通り、市場取引は心理ゲームである。年末年始の過ごし方は各国それぞれ違うものの、カレンダーを1枚捲るだけの12月31日と1月1日の間で市場心理は世界中で劇的に変化することもある。典型例は1989年12月31日と1990年1月1日だろう。

明日起こることは誰にも分からない。ましてや来年起こることなど到底わかりやしない。

明日起こることは誰にも分からない。ましてや来年起こることなど到底わかりやしない。大雑把に現在の動向に傾向線を引いて、それに想定し得るリスクファクターを考慮して、予想を立てるのが関の山だ。定量的にやろうが、定性的にやろうが、その精度も確度も大した違いは無い。要は各リスクファクターをどの程度の重みと発生確率で捉えるかだけの違いである。それによって、ブル派とベア派に市場は分かれる。

各国中央銀行の金融緩和姿勢、及びそれからの上手な離脱が達成出来ると見ている向きは基本ブル派に入るであろうし、北朝鮮が米国に何か仕掛けるというような地政学的なリスクに重きを置いてみる向きは、ベアな見通しを立てるであろう。尤もらしくそれらを修辞すれば、立派なマーケットコメントとなる。

分からない、確度の高い予想も出来ない未来についてあれこれ思いを馳せるよりも、実は一番大切なのは「この一年間を振り返る」ことだ。勝ったのか、負けたのか、それはどうして、何が一番の要因で、本来はどうすべきであったのかということだ。今年のように、世界中どの市場に向かったとしても、余程のことが無い限り儲かった一年の終わりにこそ、素直な反省こそが望ましい。

諸兄のポートフォリオは如何なる成果を残したであろうか?

例えばこの一年間で言えば、日本株式市場は約20%も年初来から上昇した。米国市場はそれ以上で、NASDAQに関して言えば約3割(27.09%)の上昇にもなる。欧州では、英国でも約8%、ドイツなら約13%の上昇である。さて、これらに比べて諸兄のポートフォリオは如何なる成果を残したであろうか?これは、お客様に情報を提供する側の金融マンも是非真摯に自己解析してみて欲しい。

債券を保有していたり、現金系のポジションを持っていたりしたのならば、その分だけ薄まってリターンは減少しているだろう。REITなどを持っていたら、しっかりと足を引っ張ってくれたことだろう。「でも良いんです。分散投資と思ってやっていますから」という答えをする、或いは自分自身を納得させる言い方を頭でするのは、この段階では一旦止めよう。

「正しかった5つの判断、間違っていた5つの判断」といった一覧表を作ってみる

どんなアセット・アロケーションだったかによって、パフォーマンスは大きく違ってきている筈だ。それを原点に返って、可能な限り正直な投資目的と投資判断の経過を自分自身に問い質して「正しかった5つの判断、間違っていた5つの判断」といった一覧表を作ってみると良い。自分専用の覚書だから、素直に正直なことを書きだしたら良いだけだ。

どんなカリスマだって、必ずいくつかの間違いは侵す。全投資判断が正解するなんてことは決してあり得ない。カリスマと凡人を分ける最大の原因は、如何に自分自身の脳みそのアルゴリズムの修正を正しく冷徹に行えるか否かだ。過去の失敗は明日の成功へのヒントの宝庫である。職業ファンドマネージャーは、もっと頻繁に冷徹に自己分析を行うものだ。

まずは情報ソースを考えるのが最初なのかも知れない。新聞、テレビ、証券会社、銀行、友人・知人、独断など今年の投資判断を形作ったベースとなる情報ソースは何か?そのインプットに従って、どう解析(自分の脳で)して判断したのが正しくて、また間違っていたのか。必ず見えてくるのは、自分の持っている先入観念という邪魔ものだ。

今年間違ったものが来年も間違うとは限らない

次の行うのが、それをそのまま続けて良いのか、斬るべきなのかという検討である。実は多くの人はこのプロセスを正しく行わない。つまり今年正しかった脳内アルゴリズムは、来年も的中するか分からないのと同等に、今年間違ったものが来年も間違うとは限らない。

ただひとつ断言できるのは、誠意ある助言をくれなかった金融マンだけは即刻斬るべきだ。彼らに無用な収益だけ提供してあげる必要性はどこにもない。これだけは一つの不変の真理。そいつはお客様の方を向いていないからだ。

慣れてくると、この年末年始の作業は案外楽しいものだ。要は自分の脳のチューンナップだから。パソコンやスマホのOSがバージョンアップするかの如く、自分の脳のOSをバージョンアップをこの時期にすることをお薦めする。それは今年だけでなく、来年も、再来年も、毎年の習慣となるまで。