祝 日経平均株価2年振りの高値回復

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今朝の日経朝刊(9/20)早読み。9/18の「日経新聞朝刊早読み」では、「衆院の臨時国会冒頭の早期解散を支持する」を表題に付けたが、9/19の日本市場でも市場参加者の意識は同様であることを確認することが出来た。終値の20,299.38円は2年1か月ぶりの高値であり、一時上昇幅は400円を超えた。勿論、為替が111円台後半へと動いたこと、米連邦債務の上限引き上げ問題では12月まで債務上限が凍結されたことなども好感されているが、安倍内閣の支持率が維持されることで、新しい経済対策への期待も広がり、外国人投資家も衆院選は株価上昇への好機と捉えたようだ。学校法人「森友学園」や「加計学園」を巡るスキャンダル追及だけで国会がワイドショー化することを市場が飽き飽きしていることも如実に示した結果と思われる。

1. 【1面】財政黒字化目標を先送り 首相意向 消費増税、教育に1兆円超 規律の緩み一段と

安倍晋三首相は2019年10月の8%から10%への消費増税の増収分のうち、1兆円超を教育などの充実策に振り向ける検討に入った。幼児教育の無償化などの財源を大胆に確保し、教育環境を整える狙いだ。その代償として財政再建にまわる税収が減るため、20年度としてきた基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化目標の達成も先送りされる。これは諸刃の剣になるかも知れない。高齢者世代だけでなく、現役世代にも手厚いことを謳うのは良策だが、高齢者向けの医療や介護への拠出を減らさずに、その原資を増収分の借金返済原資から振り向けるのは、結果として現役世代への貢献となるのかは議論が分かれるところだ。ただ、衆院選を前に、少なくとも老人医療拠出を減らすとは安倍首相も口が裂けても言えないという事情はよく分かる。今後の詰めが重要になる。

2. 【1面】商業地、2年連続上昇 基準地価 訪日客効果広がる

国土交通省が19日発表した2017年7月1日時点の基準地価は、全国の商業地が前年比0.5%上がり、2年連続で上昇した。16年7月は前年比0.005%と9年ぶりのプラスだった。これを見てREIT保有者が安堵するのは早計だ。商業地を含む全用途で見ると▲0.3%の下落であり3大都市圏でのみ地価は上昇している。それも主なものは商業地で+3.5%に留まる。つまりREITの物件の選び方によっては、マイナスでは無いものの殆ど現値維持に留まるものが多いという事だ。これに賃料の下落が伴えば、REITのパフォーマンスは著しく悪化し、訪日客減少が見込まれる2020年以降について、大きな不安を残すものだ。

3. 【3面 総合2】資産デフレ解消遠く 基準地価 住宅地の底上げ力不足

上記2.と合わせて、こちらにも目を通しておきたい。今年の基準地価からは全国の商業地と工業地に底入れの兆しが見えてきたが、住宅地はまだ長らく続いた資産デフレの影響を色濃く残す結果と日経新聞も謳っている。不動産融資は伸びているが、都市部や利便性の高い地域にみられる動きで、全国隅々の住宅地で地価を底上げするほどの力強さはない。更に、東京の不動産も好調さを示す指標ばかりではなく。分譲マンションの新設着工戸数は2016年度に前年度比5.1%下落となっているという。REITへの危惧のみならず、デフレ脱却にはまだ遠い現実が浮かび上がってきている。

4. 【7頁 金融経済】三菱UFJ、9500人分の仕事自動化 国内銀従業員の3割相当、生産性大幅向上狙う

これは単純には喜べないもの。三菱UFJ銀行の三毛兼承頭取も今月、「人工知能(AI)の導入などで徹底的に自動化を進めていく」という方針を打ち出し、業務の大胆なデジタル化によって、今後7年間で2000億円の利益押し上げ効果を目指すと言っているが、その7年間の間には、90年前後のバブル期に大量採用された銀行員が出向などの定年期を迎える。パートなどの分野も減り、人減らしの先の受け皿をどうするのか、同行の今後の施策は大いに興味のあるところだ。単なる銀行員エレジーをならないことを願う。

5. 【7頁 金融経済】資産運用、退職後こそ バランス型投信が主軸に フィデリティ投信社長に聞く

「退職後の資産運用こそバランス型投信が主軸」というフィデリティ投信社長のご意見には異を唱えたいが、現在のパッシブ運用前世に対する氏の「中長期で日本株全体に大きな上昇は見込みにくい。そうした局面では、自らの調査で有望な銘柄を発掘するアクティブ運用がより重要になっていくはずだ。低コストが重要なのは否定しないが、これからは銘柄の選別が運用成績を左右するアクティブ運用の復権があるとみている」というコメントには100%同意する。

6. 【13面 企業総合】グーグルの自動運転車、インテル半導体採用 供給元を公開

米グーグル系の自動運転開発会社ウェイモは18日、車の「頭脳」となるコンピューターシステムの開発で2009年から米インテルの半導体技術を採用していたことを明らかにした。自動運転業界ではエヌビディアのGPU(画像処理半導体)がシェアを伸ばしているが、これが示すものは、IT業界が目指す自動運転と、自動車業界が目指す自動運転に、やや違いがあるということだろう。すなわち、逆から見れば、まだデファクトスタンダードになるような技術が登場している段階では無いという事だ。何故なら、インテルの得意とするCPUとエヌビディアのGPUでは、半導体という意味では一緒でも、演算方法に対する考え方が根本的に違うという事だ。完全自動運転車の登場への道のりはまだ期待値よりは遠い。

7. 【15頁 企業2】ヤマト、日本最長の連結トラック 輸送量2割多く

どうもヤマト運輸の経営がダッチロールしているように思われてならない。ヤマト運輸は19日、大型トラック2台分の輸送ができる全長25メートルの連結トラックを日本で初めて導入すると発表した。年内に自社の物流拠点に2台導入し実験するというが、これで削減できるトラックドライバーの人員が何人になるのだろうか?シフトなどを含めても10人には程遠い。一方で、長年ヤマト運輸の成長を支えてきたアマゾンとの関係は悪化したまま、アマゾンは他の運送会社に切り替えながらも、殆どサービスの質を落とさずに現状を続けている。最大顧客を運賃の安さとトラックドライバーの不足ということで袖にしておきながら、次なる打ち手のレベルがこの段階というのでは、あまりにお寒い気がしてならない。