為替の短期的な投機筋の動きに株式市場は振り回されるべきではない

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今朝のマーケット情報
日経平均23,669.49円-271.29円(01/25) ドル/円109.24円
NYダウ26,392.79 +140.67 NASDAQ総合7,411.16 -3.89

今朝の日経朝刊(1/26)早読み。ムニューシン米財務長官の発言に為替市場が揺れ、これを受けて日本株市場も高値警戒感も手伝って胸突き八丁な展開となっている。確かに「強いドルは国益にかなう」と常々言ってきた歴代の米財務長官の発言とは異なるが、だからと言って、掌を返したように円高を言い出す市場もどうかと思う。そもそも、円は本当に強い通貨なのか?強いと信じているのか?ということが、ここからの投資判断の大きなポイントとなるであろう。短期的には為替屋さんの投機筋の動きに左右されるのは仕方ないが、今後の金利の見通し、本質的な国力の問題などを冷静に受け止めれば、自ずと答えは出て来るように思う。少なくとも株式投資はそうした長期的な視点で行うものだと私は思う。

1. 【総合2】米国第一 ドル安に波及 米政権が容認発言 閣僚ら保護主義で足並み
【総合2】円高 107円台も視野 輸出企業の業績に重荷

発足2年目に入ったトランプ米政権が「米国第一主義」の主張を再び強め、外国為替市場で一段のドル安へと波及している。主要国首脳らがそろう世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、ムニューシン米財務長官がドル安で輸出を後押しするととれる異例の発言を繰り出したからだ。保護主義に傾く米国の動きに呼応するように外国為替市場ではドル安が進んでいる。円は約4カ月半ぶりに1ドル=108円台に突入し、2017年の高値更新も視野に入った。ドルは対ユーロでも年初から比べ3.8%下落している。円高進行は輸出企業の採算悪化につながり、訪日外国人(インバウンド)の消費にも重荷だ。緩やかに回復してきた日本経済を下押しする可能性がある。ただムニューシン氏は25日の討論会では「短期的なドル安には利点と問題点の双方がある」と指摘。「長期でみれば強いドルが望ましい」と改めて語って微妙にドル安発言を修正したものの、「『強いドル』を言い続けたこれまでの財務長官と自分は異なる」とも述べ、やや修正が入って今朝は109円台で戻ってきている。

2. 【マーケット総合】波乱を封じる「対話力」 逆行高の日電産に学ぶ

円高を嫌気し日経平均株価は25日、下落した。ただその中で逆行高を演じた日本電産を見ると、市場が今何を求めているのかが見えて来る。IR達人とも言われる日本電産・永守会長兼社長の決算説明会での説明では、四半期決算に触れることなく「4つの大波が来ている。ハードディスクドライブ(HDD)用モーターに進出した時と同じ状況だ」と同社を取り巻く中長期的な環境やビジョンを披歴した。今回の決算説明会には参加していないが、様子は手に取るように分かる。多くのアナリストの前で永守節が炸裂した筈だ。これを受けて多くの証券会社のレポートに「4つの大波」の文字が並んだという。経営者によるIRでのコミュニケーション能力が如何に重要かを証明するシーンだ。かつて任天堂の故山内会長も同様だった。これにはミスコミュニケーションの結果、公開市場操作で超長期国債の買い入れを減額したために、一部の海外勢が「金融政策の正常化」と反応し円高・ドル安を進めてしまった日銀も学ぶべき点があると思う。市場関係者の四半期決算ばかりを注視するような近視眼的になりがちな視点を変えられるのは、コミュニケーション能力以外には無い。かつてFRBのグリーンスパン議長も同様だった。

3. 【マーケット総合2】アップル関連株、世界で下落 iPhoneX販売苦戦 株価指数の上値抑える

世界の株式市場で米アップルに部品を供給する企業の株価が下落している。同社の「iPhoneX」の販売が伸び悩んでいるためで、25日はソニーや日本航空電子工業、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業などが下げた。アップル関連株は時価総額が大きく、アジアなど各国の株価指数の上値を抑える一因となりそうだと報じられている。iPhoneはここ数年、販売台数の伸び悩みが顕著で、画面に初めて有機ELパネルを搭載した「X」に株式市場の期待が集まっていたが12万円超と価格を高めに設定したことが嫌気され、中国などで販売が苦戦している。それは事実かも知れないが、前述の日本電産のように、市場とのコミュニケーションと、市場参加者の近視眼的な目線が如何に先々を見るようになるかがポイントとなろう。iPhoneXのポテンシャルは利用実感として非常に高い。2月1日に発表される決算と、その時のコミュニケーションがカギを握ることになると思われる。

