つみたてNISAにまつわる記事は、業界人としては驚愕なものばかり

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今朝の日経朝刊(10/3)早読み。政治のゴタゴタの記事は今日は拾っていません。もう興味も沸かないというのが本音で「好きにして」と思ってしまう。一方で、つみたてNISAに絡む記事など、金融経済面の記事には良くも悪くも引き付けられました。きっと皆で知恵を絞って、良い方向に向かおうとしているのだと思いますが、どうしても「いや、そもそもの前提が・・・」という切り出しで意見を言いたくなる。だいたい、つみたてNISAが必要な理由ってなんですか?金融庁が旗振り役となって「若年層マネー」を呼び込もうっていうその深層本音は、公的年金制度の制度変更の代替版狙い?分かり難い制度を沢山作るより、原稿の年金システムを弄った方が早い気がするのは、私の思い過ごし?それとも、日銀がETF手放す時の受け皿?前者は政治が邪魔、後者は規模足らずなんですけどね。

1. 【総合2】景気回復、広がる裾野 半導体など需要伸び期待 人手不足対応 焦点に

日銀が2日発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、大企業、中堅、中小を合わせた全規模全産業の業況判断DIは、前回6月調査から3ポイント改善のプラス15と、1991年以来26年振りの高さだった。設備投資は2017年度は6.9%増の見込み(金融機関も含む)で前回調査から1ポイント上方修正。非製造業の景況感も改善が続く。大企業、中堅、中小を合わせた非製造業の業況判断DIはプラス14と1ポイント改善。一方、雇用人員判断DIは大企業がマイナス18、中小企業がマイナス32と中小企業の厳しさが目立ち、17年振りの開き。人手不足による需給の改善が賃上げにまでつながっていくかが今後のカギを握るのは確か。

2. 【総合1】日産、121万台リコールへ 無資格検査で24車種、費用250億円以上

意味不明な問題も発生するものだという典型。日産自動車は無資格の従業員が国内6工場で検査工程に携わっていた件で、週内に24車種、121万台のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出ると説明した。軽自動車を除き、日産の国内販売の3年分に相当する規模で、費用は250億円以上になる見通し。費用等はリコール引当金もあるだろうが、完成車検査は有資格者しか出来ないという認識が会社全体に無かったことが驚きである。言うなれば、外務員資格を持っていない証券マンは営業行為をしてはいけないことを会社として知らない証券会社があったようなものだ。こういう例は、案外企業の盲点なのかも知れない。

3. 【経済】財政規律 問われているもの(1)逃げ水の健全化

「日本の財政が心配だ。安易な借金頼みが続き、十分な規律が働いていない。膨らませるだけ膨らませれば、いずれはじけるのは確実。少子高齢化にあわせた社会保障制度の見直し、着実な成長をベースにした収入の確保といった、未来への安心感を高める工夫がいる。財政健全化が逃げ水のように遠ざかれば、その分、後の世代に回すツケは大きくなる。」正に仰る通り。しかし、昨日のNHKの世論調査で、政府に期待するものの最大項目は社会保障だった。経済政策や北朝鮮情勢に絡む国家の安全などより断トツで社会保障だった。たぶん、それには二つの取り方があって、社会保障を見直して、世代間格差をなくし、後世に禍根を残さないようにしろというまともな議論のものと、「弱者救済」という錦の御旗の下の旧来型社会保障へのお貰い型根性の社会保障拡大要請の二つと思われる。前者ならば◎、後者ならば財政再建への道は遠く厳しい。でも選挙時には後者に振り易い。ただし、国の借金が1000兆円を超えるというのは、負債サイドだけを見ており、資産サイドへの検証が無いのは週刊誌レベルと言わざるを得ない。

4. 【金融経済】つみたてNISA始動(上)10兆円市場、若者に狙い 低い手数料率、収益性課題

見出しに(上)とついているので、この先(下)も出て来るのだろうが「積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の口座開設手続きが2日スタートした。低コストの投資信託を毎月コツコツと積み立て、長期の資産形成を促す。利用者は360万人を超え、総投資規模は10兆円を上回るとの見方がある。その中心となる「若年層マネー」を呼び込もうと、金融各社の知恵比べが始まった。」ということらしい。「問題は収益性だ」と言うが、そもそもそういう発想で“つみたてNISA”を捉えるから正しき議論もどす黒い話に変わる。ただ、そもそも論でいうと、誰が投資信託は長期の積み立てに向いているという発想を振りかざし始めたのか?それ自体が、論理的にホップステップジャンプして歪んでいると思う。「つみたてNISAは低コストの投信だけが対象で、大半は運用手数料に相当する信託報酬が0.5%未満。仮に11兆円市場に成長しても、運用会社と販売会社の取り分は1社あたり年数億円にしかならない可能性がある。「システム投資や運用報告書の印刷・送付などを考えると当面は赤字が確定」(大手運用会社幹部)」なんていうことは、当たり前の話で、対応出来る金融機関と出来ないところがあって問題ない。「「長期投資の定着」という理想と、「適切な利潤」という現実のバランスをどう取るのか、模索は始まったばかり」というが、長期投資とは一体何年間程度のことを指しているのか、その単語定義から一度ちゃんと擦り合わせをした方が良いと思われる。

5. 【金融経済】三菱UFJ銀、ファンドラップ参入 退職金需要取り込み

三菱東京UFJ銀行が「ファンドラップ」に参入し、店頭のタブレット端末で運用方針や経験、資産状況などを打ち込んでもらうと11種類から適したコースを自動判定システムを導入したという。契約までタブレット上で完結する。他行他社でも昨今はこうした対応が広がっていると思われるが「11種類から適したコースを自動判定」ということ自体に異を唱えたい。この辺は、現在執筆中の単行本で詳述する予定だが、この例で言えば、三菱UFJ銀行のロジックで、当該顧客に適していると考える運用であって、それが普遍的なものではないということ。そもそも「何をもって、適している」とするかの疑問にはどの金融機関も答えてはいない。「安定収益追求」と「リスク分散」の2コース、計11種類の中から志向に沿った組み合わせを自動で提案というが、誤解してはいけないのは、個人は年金基金の運用者ではないという事だ。だから後刻、トラブルが発生する。

6. 【金融経済】対象投信、まず103本

金融庁が2日、つみたてNISAの対象となる投資信託の第1弾として103本を公表したというが、その内容には正直驚いた。内訳はインデックス型が90本、アクティブ型が13本だった。手数料を見直したのは16本。内外のバランス型ファンドは36本と昨年11月時点の3倍超に増えた。信託報酬率も総じて低く国内インデックス型の場合報酬率は平均0.26%、インデックス型90本の平均報酬率は0.34%。金融庁のご指導も厳しいのだろうと思うし、これまでが余りに野放図に好き勝手やってきた業界ということも言えるが、何か間違った方向に突っ走りそうな気がしてならない。

7. 【国際1】カタルーニャ州議会「独立宣言」の構え 賛成票9割

「大阪都構想」なるものがあったように思うが、独立までは言っていなかった。スペイン北東部カタルーニャ州政府は2日未明、独立を問う住民投票で賛成票が9割を占めたと発表した。結果を受け、同州議会は48時間以内に独立を宣言する構えだ。スペイン政府は投票自体を認めず、州政府幹部の訴追など法的責任を問う可能性がある。両者の対立が長引き、事態が混迷すればスペインの政治・経済に悪影響を及ぼしかねない。日本も支持政党別に独立とか言い出したら、面白いかも知れない。