資源セクターへの資金流入は相場終焉のサインとなる場合がある

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今朝のマーケット情報
日経平均23,788.20円-61.79円(01/10) ドル/円111.30円
NYダウ25,369.13 -16.67 NASDAQ総合7,153.57 -10.01

今朝の日経朝刊(1/11)早読み。久し振りに日米市場のみならず、多くの市場で株価は僅かに下落した。年初来の上げ方が急ピッチ過ぎることの反動とは思われるが、一方で、資源株や商品相場などにまでリスクオンが定着してくる局面は、一般的には大きなサイクルの最終局面に出る場合が多いので、ここは気を引き締めて市場を見ておくべきだと思う。フワッと跳ね上がったマーケット故に、崩れる時もそう時間は掛けてくれないだろうと思われるからだ。

1. 【1面】「AI産業革命」始動 米見本市、IT2強が陣取り 車・家電…進化競う

漸く一面トップをCES2018関係の記事が飾った。この遅さは何故なのかと思ってしまうが、今朝の内容は「Amazon VS Google」の話。「AI産業革命」と謳っているが、AIスピーカー技術などに搭載されているAIアシスタントの可能性の議論だ。最後に的確な指摘をしている。曰く「国籍や業種の枠がなくなったデジタル技術の世界で日本勢はどう戦うのか。AIにより様々なメリットを企業、消費者が享受できる見込みだが、一方で心臓部を握られ、手掛けるのは組み立てだけといった「その他大勢」に成り下がってしまうリスクもはらむ。CESでの光景はこれから日本企業の多くが直面する「生きるか死ぬかの競争」(トヨタの豊田章男社長)を映し出している」という。

2. 【1面】ヤマトHD、値上げで黒字 営業益10~12月400億円

曰く「宅配便最大手、ヤマトホールディングスの業績悪化に歯止めがかかった。2017年10~12月期は本業のもうけを示す連結営業利益が前年同期に比べ8%増の400億円程度になったようだ。四半期の営業黒字は1年ぶり。「宅急便」の取扱個数を抑えて外部への委託配送費などを減らしたうえ、昨年10月には個人向け料金を値上げして採算が改善した」という話。黒字化が進んだ中で、ブラック企業扱いされる労働環境についての言及はない。

3. 【総合1】世界株高、商品相場に波及 原油、投資マネー流入で高値 非鉄や貴金属も上昇

曰く「世界的な株高が商品相場に波及してきた。原油価格が3年1カ月ぶり高値を付けたほか、非鉄金属や貴金属も上昇基調にある。世界的な景気拡大でエネルギー需要やインフラ投資が増すとの思惑から、金融緩和で膨らんだ投資マネーが流入。株を起点とするリスクオンの機運が商品市場に広がっている」という話。直感的に嫌なのは、資源株やこうしたところまでリスクオンが進むのは、歴史的には最終局面に多いという事実。資金循環モデルなどで見ても、市場のピークにこの動きが出て来易いので要注意のサインかもしれない。

4. 【総合2】財政黒字化、27年度に 内閣府試算、2年先送り

予想された話ではあるが、あらためて内閣府は国と地方の基礎的財政収支(PB)を巡り、黒字化が2027年度にずれ込むとの試算をまとめたとの記事。近く公表する中長期の財政試算で示す。昨年7月の前回試算では25年度を想定したが、さらに2年遅れとなる。19年10月の消費増税で得た財源を子育て支援などに回すことで借金の抑制が滞るのが響くほか、生産性の伸びを慎重に見積もったのも大きい。内容的には既知なものだが、世論の反応を見ながら政策を弄るサンプリング調査のようなものかも知れない。

5. 【経済】日本株、深まる日銀依存 昨年買い入れ、突出の5.9兆円

日銀が2017年に買い入れた日本株のETFは累計5兆9033億円と、7532億円だった海外勢の買越額を大幅に上回った。日経平均株価が約26年ぶりの高値を回復するなか、日銀が相場を支える構図が鮮明というのは周知の事実だが、問題は上場企業の4社に1社で日銀が株主の上位10位以内に入っていることになるという部分だ。パッシブ運用花盛りなのは否定しないが、味噌も滓も分け隔てなく買い入れるこうした運用は、市場の自浄能力を完全に削いでしまう。つまり退場すべき銘柄まで延命されるということだ。結果、スチュワードシップコードなどによって、議決権行使状況の開示を迫るなどが行われているのだとしたら、本末転倒な話になってきている。ただ現在、日本の中央銀行の含み益は大きかろう。

6. 【金融経済】投信、高成長・長期にシフト 17年2.7兆円流入 毎月分配、資金流出に

あれだけ叩けば、FD宣言下の金融事業者が毎月分配型投資信託を販売することは控えるだろう。ただ解せない状況の一部は、そんなに資金流出が自然体で起こったのか?ということだ。乗換え勧誘では無いのだろうか?2017年はETFを除く追加型株式投信全体で差し引き2兆7114億円の資金が流入した。残高は増勢が続いており、投信は個人の資産形成の柱として根付きつつあると言い切れるかどうかは疑問無しとしない。運用会社別の流出入をみると、個人が関心を寄せたAIなどテーマ型投信を投入した会社が好調だったという。いつか来た道に逆戻りしているだけと映るのは私だけだろうか?

7. 【国際1】中国、工場停止相次ぐ 天然ガス不足深刻 石炭の利用制限 経済にも重荷に

中国の天然ガス不足が深刻になり、企業活動に影響を及ぼしているという。天然ガスは世界的に供給過剰とされるが、習指導部は北京など中国北部の深刻な大気汚染の改善を狙い、発電所などの燃料である石炭の利用を制限。石炭を代替するガスの不足や価格高騰が全土に広がったという。国有エネルギー大手は供給増を急ぐが、需要が増える厳冬期を控えて混乱が続きそうだが、中国に行ったことがある人ならご存知の通り、とても目を開けていられないほど空気が汚染されている時がある。黄砂の季節には、関西地方にまでその刺激臭は流れていると感じるが、この動きに対しては習指導部に頑張って欲しいと思わざるを得ない。

8. 【企業総合】ローソン、薬販売900店で ドラッグ店と客争奪 21年度メド5倍、人材確保ハードル

ローソンは2021年度末までに一般用医薬品を扱う店舗を5倍の900店に増やす。風邪薬など500品を販売し、女性やシニアなどドラッグストアの利用客を取り込む。一方でドラッグ店も24時間営業を増やすなどコンビニエンスストアの客を奪っている。人口減やネット通販の伸長で実店舗の売上高が伸び悩むなか、業態の垣根を越えた競争が一段と激しくなる。外食産業などで24時間営業の中止などが相次ぐ中で、この戦いの行方は如何になるのか?

9. 【投資情報】半導体活況、部材に恩恵 17年4~12月営業 リンテック、2割増益 フェローテク、6年ぶり最高益

半導体市場の活況の恩恵が、材料や装置メーカーにも広がっている。半導体の製造工程で使う粘着テープ大手のリンテックは、2017年4~12月期の連結営業利益が前年同期比2割増の155億円前後になったようだ。石英など半導体部材のフェローテックホールディングスも同期間として6年ぶりに最高益を更新する。データセンター向けで半導体需要が急増していることなどが追い風となった。こうしてシャンペン・タワーに注いだシャンペンが、どんどん下に流れていくように広がることが望ましい。更に言うなら、その頂点には日本企業が主たる技術を握るようなものがあって欲しいが、昨今それは望むべくも無くなった。