低金利は国債発行には◎、マイナス金利でGPIFには×

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今朝の日経朝刊(12/18)早読み。月曜日の朝刊にしては読む記事が多かったなという印象だが、報道よりもオピニオン記事が多いように思い、故に読者としても一言いいたくなるような内容が多い今日の朝刊。月曜日は通勤電車の中であまり新聞ゴリゴリ読みたくないですからね。

1. 【1面】GPIF、預金にかかるマイナス金利分を負担 みずほ系信託が要請

ちょっと驚いたのが、マイナス金利分の負担を「運用資産が156兆円にのぼるGPIFは信託銀からの負担要請を突っぱねていた」というくだり。確かに運用資産はデカいに違いないが、信託勘定の余資の部分の運用と言えば、通常はコールローンや短期債や現先での運用であり、マイナス金利下故にマイナスになっていない預金に置いておいたと言うのは、プロフェッショナル集団として如何なものかと思ってしまう。きっと強者の論理で“突っぱねて”来たのだと思う。考えよう、取りようによっては、市中金利がマイナス下の損失補填と取られても仕方が無いのではないか。おまけに短期資産の運用者の公募を18日に始めたという。かつて勤めた投信会社には会社規模が小さい時から「短期資金専門の運用者」も置いていたが故、「え、今まで居なかったの?」と今朝二つ目の驚きであった。

2. 【総合・政治】「待機児童解消 優先を」63% 850万円超増税「賛成」55% 内閣支持、横ばい50%

曰く「日本経済新聞社とテレビ東京による15~17日の世論調査で、幼児教育・保育の無償化と待機児童の解消どちらを優先すべきか聞いたところ、待機児童の解消と答えた人が63%にのぼった。幼児教育・保育の無償化と答えた人は27%にとどまった」という。つまり「お金は掛かっても良いから、子供を預けて働きたい」という含意だと思う。その意味するところは政治も充分考えるべきだ。018年度の与党税制改正大綱を決めた。年収850万円超の会社員を増税とし、自営業やフリーランスなどを減税とする所得税改革について賛成は55%、反対は30%だった。年代別でみると、18~29歳の賛成は75%、反対は16%。若年層では支持する声が圧倒的に多かったが、30代以上の各年代の賛成はいずれも50%台だった。これは年収850万円以上の人か、そうでないかによって賛否は簡単に分かれるに違いない。しかし、遂に年収850万円超の水準までを世の中が「高所得者層」と言い出したのには、正直驚きを禁じ得ない。累進課税を止めろと言っているのではなく、「高所得者層」と定義する金額を下げれば下げる程、若い人の大勢が「あすなろ」精神は無くなり、現状維持か「豊かでなくても愛のある暮らし」みたいな発想に傾くのではないか。考えるべき意識の擦り込み方である。この国は社会主義国ではないのだから。

3. 【社説】ベンチャーの経営に規律を

社説が言いたい事は分かるが、今それをベンチャー企業だけの問題として敢えて言うタイミングなのかと言うとやや疑問が残る。日産自動車や神戸鋼をはじめ、相次いで経営規律の甘さが表面化してまだ日が浅い。セクハラ一つ取ってみても、警察や教職員を含めて官民挙げて事件は頻繁に勃発している。つまりベンチャー企業の経営だけが甘いわけではない。寧ろ、日本はもっとベンチャー企業に資金が回り易い仕組みを作るべきだと、また敗者復活が可能な社会風土を米国のように作り込まないと、ただただ新陳代謝なく衰退するだけの経済になってしまう。経営に規律を求める前に、よりベンチャー企業経営への支援を考えるべき時だと思う。

4. 【総合・経済】サービス値上げ 3度目の挑戦 外食・運送、人件費増を転嫁 過去2回は客離れで頓挫

値上げの背景には深刻な人手不足がある。10月の有効求人倍率を職種別にみると、飲食物調理、接客やウエーター、ドライバーは3倍前後から4倍近い。全体(1.55倍、季節調整値)を大きく上回る。人材確保のために、企業は待遇改善を急ぐ。財務省の法人企業統計によると、外食や宿泊などサービス業の人件費は今年9月までの1年間で36兆8900億円と最高を記録。これがサービス価格に転嫁されている。デフレ経済の下でもサービス業がコスト上昇に耐えきれず値上げに動いたことは、これが初めてではない。原油バブルだった07~08年と、日銀の異次元緩和で円安が加速した14~15年には、光熱費や原材料が高騰。価格の転嫁が進んだ。ただ個人的な意見としては、24時間365日の営業を続けるからこそ人手不足になるような気がする。セブンイレブンが朝7時から夜の11時まで営業するから7-11と名乗ったというのはもう歴史の一ページでしか無いのだろうが、特殊な飲食業を除いて深夜は就寝するものという原始生活風景に戻すことは不可能なのであろうか?

5. 【総合・経済】国債の想定金利1.1% 来年度国債費は2000億円減

財務省は2018年度予算案で、国の借金である国債の想定金利を2年連続で過去最低の1.1%にする。低金利で過去の借金の利払い費が抑えられ、18年度の国債費は17年度の約23.5兆円から2千億円程度減らす。国の歳出総額の24%を占める国債費の減少は一時的に財政運営を楽にする。だが、国債残高は先進国で最悪水準と金利上昇時のリスクがくすぶり続けている。借入金利が安ければ、それだけ元金の返済を進めることが出来る。今のうちに返せるだけ返しておくのが得策であろう。

6. 【国際】エルサレムルポ パレスチナ人、葛藤なお深く 首都認定「許せないけど…」 経済で依存

エルサレムはイスラエルの首都であるとしたトランプ米大統領による認定から10日ほどがたった。死者をだす抗議活動がパレスチナ自治区ガザで続く一方、エルサレムでは普段の生活が戻りつつある。だが首都認定で今の経済面での共存が脅かされるのではと多くのパレスチナ人は不安を抱く。米国の対応を喜ぶイスラエル人との間に広がる心理的な溝が広がっているという。この記事に私見をコメントするのは控えたい。何故なら、1967年の第3次中東戦争以降、イスラエルは、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地がある東エルサレムを占領し、西側と併せたエルサレムを「不可分の首都」と位置づけてきた。東エルサレムにはイスラエルの占領に反発するパレスチナ人が多く住むという現実があり、歴史的に部外者がどうこう言える内容のものでは無いからだ。ただ欧米ではこの問題は大きくずっと取り上げられている。日本はこの手の話題に感度が低い。注意して見守っていくべき話題。