北朝鮮情勢よりもハリケーン「ハービー」に注目

今朝の日経朝刊(8/31)早読み。欧米のメディアを見ていると、北朝鮮情勢よりも明らかにテキサス州に上陸したハリケーン「ハービー」への関心の方が高い。可能な限り日経朝刊から記事を広い、一部外紙からの情報で補足してお届けする。

1. ハリケーン「ハービー」の爪痕

30日のニューヨーク市場でWTI原油先物は続落する傍らで、ガソリンは2年ぶり高値を更新した。ハリケーン「ハービー」の影響でテキサス州ヒューストンの製油所が操業停止したことの影響だ。一方、シティグループは29日、2017年7~9月期の国内総生産(GDP)伸び率を0.1ポイント押し下げるとの予想。但し、復興のための支出が膨らみ、10~12月期と18年1~3月期の成長率はやや押し上げられると予測している。現在はルイジアナ州に再上陸し、現地に再び激しい雨を降らしている。

2. 地政学的リスク、結局はまだ何も変わらない

北朝鮮向けの石油禁輸については中露の反対があり、現状は北朝鮮を非難し、ミサイル発射の即時停止を求める議長声明を採択止まり。議長声明は国連の公式文書として残るため、非公式の報道声明よりも格上の位置づけというが、既に国連決議など無視しまくっている北朝鮮にそれが何の意味があろう。実質は何も変わらないと同様だ。ただ市場は既にこうした程度の対応だと織り込んでいるようで、既に眼中にない動きをしているかに見える。やはり「地政学的リスクとの付き合い方」(日経朝刊早読み8/10号)に綴った通り、「下手の考え休むに似たり」な状況と言える。

3. パソコン出荷 下落止まらず

電子情報技術産業協会(JEITA)は30日、7月の国内パソコン出荷台数が前年同月比22.6%減の45万台、出荷額は14.3%減の436億円だったと発表した。内訳で見るとデスクトップ型の出荷台数は16.9%減の12万台、ノート型は24.4%減の33万台でノート型の方がスマホへの流出の影響をより受けていると言える。但し1~6月で見ると出荷台数は前年同期比3.9%減に留まっている。蛇足だが、このブログの読者の約7割が現状スマホでお読み頂いている。今後とも、スマホ対応に力を入れていく所存。

4. 国内自動車8社、世界での生産量は3.9%増に留まる

トヨタ自動車など国内8社が30日発表した7月の世界生産台数は前年同月比3.9%増の222万2254台。米国での生産台数は昨年実績を割り込むが、中国市場で小型車やSUVが好調。トヨタの中国での生産台数は20.5%増、日産自動車の中国生産台数は25.6%増、「アウトランダー」の生産を中国に切り替えた三菱自動車は54.8%増の7304台となっている。問題は、ハリケーン「ハービー」の影響でテキサスの工場の再稼働や現状の稼働状況がどうなっているのかだ。工場の建屋は無事でも、労働者を押さえられない場合も想定し得る。まだ「ハービー」が活動している以上、米国現地生産の動向は注意を要する。

5. 決められない東芝、同社の先行きを予想するのは最早意味が無い

東芝は今日の取締役会で、WD陣営と独占的な交渉を進める方針を確認する見通しだったが、この期の及んでまだ一旦は売却交渉が行き詰まっていた「日米韓連合」とも接触しているようだ。3月末までに半導体メモリー事業の売却がコンプリートしないと、債務超過を脱することが出来ずに上場廃止となるため一刻も早い売却先決定が急がれるが、まだ経営陣は腹を括ってないようだ。まあ、だからこそこんな状況になっているとも言えるが、投資家としてはどちらかと言えば「決められない東芝には呆れてものも言えない」というのが率直な感想だ。

6. ハリケーンの影響で石油製品、米欧で上昇

マーケット商品面P22に「石油製品、米欧で上昇ハリケーン影響、減産観測 アジア市場に波及も」という記事がある。既にニューヨーク市場のガソリン先物は8月中旬に比べて2割高く、欧州のガソリン価格にも上昇圧力となっているという。主力のメキシコ湾岸での精製能力の3割以上が止まっているからだ。結果、欧州でのガソリン価格も4か月半ぶりの高値を付けている。通常米国から購入している南米が欧州に活路を求めた結果とも言える。

ただ面白いことに、原料となる原油は軟調、WTI先物は前日比△0.47ドルの45.97ドル(△1.01%)で、ブレントも50.78ドル(△1.22ドル、△2.35%)となっている。長引けば物価への影響が出てくれるが、早期に収斂すれば、影響は軽微にとどまるかも知れない。