決められるマツダ、決められない東芝

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今朝の日経朝刊(9/13)早読み。半導体メモリー事業の売却先をいつまで経っても決められない東芝経営陣と、このEV化が話題の中心の自動車業界で敢えてディーゼルに拘ることを表明したマツダ。その経営陣の決断力の違いは明らかだ。この期に及んで、まだ決められない経営陣ならば、総退陣が必要だ。

1. 【1面】銀行、個人即日融資を停止 来年1月 カードローン縮小へ

国内の銀行各行はカードローンなど新規の個人向け融資で審査を厳しくし、来年1月から即日の融資を停止する。家族らの申し出で貸し付けを自粛することも検討。銀行カードローンは、消費者が無担保で使い道を限定せずに借りられる融資。24時間、ネットでも申し込める利便性から利用が急増。融資残高は3月末時点で約5兆6千億円と5年で約7割増えた。だが、自己破産の申し立てが増えるなど、利用者の返済能力を超えた貸し付けが広がっているとの批判があり、今回の措置となった。嘗ては「サラ金」と呼ばれた消費者金融を次々と傘下に収めてきた銀行業界だが、私が入行した頃は、そうした消費者金融と銀行融資とは違うという融資関係者の自負があった。ある意味、これで寧ろ正常化するのかも知れない。

2. 【1面】社債発行、見送り相次ぐ NTTやリコー 金利低すぎ買い手つかず

企業が社債による資金調達を相次いで見送っている。NTTグループが発行を先送りし、リコーや新日鉄住金も当面の起債を見送った。日銀のマイナス金利政策導入以降、低金利で資金調達できるとして社債発行が活発になったが、9月に入り地政学リスクが高まると長期金利が急激に低下。社債の金利も低くなりすぎて投資家の需要が集まりにくくなった。社債の金利は国債の利回りが基準。そこに企業ごとの信用力に応じて金利を上乗せし金融商品としての魅力を高める。信用力が高ければ上乗せする金利は低く済むはずだが、国債の利回りが低すぎると上乗せ金利を積み増さなければ投資家の需要が集まらない。北朝鮮による核実験の強行などで金融市場では安全資産とされる国債が買われた。長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは8日にマイナス0.015%と昨年11月以来の水準に低下。14日時点でも0.04%と引き続き低い水準にある。一方で企業側は信用力の目安とされる上乗せ金利を増やしたくない。企業の多くは手元資金が潤沢で、無理をして起債する必要はないからだ。

3. 【3頁 総合2】ディーゼル・EV 両にらみ 独首相 雇用優先、英仏と差

ドイツのメルケル首相がフランクフルトモーターショーで、現在主力のディーゼル車の改良と電気自動車(EV)への投資を同時に進める「二正面作戦」が必要と述べた。これがドイツの本音だろう。英仏は2040年までにディーゼル車・ガソリン車を禁止する方針だが、独は雇用に配慮しつつ緩やかな転換を目指すという。これを受けて独ダイムラーのディーター・ツェッチェ社長は「我々はガソリン車より二酸化炭素(CO2)排出が15~20%少ないディーゼル車を造る技術を持っている。今後も改良を加える。CO2が少ないという利点を無駄にすることはできない」とディーゼルへの固執を語り、一方、BMW・クリューガー社長は消費者に受け入れられるポイントについて「充電インフラ、魅力的な品ぞろえ、そして1回の充電で走れる距離の3つが重要だと考えている。」と単純にEV化は難しいことを語った。メルケル氏は新20年までに独国内のEVの充電ステーションなどを10万カ所、追加で設置するとの考えを表明した。インフラ整備は国が後押しをするということだ。

4. 【7頁 金融経済】銀行団「月内、譲れぬ一線」 東芝の半導体売却契約 融資枠更新へ、いらだち募る

東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の売却先選びが混迷を深め、資金繰りを支える銀行団がいらだちを募らせている。今期中に債務超過を解消できなければ、銀行団は崩れかねない。その期限となる「9月末」を迎え、売却先の決定を迫る「レッドライン」(譲れない一線)を通告した。あまりに二転三転し決まらぬ売却先。銀行団は期限を切ったが、これを東芝が守れる保証は何処にもない。確かに取締役会とは、本来そこで喧々諤々の議論が行われるべきところであるが、何も決められない取締役会ならば全く意味が無い。通常、代表取締役が議長を務めるが、それこそそれは社長である。最終的な裁可を下すのが社長の責務であるのも事実であり、東芝という企業のガバナンスそのものが根本から問われている。

5. 【17頁 企業2】マツダ流 割り切り戦略、あえてディーゼル

マツダは14日、世界展開を視野に入れた新型のSUVを発表し、動力は電気でもガソリンでもなく、あえてディーゼルエンジンだけとした。自動車業界では折しもディーゼル規制が強まり、電気自動車(EV)シフトが一段と加速している。逆張りにみえる経営判断の裏には、マツダ流の「割り切り」がある。上述の東芝の決められない経営陣とは正反対の英断であるといえる。「ディーゼルで世界の環境規制に対応できるのか」と発表会では報道陣から質問が相次いだが、マツダは「現時点では大型SUVでは力強く、長距離を走れることが特徴のディーゼルエンジンが欠かせない」と返答、そこにはロータリーエンジンの技術にも拘ってきたマツダ経営陣の強さが垣間見える。