日経平均高値更新は慶事、長期の継続性には人口動態が要注意

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今朝の日経朝刊(11/8)早読み。日経平均株価が1992年1月以来、25年10カ月ぶりの高値をつけ、96年6月につけたバブル崩壊後の高値(2万2666円)を更新したことは喜ぶべきことだ。だが最高値である89年年末の38,957.44円には遥か遠くまだ及ばない。長期的にそうした水準が議論出来る時が来るのかと言えば、日本の人口動態とGDPの行く末をきちんと見ておく必要がある。一面トップでも紹介されたウォーレン・バフェットが重視する「バフェット指標」と呼ぶ名目GDPを市場全体の時価総額を比較する考え方。時価総額が名目GDPを超えると株価が割高と判断する尺度だが、既に東証1部の時価総額は名目GDPを大きく上回っていると指摘する。ならばこの先将来、名目GDPがどうなるかだが、人口減少の国のGDPはジリ貧になるしかない。何故なら、日本のGDPの6割を占める個人消費(米国は7割)がジリ貧になるからだ。経済の構造改革、企業の新陳代謝、海外依存度などの議論より、日経平均株価のような全体株価の将来は人口動態に掛かっていると言える。ならばパッシブ運用からのエグジット、という事もどこかで議論しないとならないだろう。

1. 【1面】日経平均、周回遅れの高値 バブル後最高2万2937円
【総合2】日本株高 3つの追い風 企業業績 世界景気 緩和継続
【社説】国も企業も歴史的株高を成長につなげよ

7日の日経平均株価は前日比389円高の2万2937円まで上昇し、1992年1月以来、25年10カ月ぶりの高値をつけ96年6月につけたバブル崩壊後の高値(2万2666円)を更新した。歴史的な株高の背景には好調な企業業績に加え、世界同時好況、金融緩和の継続と3つの要因があるという。これら追い風は当面続くとの見方から海外マネーが割安な日本株に流入し、市場関係者の間でも先行きに強気の見方が広がっているようだ。だが新聞のトーンは海外株の上昇に比べると「周回遅れの高値」の印象は否めず、米国や中国に比べ日本は構造改革が遅れ、企業の新陳代謝が進んでいないという。本当だろうか?既に従来総合電機と呼ばれた6500番台や6700番台の企業はその存在感を失った。92年当時の銀行や証券セクターの時価総額比率と現状とを比べれば、その衰退感著しい。嘗ては都市銀行だけでも13行あったのが、今ではメガバンク3グループに殆ど集約された。更に気になるのは「90年以降に上場した日本企業では時価総額が1兆円を超えるIT企業はソフトバンクグループや楽天などごく一部だ。時価総額上位にはトヨタ自動車やNTTグループ、メガバンクなど「旧来型の大企業」が並ぶ。」という解説。ソフトバンクや楽天をIT企業と括って、米国の状況と比較している点だ。ITバブルの頃から、日本では直ぐに何でもIT企業と称してシリコンバレー系と類似させる傾向があるが、全くの別物の場合が多い。日本が周回遅れだとしたら、それはもっと他の要因によると考える。

2. 【1面】トヨタ、一転増益 今期純利益6%増 円安で採算改善
【企業総合】トヨタ「連敗」回避 円安効果「実力まだ減益」 米の競争、販促費重く

トヨタ自動車は2018年3月期の業績見通しを上方修正し、2期連続減益の阻止にめどをつけた。増益転換の原動力は円安だ。通期の想定為替レートを1ドル=111円、1ユーロ=128円とそれぞれ1円、4円、円安方向に見直した。他通貨も併せ、為替見直しが営利益を従来計画比で650億円押し上げる。原価改善効果の積み増しも大きい。ただ、記者会見した永田理副社長は「為替の影響を除けば実力では減益」と厳しい見方を崩していないのは安心材料。問題は、米国市場でのプロダクト・ミックスの改善と、次世代技術への対応力だからだ。前者はまだ厳しいだろうが、後者については世の中で喧伝されるほどには心配していない。

3. 【総合1】ヤマト、宅配便減少 10月、2年7カ月ぶり 荷受け抑制効果
【総合1】アマゾン・エフェクト(3)パートナーか敵か
【企業2】三越伊勢丹、再起へ手探り 新通販サイト、4000社招集

ヤマト運輸の宅配便の増加に歯止めがかかったという。7日に発表した10月の荷物数は前年同月比1.1%減の1億4402万個で2年7カ月ぶりに減少した。しかし、それはヤマト運輸一社の視点であって、ネット通販自体の動向とは関係ない。高齢化を迎えれば、宅配による日常品の購入は、今後より増えることはあっても減ることは無い。その需要に対応出来たところが覇者になる。一方で、全てがネット通販に変わるわけではない。それが証拠に、激減はしたが今も尚、書店は存在している。アマゾンの原点がネット通販の書店であるにもかかわらず、アマゾンでさえリアル店舗を展開しだしている。これはアマゾン登場時からよく交わされた議論で、世の中から書店が無くなるのかどうかと喧々諤々の議論があった。そして結論はやはりショッピングすること自体の楽しさを諦めない限り「無くならない」だった。リテールが人口動態の含めて大きな転換点に差し掛かっていることは事実だが、ゼロイチの結果にはならない。そのきっかけとなったのはアマゾンだが、宅配便の需要も無くならなければ、百貨店の需要も無くなりはしない。

4. 【総合1】EV電池開発、次世代の先まで サムスンが「空気電池」 航続距離2倍に

スマホ「GALAXY」のバッテリーが火を噴いたことで傷ついたレピュテーションを回復すべく、韓国サムスン電子が打ち上げたと思われるロケット花火は、現行製品の2世代先となる、電機業界で究極の充電池と呼ばれる「リチウム空気電池」、電気自動車(EV)向け充電池の開発。1回のフル充電で走行可能な距離をEVに使われているリチウムイオン電池の2倍近くに増やし、現行の1世代先にあたる製品開発で先行するトヨタ自動車に対抗するという。スマホでさえ火を噴いた電池生産の品質管理の水準で、自動車に求められる品質要求に耐えられるのかどうかも含めて、展開を見守る必要がある。