マネージメントの優劣が企業の優勝劣敗を左右する

earlybird

今朝の日経朝刊(11/14)早読み。今日の日経朝刊をひと通り目を通すと、多くの企業のマネージメントの違いというのが見えてくる。勝ち組と負け組にはそれぞれに理由があるが、やはりマネージメントが抱える責任は大きい。どんなに小さな組織であっても、マネージメントが不適格者であれば、その組織はどんなにモデルが優れていても崩れ去るのは周知の事実。ただ日本国内ではマネージメントのプロは案外少ないもので、サラリーマン社会の押し上げ人事の結果の場合が多い。一方で、新興企業のマネージメントは、企業の成長ステージに合わせて、本人が変わるか、入れ替わるかしないとどこかで息切れしてしまう。そうした視点で今朝の日経新聞を読むと面白かろう。

1. 【1面】世界のカネ1京円、10年で7割増 実体経済と乖離鮮明

世の中に出回る現金に預金などを足した世界の通貨供給量は、実体経済の規模を上回るペースで膨らんでいるという。世界銀行の統計をもとに算出した2016年の通貨供給量は87.9兆ドル(約1京円)で世界の国内総生産(GDP)総額よりも16%多いからだ。これの恩恵を受けているのが「【金融経済】米運用会社、膨らむ資産 20兆ドル突破、過去最高に」でも報じられている運用会社だ。ただ、内容を見るとETFで残高が膨らんでいるということであり、すなわち信託報酬料率は極めて低い。運用会社の収益は「預かり資産×信託報酬料率」なので、資産が倍増したところで、信託報酬料率が半減していれば収益は変わらない。株価は経済の先行指標という原則に戻れば、株高は今後の実体経済の伸長を示しているのかも知れない。

2. 【1面】郵政株 最後の売り出し 財務省が1兆円超、来年度にも

日本郵政株の最後の大型売却が早ければ2018年度になることが分かった。財務省は18年度予算案に東日本大震災からの復興財源として郵政株の売却収入を盛り込む。政府は保有する郵政株の3分の2弱を早期に売却することが義務付けられているが、次回の売り出しで完了する見通し。売却時期は今後の株価推移や市場動向を見極めて最終判断する。現在の市況ならば1兆円程度の売り出しならばなんとか吸収し得るだろうとは想定できる。

3. 【総合1】「裸のトヨタ」見たい 社長、スピード不足に危機感

大企業になればなるほど、社長の周りの取り巻きが増え、茶坊主のようなそれらに囲まれた社長には本当の話は聞こえて来ず、社長が裸の大様になる一方、茶坊主が「社長の考えを慮って」とばかりに必要以上の権力を握る場合がある。それが大企業病の一つだが、この記事の伝えるところが真実ならば、トヨタの社長はそれが分かっているらしい。ただ社長の予定は秘書室が完全に掌握している筈なので、江戸城からこっそりお忍びで吉宗公が街中に出て来るほど突飛なものでは無い筈だ。その辺がどうなっているかが本当は知りたいところだ。社長は電撃訪問をしたつもりでも、電撃訪問を受けた風を装うように指示が出ているとしたら、それは末期的な状況だからだ。

4. 【金融経済】みずほ、ライバルは異業種 人員・店舗削減の構造改革

3メガの中で、最も経営層がまとまっていないと評判の高いみずほFG。スノッブな興銀系と、どぶ板都銀系の富士、第一勧銀の文化の歪は中々埋まらないと聞く。仮想敵国を作って呉越同舟を目指すというのならば、それはひとつの経営方針としてありだ。19000人を向こう7年間で減らすというのは、退職と採用の若干の抑制で自然減として達成出来るレベル。外資系金融があっという間にリストラするのとは訳が違うのでそう騒ぐほどではない。株価低迷はそうしたことも見透かしているように思う。

5. 【アジアBiz】台湾勢「iPhoneX」で復調 TSMC過去最高に

やっぱりアップル一本足打法なんだと再認識させられる記事。曰く「世界IT(情報技術)の生産を担う台湾のIT企業の収益増が再び加速している。主要19社の10月の売上高は合計で前年同月比6.3%増え、急減速した9月(0.6%増)から持ち直した。米アップルの最新スマートフォン「iPhoneX(テン)」の量産状況が改善したもようで、株式市場ではIT景気の先行きに強気の見方が増えそうだ。」ただ業界の地殻変動は次の記事を見ても静かに起こっていることは確認出来る。

6. 【企業総合】米ブロードコムの買収提案、クアルコムが拒否

史上最大のIT企業の買収かと思われたが、案の定、クアルコムが拒否した。1株あたり70ドルという株式の買い付け価格は「クアルコムの企業価値を過小評価している」ということらしい。これは正しいかも知れない。一方で、ブロードコムは敵対的であっても買収を続ける構えで、今後、価格の引き上げなどに動く可能性があるというが、ブロードコム自体にその体力が本当にあるのかどうかは疑問が残る。インテルがAMDと提携するという、数年前までならば考えられないウルトラCが発表されているが、買収するのと提携すると、現下の情勢下でそのスピード感等を考えれば、得策なのはどちらか判断は難しい。少なくとも、敵対的買収は1+1=2以上という効果を早期に発揮する芽を潰すことになりかねない。

7. 【企業総合】GE、金融危機以来の減配

上記の一方で、選択と集中の妙手、GEの経営がイメルト前CEOの時代からダッチロールしている。新CEOのジョン・フラナリー氏が打ち出している施策は、結局は再度「選択と集中」である。エジソン以来の米国伝統のブルーチップ企業の行く末には、やや暗雲が立ち込めていると言わざるを得ない。

8. 【投資情報】楽天、じわりアマゾンの影 株価の上値重く

トヨタの記事と放して掲載した意図が分かる人には分かるだろうというもの。曰く「楽天株の上値が重い。日経平均株価が年初から17%高と活況に沸くのに対し、楽天は5%高にとどまる。最大の原因は米アマゾン・ドット・コムとの競争激化だ。楽天市場など国内の電子商取引(EC)の成長鈍化の懸念がぬぐえず、投資家の買い控えにつながっている。」敢えてこの記事が無くても、楽天の苦戦の源がアマゾンであることは誰の目にも明らかだ。楽天のコア・ビジネスは何かといえばEC以上でも、EC以下でもない。もしその本丸が攻め込まれているのならば、どんなに他に逃れようと、他の城を建てようと、正に本末転倒。少なくとも日本国内では、ECでアマゾンを正面から向かい撃たなければ衰退を逃れることは出来ないであろう。