4. 【マーケット総合2】20年債の入札軟調 金利に上昇圧力見込む

財務省が25日に実施した20年物国債の入札は軟調な結果となった。証券会社の想定と比べて、銀行や生命保険会社など投資家の需要が弱かったとの指摘が出ている。ただ新発20年物国債の流通利回りは24日に0.590%まで上昇していたので、節目の0.6%に近づき、事前には好調な入札結果を予想する声が多かったことに対する反動を読むことも出来る。冷静に考えるべきは、今の時点で金利が上昇出来るかどうか、という常識的な判断だろうと思われる。

5. 【1面】海運3社、業績回復 世界景気拡大 4~12月、郵船の経常益350億円

1面の大きくはない記事だが、この伝えるところのインプリケーションは冷静に考える必要がある。曰く「世界的な景気拡大で海運大手の業績が回復している。日本郵船の2017年4~12月期は経常利益が350億円前後になったようだ。前年同期の22億円から大幅に改善した。中国で資源需要が好調で、鉄鉱石などを運ぶばら積み船の採算が上向いた。アジアと欧米を結ぶコンテナ船も荷動きが活発になっている。商船三井の利益も大きく増え、川崎汽船は黒字に転換したようだ」という。また「中国では鉄鉱石の輸入が増加している。環境規制で低品質の中国産鉄鉱石の使用が減り、品質の高い南米産などにシフトしているためだ。製鉄原料となる石炭の輸入も増えており、資源を運ぶばら積み船の引き合いが旺盛になった。運賃の指標になるバルチック海運指数は昨年12月に約4年ぶりの高い水準となった」とも伝える。海運大手の決算内容は下手な経済指標が語るものよりも多くの意味を持つ。国際分散投資を心掛けるならば尚更慎重に吟味しておきたい。

6. 【総合1】大寒波 インフラ凍った 電力逼迫、企業向け節電頼る 東電「ネガワット」初発動

聞きなれない言葉である「ネガワット」。寒波襲来による電力需給の逼迫を受け、東京電力ホールディングスが繰り出した新手の技だ。事前に契約した工場などに数時間単位で節電をしてもらう「ネガ(負)ワット取引」を、22日から4日連続で実施。コストを抑制しつつピーク時の電力需給を安定させる仕組みとして政府の肝煎りで準備してきた「伝家の宝刀」を、2017年4月の導入以来、初めて抜いた。電力会社は需要急増に備えて予備の発電所を確保している。東電は国が新設した制度を通じ17年度からネガワットを予備電力の一部と位置づけ、東電が必要と判断した段階で電力使用を減らしてもらう契約を工場などの需要家と結んできた。非常時対応を受け入れることに対する基本料金と、実際に節電した場合の謝礼の2段階で対価を払う。実際には電気代の割引という形をとる。契約したネガワットがすべて順調に実施されると電力使用を50万キロワット近く減らせるという。

7. 【総合1】首都高、路肩狭く除雪難航 一時7割通行止め

22日の大雪の影響で、1日約98万台が利用する首都圏の「大動脈」の首都高速道路では一時、通行止め区間が全長の7割に当たる計230キロに達した。25日になっても3路線の一部区間の通行止めが続き、25日記者会見した首都高速道路会社の宮田年耕社長は、通行止めや山手トンネルでの10時間の立ち往生について「対応の不備で多大な迷惑をかけた」と謝罪した。しかし本当に悪いのは誰かを世論は真剣に考える必要があるのではないか?これだけ事前に大雪予想が出されている中で、プロである筈のトレーラーが出口ランプを登れずに大渋滞を招いたことに象徴される準備不足は、インフラ側だけの責めなのか?雪の中をノーマルタイヤで走り回ろうとするドライバーが未だに多い首都圏で、本当に責められるべきはそうしたドライバーひとりひとりの意識の問題では無いだろうか。