公的年金の運用実績を実額だけ報道する愚行

GPIF、公的年金の7~9月の運用実績 株高で4兆4000億円余の黒字と報道されているが、9月末時点で運用資産総額が約157兆円にもなる資産の運用を、どうして絶対額で報道したがるのだろうか?年率にして2.97%の利回りという。

逆に、これが損失の時もやはり実金額で吠え立てる報道や政治家がいる。投資元本が大きければ、その変動の実額が大きくなるのは当然の事。もし「あなたの100万円を一生懸命運用した結果、この7-9月で約3万円の利益となりました」と言われたら、喜んでいいのか、がっかりして良いのか。

ひとつの参考に、9月末の日経平均株価は終値が20,356.28円、6月末の終値が20,033.43なので、この7-9月期に1.58%上昇している。NYダウで見ると、9月末の終値が22,405.09ドル、6月末が21,349.63ドルなので同期間に約4.94%の上昇となる。為替は9月末が112.52円で6月末が112.43円と殆ど変化なしで影響はない。

実際には国内株が1兆7959億円、外国株は2兆349億円の黒字とのこと。その運用成果の良し悪しについてのコメントを此処ですることが目的では無いので控えるが、せめてこの程度の情報を提供して、将来の社会保障問題に関する今後の在り方などを永田町では議論すべきでは無いのだろうか?

ポイントとなってくるのは、アセット・アロケーションをどう巧みに動かしているかだ。ESG投資だなんだということは、実は殆ど関係が無い。「貯蓄から投資へ」と騒いでも、なかなかその流れが出来ないのは、こうした肝心な情報提供が大報道機関からまともに為されないこともその一因だと思う。欧米に比べて、子供の頃からの投資教育が足りないと能書きを説く前に、出来ることはもっともっと沢山ある筈だ。